電子線マイクロ分析装置では、固体試料に細く絞った電子線を照射し、電子線が到達する1µm(ミクロン)ぐらいの領域から発生する特性X線を検出することにより、二次電子像観察した箇所や異物に存在する元素の種類と量・分布などの分析ができます。
固体表面分析手法のうちでは最も定量性にすぐれていることで知られています。
X線分光器には波長分散型(WDS)とエネルギー分散型(EDS)とがあります。
WDSはエネルギー分解能が高く定量性に優れ、通常EPMAという場合にはWDSを用いた装置をさすのが一般的です。
EDSは迅速な定性分析が可能で、走査型電子顕微鏡(SEM)に付属させたものがよく用いられています。

JXA-8800RL
EPMA(Electron Probe MicroAnalyser:電子プローブマイクロアナライザ) LaB6電子銃を装着し、細い電子ビームが得られ、従来より、微小な領域の観察・分析が可能です。
また、X線検出器の性能が向上したため、 特に微量な軽元素(C,O,N)の検出感度 が大幅にアップしました。

SEM写真像

炭素のX線マップ
(赤や黄色の部分に炭素が多い)


液体が乾いた跡のような異物はフラックスの残渣(塩素:Cl,はんだの錫:Snも含む)であることや、 枝状に析出した異物は はんだ成分(錫:Sn,鉛:Pb)が腐食・析出したものであることがわかった。
フラックスが溶けた洗浄液が部品とプリント板の隙間に入り込んで残り、リードの電圧印加と相まってフラックスの塩素がはんだを腐食させた。隣接するリード間にはんだ成分が析出してショートした。
基板上の二つの接近した配線導体間で、金属が低電位側から高電位側へと樹枝(デンドライド)状に析出(マイグレーション)し、短絡障害となった。

EPMA装置を用いて、白黒マッピング(特性X線像) 分析をした。

マイグレーションを起こした部分には、半田成分の錫:Snおよび鉛:Pb以外に、塩素:Clの存在が認められた。
使用環境の結露(水分)とフラックス残渣中の塩素が電解反応を促進してマイグレーションが発生し、ショートした。
銅パターンとはんだの接合では、銅とはんだが金属間化合物を形成し、接合強度が下がることがあります。EPMAで、接合部断面の金属間化合物の生成状態を分析した結果を示します。

(左)錫の二次元濃度マップ (右)銅の二次元濃度マップ
得意技コーナーのページでも、EPMAによる導通・絶縁不良解析例をご紹介しています。