
AVS/Express Developer 機能紹介
1. AVS/Express Developer とは
AVS/Express では、部品化された可視化機能 (モジュール) を組み合わせて作成したアプリケーションに、シミュレーション結果や実験データなどの数値データを渡すだけで三次元表示ができます。
可視化機能だけでなくデータベースやGUI作成環境なども提供され、アプリケーションを構築するための開発環境をオブジェクト指向技術に基づいたビジュアルプログラミング環境として提供しています。UNIXからWindowsNT / 95 / 98まで幅広いプラットフォームに対応しています。AVS/Express Developer は、AVS/Express の最上位に位置します。これまでのAVS5の後継である AVS/Express Viz が可視化作業を行うツールであるのに対し、AVS/Express Developer はモジュールやアプリケーションの開発機能を強化したグラフィックス・アプリケーション開発/可視化ツールで、ランタイム機能(オプション)を用いることにより、作成したアプリケーションを開発環境から切り離し、独立したアプリケーションとして再配布することができます。
2. 主な特長
ビジュアルプログラミング
AVS/Express ではデータフローパラダイムに基づき、データの入力や加工などの技術機能がアイコン化されたモジュール(AVS/Expressの処理単位)として提供されています。これらのモジュールアイコンをネットワークエディタと呼ばれる編集ウインドウ上でマウスを用いて自由に配置し、組み合わせることによって対話的に可視化アプリケーションを構築することができます。この作業はビジュアルプログラミングと呼ばれ、アプリケーション構築を試行錯誤的に進めるラピッドプロトタイピングを容易に実現します。

データビジュアリゼーション
可視化の機能から見ると、AVS/Express は次のように分けられます。
ボリュームビジュアリゼーション
三次元データの可視化を総称して「ボリュームビジュアリゼーション」と呼びます。AVS/Express では、次に挙げるような手法(各種モジュール)を用いてボリュームビジュアリゼーションを行います。
![]() ボリュームレイトレーシング |
![]() 等値面表示 |
![]() 流線による流れの表示 |
![]() ベクトル(矢印)表示 |
![]() 等高線、断面表示 |
イメージデータ
AVS/Express では、次に挙げるイメージデータを扱うことができます。
| 読み込み可能なイメージタイプ | AVS Image BMP GIF JPEG PBM SGI Image Sun Ruster TIFF |
|---|---|
| 書き出し可能なイメージタイプ | AVS Image GIF JPEG PBM TIFF PostScript CGM |
AVS/Express ではアニメーション作成のための機能を提供しています。
作成できるアニメーションには、次の2種類があります。
イメージデータによるフリップブックアニメーション
image captureモジュールを用いると、表示された画像の中から適当なフレームをイメージデータとしてディスクやメモリ上にストックし、これらを連続的に表示するフリップブックアニメーションを行うことができます。
生成したイメージシーケンスは、MPEG1 や AVI(Windows版のみ) 形式の動画に保存することができます。
アニメータを使用したキーフレームアニメーション
アニメータを用いると、アニメーションの開始時点のキーフレームと終了時点のキーフレームを登録することで中間のフレームを自動的に補間し、生成します。
生成したアニメーションは、image captureモジュールを用いることでMPEG1 や AVI(Windows版のみ) 形式の動画に保存することができます。
ユーザインターフェース・キット
AVS/Express では、可視化モジュールと同様にユーザインターフェースを構築するための部品が提供されます。
この中には、パネル、ボタン、スライダーなどの Motif または Windows 準拠のウィジェットがモジュールとして登録されています。これらのモジュールを用いると、ウィジェットの位置やサイズの変更、イメージの張り付けなどを対話的に行うことができるため、可視化アプリケーションのGUIを自由に構築することができます。
AVS/Express は日本語対応しているため、ユーザインターフェースやビューワ、パラメーターなどに日本語を入力することができます。

グラフ・キット
グラフやコンター図を作成するための部品が提供されています。(AVS/Express Viz では、一部機能制限があります)
棒グラフや折れ線グラフ、円グラフなどの各種グラフや座標軸、レジェンドなどを生成する機能がモジュールとして登録されています。
複数のY軸を持ったグラフやマルチウインドウ、上下比較などもできます。
![]() 階段グラフ |
![]() コンターグラフ |
![]() パイチャート |
![]() ロググラフ |
データベース・キット
Oracle、Sybase、Informix、ODBCとのインターフェースが提供されています。(AVS/Express Developer のみの機能です)
データベースへの接続やSQLによるアクセス機能がモジュールとして登録されています。
