観光立国への期待
2005年5月24日(火曜日)
今、愛知万博が開会中で大変な人気を博している。半年の会期中で1500万人の見学者を招く計画だが、人気が高くそれを上回りそうである。海外から150万人の観光客を期待しているが、これもなかなか好調である。今回、日本の政府としては、万博自体の意義だけでなく、日本の観光の新しい発展の契機にしようという期待もかけられている。
私は、富士通総研経済研究所理事長であると同時に、政府の観光立国推進戦略会議のメンバーとして、また内閣府の万博推進委員会の委員長としてこの問題にかかわってきた。それだけに現在の万博の人気は誠に喜ばしく思う。
今世界は、大観光時代ともいえるような時代になっている。観光は、雇用効果や経済効果の裾野のきわめて広い一大産業活動である。これは典型的な平和産業であり、また自分の文化を外の人々に共有してもらうという文化的価値の高い産業でもある。
日本は、かつて全国に無数にある温泉地などを中心に団体旅行型の観光が隆盛を極めた時代があった。また、年間1700万人もの日本人が海外へ出かけ、アウトバウンド観光は極めて盛んである。ところが近年では団体旅行は敬遠され、国内の温泉地は過剰設備をかかえて低迷している。また国際面では、アウトバウンド観光が盛んな割には、海外のお客を招き入れるインバウンド観光はすこぶる貧弱である。
小泉政権はこの問題に着目し、観光産業の活性化に力を注いできた。様々な観光振興の戦略が打ち出されているが、それらを背景にして、海外からの観光客は、この数年間に2002年 400万人台、2003年 500万人台、2004年 600万人台と急速に増加している。
また、国内各地で観光振興のために活躍している観光カリスマを認定して表彰したり、国際的競争力のある観光ビジネスモデルの全国選抜と表彰を行うなどの施策も進めている。
愛知万博は、そうした一連の運動の大きな一躍を担うものとも位置づけられる。
日本がこれまでの古い観光産業のあり方から自己革新をして、個人や家族を中心とした豊かな観光立国に生まれ変わることが期待される。
