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Japan

プレスリリース

2007年10月4日
富士通エフ・アイ・ピー株式会社

FCENA『鉄道総研版 土構造物設計システム』の販売開始について

~鉄道構造物等設計標準に準拠した国内初の土構造物設計システム~

富士通エフ・アイ・ピー株式会社(社長:伊与田悠、本社:東京都江東区青海、レインボータウン)は、2007年1月に改訂された「鉄道構造物等設計標準・同解説(土構造物)」に準拠した「鉄道総合技術研究所版 土構造物設計計算システム Design-SoilStructure」ならびに「鉄道総合技術研究所版 補強土工法設計計算システム Design-RRR」の販売を10月より開始いたします。

システム概要図

我が国の鉄道構造物は国土交通省令で定める「鉄道に関する技術上の基準」に合致する必要があります。これまで土構造物(注1)に関する設計標準については、1992年10月に鉄道総合研究所から出された「鉄道構造物等設計標準・同解説(土構造物)」が実務に広く活用されていましたが、兵庫県南部地震、新潟県中越大地震の発生、異常気象による降雨災害の多発など、鉄道構造物への安全・安心に対する要求が一段と高まっていました。

このような中、国土交通省では従来の設計法を見直し、2007年1月に新しく「鉄道構造物等設計標準(土構造物)」を定めました。これをもとに鉄道総合研究所においても「鉄道構造物等設計標準・同解説(土構造物)平成19年1月版」として改訂を行いました。この標準は性能照査型設計に準拠し大規模地震動や降雨時の設計を取り入れ、土構造物の設計・施工をより安全かつ経済的に行えるようにするとともに、省力化軌道(注2)用土構造物の内容を盛り込むなど、鉄道に関するすべての土構造物が本標準で設計可能なものとなっております。

本システムは、「鉄道構造物等設計標準・同解説(土構造物)平成19年1月版」に準拠したシステムで、盛土、切土、支持地盤などの設計計算を行うことができ、また、補強土の設計も可能となっており、土構造物の設計をトータルでサポートします。さらに従来の仕様規定型設計法(注3)ではなく性能照査型設計法(注4)に対応しているため、要求される性能内において経済的に優れた設計をすることができ、新技術を取り入れることも容易です。

また、好評を博している当社の土木設計計算パッケージ「FCENA/X」シリーズで実績のある設計計算プログラムをベースに開発されおり、信頼性の高い設計計算が可能となっております。さらに、デザインに配慮した美しい報告書を出力できるのに加え、XMLにて出力してブラウザにて参照することや、出力した報告書を市販のワープロソフト等で自由に加工することもできるなどユーザビリティに優れたシステムとなっております。

FCENA『鉄道総研版 土構造物設計システム』の特長

  • システム共通
    • 限界状態設計法(注5)を基本とした性能照査型設計法により、土構造物に対して所要の性能が得られること を照査できます。
    • 性能ランクに応じた構造物係数や作用係数などの組合せを複数登録し、安全性、使用性、復旧性に対する 要求性能を一度に照査できます。
    • 美しい仕上がりの報告書、照査結果を視覚的に確認できるカラー図面、詳細な計算結果数値リストに照査結果を出力しており、ブラウザでの参照やWordでの編集が可能です。
  • 土構造物設計計算システム Design-SoilStructure
    • 円弧すべり危険度、圧密沈下量、L2地震(注6)時残留変形量など個々の性能指標に応じて、起動ランチャーにより一括管理された専用の設計プログラムが計算を行います。
  • 補強土工法設計計算システム Design-RRR
    • L2地震(注6)動に対して、ニューマーク法による変形照査を行うことができます。

主な機能

  • 土構造物設計計算システム Design-SoilStructure
    • 盛土・支持地盤・地盤改良・切土に対する円弧すべり法による安定の照査
    • 支持地盤・地盤改良に対する地盤の沈下量の算定
    • 杭支持方式の対策工の算定(軟弱地盤対策工)
    • 凍結深さに関する検討
    • 盛土・切土に対するニューマーク法による地震時滑動変位量の算定

 

  • 補強土工法設計計算システム Design-RRR
    • 補強土に対する円弧すべり法による安定の照査
    • 補強土に対する2ウェッジ法による滑動安定および転倒安定の照査
    • 補強土に対するニューマーク法による地震時滑動・転倒・せん断変位量の算定
    • 補強土壁の断面力算定

 

商標について

  • 記載されている製品名などの固有名詞は、各社の商標または登録商標です。

用語説明

注1 土構造物:
土または岩石等を材料とした構造物の総称で、路盤、盛土、切土、補強土、排水工、のり面工およびこれに類するもの。
注2 省力化軌道:
軌道保守量の低減を目的としたスラブ軌道やまくらぎ直接軌道等の軌道。
注3 仕様規定型設計法:
規程・基準に定められた仕様基準を満足していることを確認する形式の設計体系。
注4 性能照査型設計法:
構造物の要求性能を明確にした上で、仮定した構造諸元(材料、構造形式、寸法等)の保有性能が、その要求性能を満足することを直接的に照査する形式の設計体系。
注5 限界状態設計法:
その構造物に生じてはならない種々の限界状態を想定し、それぞれの状態に対する安全性を個々に照査する方法
注6 L2地震動:
構造物の設計耐用期間内に発生する確率は低いが非常に強い地震動。

関連情報

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以上


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