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ふるさと納税研究会の発足

2007年6月5日(火曜日)

前回この欄で「ふるさと納税」構想について書いたが、この6月1日にこの構想を具体化するための研究会が発足した。私が総務大臣からその座長に就任するように要請を受け、就任することとした。第1回会合を行った今、この研究会について私なりの感想を申し述べておきたいと思う。

研究会は、下記のメンバーによって構成された。

  • 座長
    島田 晴雄(千葉商科大学学長)
  • 跡田 直澄(慶応義塾大学商学部教授)
  • 小田切 徳美(明治大学農学部教授)
  • 桑野 和泉 (株式会社玉の湯代表取締役社長)
  • 佐藤 英明(神戸大学大学院法学研究科教授)
  • 千葉 光行(市川市長)
  • 西川 一誠(福井県知事)
  • 長谷川 幸洋(東京新聞・中日新聞論説委員)
  • 畠山 武道(上智大学大学院地球環境学研究科教授)
  • 水野 忠恒(一橋大学大学院法学研究科教授)

会議の冒頭、菅総務大臣は、多くの国民が、自分がふるさとと考えるところに納税するような形で貢献したいと考えており、その思いを生かす新しい納税制度を構築できればとの期待を表明された。ふるさとを愛し、ふるさとのために役に立ちたいという人々の自然な思いは、多くの人に共通するものであり、大切にしていくべきであろう。問題は、それをどのような形でわかりやすく使いやすい税の制度として受け止めることができるかということだ。

前回も書いたように、税には受益と負担の関係が基本にあり、地方税は特に応益税の性格を持っているので、そうした伝統的理論から見ると、ふるさと納税の構想はそのままでは馴染みにくい面がある。

第1回の研究会では、すべての委員にふるさと納税への取り組みについて所見を伺ったが、各委員のコメントは真剣で内容が濃く、多くの点が指摘され、この問題が極めて大きな広がりを持っていることが浮き彫りになった。税を納税者の立場から考え直すきっかけになるという観点からふるさと納税の検討を進めることは大きな意義と価値があるという点は共通の意見であった。同時に、人々のそうした思いを実現するには、寄付制度のほうが馴染みやすい,税源の地域格差を減らすためには、ふるさと納税制度は量的にはそれほど大きな役割は果たせないかもしれない,税財源の地域格差を調整するには、交付税の役割が大きい,等々多くの議論が出された。

私たちは、先入観を持たずにできるだけ幅広い議論をし、その中から人々の思いを実現するのにもっとも適切な形を探っていきたいと思っている。来年度の税制改正に間に合わせるには、今年の秋ごろまでに委員会として一定の方向性を示す必要があり、これから次第に議論の密度を高めていく必要があるように思う。また大きな進展があったら、この欄で報告したいと思う。