サービス・イノベーションへの取り組みについて
2006年1月25日(水曜日)
富士通総研は、サービス・イノベーションについて新しい研究を組織的に推進することになった。サービス・イノベーションという概念は、まだプレリミナリーなコンセプトであり、十分に定義されたものではないが、世界の経済社会とりわけ先進経済が急速にサービス化の傾向を強めている中で、「サービスの進化とは何か」を本質的にかつ体系的に究明しようというものである。
それにはいくつかのモチベーションがある。
第一に、先進・成熟経済の経済活動の比重はますますサービスに移りつつあり、そのサービスがどのような原理やメカニズムを通じて進化していくのかを究明することは、経済社会の将来を理解するうえで重要な意味を持つ。
第二に、製造業の生産性向上や技術革新については、すでに多数の研究蓄積もあり、多くのことが解明されてきたが、サービスの生産性や技術革新や進化についてはその決定要因やメカニズム・プロセスについての研究が世界的にもまだ相対的に少なく、研究の大きなフロンティアであるということが出来る。
第三に、現代社会のサービスは情報と密接に関わりあっており、情報処理の効率化が生産性の向上につながると同時に、そのことが新しいクリエーション(創造)を引き起こすかどうかが、科学的にも極めて重要な研究課題である。言い換えれば、情報処理の量的効率化が質的イノベーションを生み出すかどうかというところに、学問的に究明すべき点がある。
これらの意味で、重要な意味をもつサービス・イノベーションを当研究所では組織的な研究課題にしようとしている。何人かの研究員のコラボレーションによって、基礎研究、データベースの整備、仮説の構築、世間への問題提起などを繰り返しかつ蓄積しながら、サービス・イノベーションの本質に迫り、そのイノベーションを活用し、経済政策、企業戦略に対してどのように活かせるかを組織的に考えてゆくものである。
研究プロジェクトはまだ着手の段階であるが、数ヶ月もしくは1年以内にある程度の中間的な知見が得られることが期待される。その知見が得られ次第、またこのホームページで報告して行きたいと思う。
