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FIP IT Box Vol.28 レセプトブレインが煩雑な診療報酬の請求作業を軽減

医療制度改革の重要な柱に位置づけられるレセプト電算処理システムとその活用

医療機関では患者に対して、高い付加価値の提供や利益を確保していくための経営が急務となっています。
一方、厚生労働省では医療制度改革に取り組んでおり、保健医療分野における情報化を重要な柱と位置づけ、そのひとつにレセプトの電算処理があります。
FIPでは、電算化されたレセプトデータの点検業務をサポートする、新たな支援サービスを開始。これはパソコンを使った電算処理とインターネットの便利さを組み合わせた初のサービスで、これまで膨大な作業を必要としていたレセプト点検業務の大幅な省力化が可能に。しかも、従来のパッケージ型システムに比べ、初期導入費用が安価な点も大きな魅力です。

患者への付加価値提供や利益確保は、急務の課題

【図1:国民医療費の推移】出展:厚生労働省

わが国の国民医療費は平成11年に30兆円を超え、国民所得に占める割合で8%を超える額にまで膨れあがりました(図1)。いっぽう少子高齢化傾向にも歯止めがかからず、医療ニーズの多くは高齢者によるものであることから、国民医療費の増加が問題視されるようになりました。そうした人口構成の変化によって、医療保険システムの中で財政を支える現役世代が減少し、経済の低成長ともあいまって、医療保険システムの存続の危機が指摘されています。このような状況の中で、近年「医療費抑制傾向」が鮮明となってきており、病院経営を圧迫する深刻な要因となっています。

平成13年9月25日、厚生労働省は『医療制度改革試案』をとりまとめ、今後の「我が国の医療が目指すべき姿」と、当面進めるべき施策を提示しました。その中では、あるべき医療の将来像として3つの柱を示しています(左下図)。これは適切な情報提供のもとで、患者が自ら医療機関や治療方針等を選択するなど、“患者の選択を通じて医療の質の向上と効率化・重点化が図られる”という考え方が基本になっています。


出展:厚生労働省

現在『21世紀の医療提供の姿』の実現に向け、順次具体的な施策が打ち出されており、医療サービスを提供する側の改革が求められています。個々の病院にとっては、患者に対しての高い付加価値の提供や、利益を確保していくための経営パフォーマンスの向上が急務の課題となっています。


厚生労働省の情報化計画

『医療制度改革試案』の狙いとするところは、急速に増大する老人医療費に対応した医療保険制度の再構築であり、国民が安心・信頼できる医療サービスの実現にあります。改革試案の中ではさらに保健医療分野における情報化が重要な柱の一つと位置づけられ、これを着実に実施するためのグランドデザインも策定されました。

グランドデザインは、保健医療サービスにおける情報化計画を策定したもので、保健医療サービスの「質の向上」と「効率的なサービスの提供」を大きな目的としています。期間は平成14年から概ね5年間をかけ、5つの情報化が推進されることが明確になっています。すなわち、(1)電子カルテシステム(2)遠隔診療支援システム(3)レセプト電算処理システム(4)オーダリングシステム(5)個人・資格認証システムがそれです。

5つの情報化の中の一つである、レセプト電算処理システムの導入推進に関しては、平成18年度までに70%の普及が具体的な目標として設定されています。

レセプト請求処理は、患者ごとの診療内容を記載したレセプト(診療報酬明細書)を病院が月次で作成します。作成されたレセプトは社会保険診療報酬支払基金や国保連で審査され、各保険者のもとに届くという流れになっています(図2)。現在、これら一連の流れの中で発生する、「レセプト作成→審査機関による審査→保険者のチェック」は、人手によって膨大な量が処理されています。多くの病院では、いまだに「診療続紙(症状詳記 等)の切り取りや貼り付け」「入院・入院外別や本人・家族別などの仕分け、編綴」といった業務に多大な人手と時間を費やし、そのうえ記入漏れや入力ミスによる返戻といった問題も解決できていません。