AVS/Express で提供されている豊富な可視化手法を用いることによって、データベースに格納された多次元情報を表現するアプリケーション構築ができます。
グラフィックス・ディスプレイ・キット
カメラやライト、三次元/二次元ビューウインドウなどの部品が提供されています。標準で提供されているビューワは、これらの部品を組み合わせたマクロモジュールです。
AVS/Express Developer では、標準で提供されているビューワの改変を行うことができます。レンダラーとして、独自のソフトウェアによるレンダラーとハードウェアレンダラー(OpenGL, XGL, PEX) をサポートしています。これらのハードウェアレンダラーを搭載したマシンでは、高速な三次元表示を行うことができます。
モジュール作成
自作プログラムの組み込み
AVS/Express の中間言語である V言語は、モジュールを組み合わせたネットワークの記述やスクリプト作成、カーネルのコントロールなどに利用されます。
AVS/Express は、integer, float, stringなど非常に細かな単位のモジュールを提供しています。これらのプリミティブモジュールと V言語を組み合わせることによって、新しいモジュール(マクロ)を作成し、登録/再利用することができます。
モジュール作成支援ツールを用いると、モジュール名や利用言語、パラメータータイプなどの必要な項目をマウス操作で選択することによって、モジュールのテンプレートが C, C++, FORTRAN のいずれかで生成されます。
標準で提供されているモジュールは複数の部品(モジュール)から構成されています。Deleloper では、これらのモジュールを開き、中に含まれる部品モジュールのパラメーターを変更したり、モジュールの追加や削除を行うことができます。(ソースコードの変更はできません)
アプリケーション開発
AVS/Express Developer は、開発環境を隠蔽し、独自のアプリケーションとして可視化環境を作成することができます。AVS/Express Developer は、必要なモジュールの最小モジュール郡を判断して Makefile を自動生成し、コンパイラを起動して実行バイナリを生成します。
UNIX から Windows まで、幅広いプラットフォームをサポートしているため、UI やグラフィックス、イベントハンドリングなどプラットフォームに依存する部分を全てサポートしています。アプリケーションを開発する場合は、キーとなるコーディング部分を
C, C++, FORTRANのいずれかで記述するだけです。
3. DeveloperとViz の違い
AVS/Express Developer は、AVS/Express Vizに対して、以下の機能が追加されています。
既存モジュールの改変
標準で提供されているモジュールは複数の部品(モジュール)から構成されています。Deleloper では、これらのモジュールを開き、中に含まれる部品モジュールのパラメーターを変更したり、モジュールの追加や削除を行うことができます。(ソースコードの変更はできません)[部品モジュールの変更]
orthoslice モジュールのパラメーターにある断面の方向を指定するスライダーをラジオボタンに変更します。
![]() 変更前 |
![]() 変更後 |
orthoslice を開きます。モジュールのパラメーターを変更する場合は、ユーザインターフェース(UI)関連のマクロモジュールを変更します。orthoslice の場合は、OrthoSliceUI の中で設定します。OrthoSliceUI
を開き、以下のように変更します。
AVS/Express Viz の場合、下図のように OrthoSliceUI の中を見ることはできません。
ビューワの改変
標準で提供されているビューワを改変することができます。必要なパラメーターだけを新しいパネルにまとめて使いやすくしたり、データマップやカメラ等の情報を取り出すこともできます。[ビューワのカスタマイズ]
Read_Geom のファイル指定パラメーターと Uviewer3D のビューワ、コントロールパネルにあるオブジェクトの色を変更するパラメーターを一つにまとめます。
また、読み込んだジオメトリデータの情報(name,node,cell)を表示させるパネルを追加します。Read_Geom モジュールと Uviewer3D モジュールを接続し、ジオメトリ(幾何)データを表示するネットワークを作成します。
さらに、次のようなネットワークを作成するとビューワを含んだ新しいパネルを作成することができます。
データベースとのインターフェース(データベースキット)
Oracle, Sybase, Infomix, ODMC とのインターフェース・モジュールが提供されています。
実行ファイルの最小化と起動の高速化
不要なモジュールを含めずにアプリケーションを作成することができます。これにより、実行ファイルのサイズを小さくするとともに、起動を高速化できます。
他のアプリケーションへの組み込み
モジュールを C++ のクラス・ライブラリとして出力できます。これにより、VC++ でインターフェースを作成したアプリケーションに AVS/Express の機能を組み込んだり、ActiveX のコンポーネントとすることができます。
ランタイム・アプリケーションの作成
低価格のランタイム・ライセンスで稼働するアプリケーションを作成することができます。
ただし、別途ランタイム登録料とランタイム・ライセンス料が必要になります。











