富士通オープンカレッジ横須賀校
障害者の方々に笑顔がいっぱい

むかし、夜空に煌めく星々が旅人を目的地に導いてくれたように、パソコンを前に悪戦苦闘している人々の手を優しく取り、パソコンとの楽しい生活に導いてくれる星座があるという。その星座の名を「三浦半島シニア電脳隊オリオン」という。
スクール紹介
京急久里浜駅から徒歩1分という便利な場所に富士通オープンカレッジ横須賀校はある。便利なのは場所だけではない。この教室には目的別に選んで学べるよう30もの講座があるという。しかし、なんと言っても横須賀校の最大の特色は「アクセシビリティ横須賀」だろう。「アクセシビリティ横須賀」とはこの横須賀校の中で実施している障害者のためのパソコン教室のことである。世の中にパソコン教室はあまたあるが、わざわざ障害者向けと謳ったパソコン教室はかなり珍しい。そこで、この横須賀校を運営する(有)鳥伝ブライトの副社長で富士通オープンカレッジアクセシビリティ横須賀の代表である渡辺法経氏にお話をうかがった。

アクセシビリティ横須賀代表 渡辺法経氏
「きっかけは『すばる』という名称のシニアのメーリングリスト(ML)に入ったことです。そこからパソコンにのめり込むようになりました」と渡辺氏は笑顔で話し出した。「それまでも仕事で少しはパソコンを使っていたのですが、『すばる』加入と時流に遅れてなるものかという思いが重なり、私の生活でかなりの位置をパソコンが占めるようになりました。
いまではシニア向けのパソコン教室運営と視覚、聴覚、知的障害者向けのIT講習とフォローアップを行う『アクセシビリティ横須賀』の運営が生活の中心になっています」との話しぶりからは充実した毎日がうかがえる。きっかけとなったMLに話を向けると、待ってましたとばかりに「すばる」「オリオン」といった夜空の星々の名が次々に飛び出してきた。

教室の風景
ここからはくだんの「三浦半島シニア電脳隊オリオン」が大活躍である。このオリオンはMLすばるの中でも「パソコンの腕に自信あり」と自他共に認める方々で構成され、シニアへのパソコン普及のために横須賀市の施設を借りてインターネット講習会を開催していた。「アクセシビリティ横須賀」の開設を機に、この横須賀校の運営に携わるようになったという。「シニアによる、シニアのための教室」をコンセプトにオリオンの安藤豊代表が教室の運営統括を行い、講師を務めるオリオンのメンバーは全員SITA1級取得者である。こうして運営されるシニア向け教室も、障害者向け教室もきめ細やかな対応が評判を呼び、空席待ちの方が常にいるというのだから驚きだ。どのあたりが人気の秘密なのだろうかと探ってみると、教室の定員を6名という少人数にしたり、多岐に渡るコース設定で、自分のペースにあった受講が可能なところ等、工夫が随所にみられる。さすが、“シニアによる、シニアのための”である。恐るべきシニアパワー!横須賀校は余生や隠居なんて言葉が似つかわしくない、生涯現役のシニアによって運営されていたのである。
教室訪問レポート
本日は視覚障害者への講習だと聞き、早速教室をのぞいてみた。
教室では、前述の渡辺代表が渡辺先生となり、自らインストラクターを務める。渡辺先生の声に合わせて、5名の生徒さんが軽快にパソコンを操っていた。暫くするとパソコンからニュースが流れ出した。本日最初の授業は「神奈川新聞を音声で読みましょう」という内容だったのだ。ホームページに掲載されている神奈川新聞のサイトを立ち上げ、そこに書かれているテキストをソフトによって音声に変換して聞き取るのであるが、このしゃべりが実に早く、私など、とてもついていけない。
メニューを開き、その中から好きなニュースのテーマをそれぞれが選ぶ。「私はやっぱり芸能ニュースよ」といいながら楽しそうにパソコンに向かっていた阿比留さん母娘に話をうかがった。
生徒さんの声

阿比留さん親子(手前)と シニア電脳隊オリオンの松岡誠一氏

賑やかな“欣ちゃん”こと 佐藤さん(左)
「パソコンを始めたのは娘さんの影響ですか?」とお母さんに尋ねると「とんでもない。私が習うようになってからこの子も始めたのよ」と意外な返事。娘さん曰く「その通りなんです。母が習いたいと言うので、この教室へ母を送ってくるようになり、そのついでに私もいつの間にか習っていました。今ではパソコンが私の生活にしっかりと入り込んでいます」とお母さんのお陰を強調しつつ、パソコンに首ったけの様子を話してくれた。続けて、お母さんに始めたきっかけを尋ねると「懸賞に応募するのが趣味なんです」と思いがけないこたえが返ってきた。以前は電話やFaxだったラジオ番組の懸賞への応募方法が、今やメールでの応募に切り替わってきているというのだ。その実利的動機に驚きつつ、これだけ目的をしっかりと持っていれば、きっと上達も早いだろうと納得した。
阿比留さんの隣で賑やかな声を出しながらチャレンジしていたのは、渡辺先生から「欣ちゃん」と呼ばれている佐藤さんである。昨年8月に横須賀市の広報でパソコン講習会を知り、早速応募。10月から習い始めたそうだ。生来の新しもの好きと、周りの友達にパソコンを使いこなしている人が多いことに刺激され、1年ほど前から習う機会をうかがっていたという。

サポーターの渡辺さん(左)と阿部島さん

ご夫婦で受講のお2人
欣ちゃんの職業はマッサージ師である。仲間の中にはエクセルを使いこなし、お客様の管理や帳簿付けに活用している人もいるというから驚きである。こういった話を聞けば、新しもの好きな欣ちゃんが触発されるのも当然だろう。今挑戦しているのは「南山堂医学大事典
CD-ROM版」の読破だそうだ。現在、「肩こり」「腰痛」「捻挫」「骨折」を重点的に勉強しているという。マッサージのお客様に、より効果的な治療を施すために毎日勉強しているというのだから頭が下がる。
笑い声が絶えない教室は、渡辺さんの障害者の方へのあたたかな思いと、その実現に無くてはならない電脳隊オリオンの心強いサポートによって生まれていることを確信した。夜空に輝く“オリオン”は冬の星座だが、横須賀の“オリオン”は高齢社会を明るく導くために、一年中休む間もなく輝き続けることは間違いないだろう。
富士通オープンカレッジ横須賀校
電話: 046-838-0402
ホームページ: http://members.jcom.home.ne.jp/ycs/
