GC-MSは有機化合物の定性・定量を目的とした分析装置で、ガスクロマトグラフ(GC)と質量分析装置(MS)を結合した複合装置です。
多成分、同時分析が可能になっています。まず試料を気化室に注入すると、気体試料はそのまま、液体試料はここで一気に加熱されてガス化し、分離カラムへと流れ込みます。
分離カラムは径0.5mm以下・長さ数10mの管で、一般的なものは内壁に液層が形成されています。混合物は、このカラムを通過することで、単一成分に分離されます。
単一成分に分離されカラムから排出された成分に、例えば加速した電子を衝突させてイオン化させます(電子衝撃イオン化法)。すると、高い内部エネルギーの作用により分子の開裂が発生し、フラグメントイオンが生成されます。 この開裂は成分の構造に特有なパターンで起こるため、マススペクトルを解析することで、定性分析が可能となります。
ガス捕集管(長さ160mm)とミニポンプで、雰囲気ガスを捕集します。

ガス捕集管に捕集された有機化合物を、GC/MSで分析します。

GC/MS(QP-5000, 島津)

クリーンルーム雰囲気のトータルイオンクロマトグラム
(0.1リットル/分, 100分間捕集)
ピーク1本が一つの有機化合物に対応します。多数の有機化合物が検出されており、全有機物量は362μg/m3でした。
中には、有害な有機シリコン化合物の環状シロキサンD3(200ng/m3), D4(420ng/m3), D5(410ng/m3)も検出されていますが、シリコン窒化膜上の不具合を引き起こす量ではないことが分かりました。
シリコン・石英・金属膜(8インチまでのウェーハ)の測定が可能です。
ウェーハ加熱炉でウェーハを400℃に加熱し、アウトガスをTenax捕集管で捕集する。捕集後、250℃で吸着物を脱離させてGC-MSに導入し、測定する(捕集からGC-MS導入はインラインタイプ)。

ウェーハ加熱炉SWA-256(ジーエルサイエンス)、QP-5050A(島津)
上段にウェーハケース保管前の、下段にウェーハケース保管30日後のトータルイオンクロマトグラムを示します。

保管30日後でフタル酸エステルなど多くの有機化合物が付着しています。
保管方法の管理が必要であることが分かります。