レセプト電算システムのメリットと課題

出展:社会保険診療報酬支払基金

レセプト電算処理システムは、こうした問題を解決するために、紙レセプトによる請求という従来からの方法に代わり、コンピュータで電子レセプト(電子媒体に収録したレセプト)を作成し提出を行うことができる仕組みとしたもの。実際に導入を済ませた医療機関は、大量のレセプトを印刷する手間を大幅に軽減できるなどのメリットを享受しています。国民健康保険中央会によると、200床程度の病院の場合、導入前には32時間40分かかっていた診療報酬請求時の手作業が、導入後には7時間20分に短縮されたという実例が報告されています。

しかし、社会保険診療報酬支払基金の調査によると、平成16年8月現在のレセプト電算処理システムの普及率は6.9%になっております。レセプト電算処理自体は、昭和63年から技術的な評価試験が開始され、最初の傷病名マスタが作成されました。その後、平成8年にマスタの一部を改正し、平成13年からは自由参加方式でレセプト電算処理システムを使用した請求が正式に認められています。にもかかわらず普及が進まないのは、各病院が独自に定めている薬価や診療行為のコードと、統一コードの対応付けがスムーズに行えない点が、導入の阻害要因となっているからです。

未導入の医療機関側としても、いつかはレセプト電算システム導入に着手しなければならないという認識を持っているものの、現システムの変更の手間を避けたいという心理と、費用面がネックになり、導入に踏み出せないというのが現状だと考えられます。しかしレセプト電算システムは、グランドデザインに示された情報化の柱の一つであり、今後は導入に弾みが付くものと思われます。それを後押しするものとして、インターネットを利用した、新たなレセプト点検支援サービスなどが期待されています。


【図2:レセプトを巡る業界構造】

製品紹介:ネットワーク時代のレセプト点検支援サービス「RezeptBRAINS(レセプトブレイン)」

図3:サービス利用の流れ

FIPが提供する「RezeptBRAINS(レセプトブレイン)」は、インターネットを介してレセプト電算データを自動点検する、ネットワーク時代のレセプト点検支援サービスです。

病院や診療所等の医療機関からインターネット経由で送信されたレセプト電算データを、FIPのデータセンタで受信、これを自動点検し、その結果をインターネット経由で医療機関に返信する、AODサービス(注1)という仕組みで利用いただくサービスです。本サービスは、医療機関側でインターネットに接続する環境があれば手軽にご利用いただけ、従来のパッケージ型システムに比べ初期導入費用が安く、センタ側で維持管理を行うため、システム運用費用もかからず、安価に導入することができます。


「RezeptBRAINS」でここまで効率化できる!

▲個人別チェック票

「RezeptBRAINS」は、レセプト電算データ(注2)をデータセンタのチェック用データベースを利用して、傷病名に対する処方内容や指導料、検査内容など細部にわたって自動点検を行うため、一定の高いレベルで正確なチェック結果が得られます。さらに、エラー結果はレセプトイメージで表示されるなど、従来、紙レセプトに対する目視等人手で行っていたレセプト点検業務は、大幅に効率化できます。

また、チェック用データベースは随時更新され、法改定時も官報公示後に迅速に対応します。従来のパッケージ型システムの場合は、法改定時に自社でデータベースの更新が必要ですが、本サービスでは、AODサービスの一環として(FIPのデータセンタ側で)データベースの更新を行うため、更新作業を気にすることなく常に最新のデータベースをご利用いただけます。

気になる個人情報保護やセキュリティに関しても万全の体制でサポート。チェックを行うレセプト電算データは、個人情報を除去、データを暗号化して送信し、さらに医療機関とデータセンタ間は、VPN接続(注3)をします。このようにインターネット利用における外部からの侵入対策など、セキュリティ対策も万全です。

今後もFIPでは、「RezeptBRAINS」の付加サービスの提供を始め、電子カルテを中心とした病院総合情報システムなど、医療分野における価値あるITソリューションの提供に努めてまいります。


(注1):アプリケーション・オン・デマンドサービス(AOD)

お客様が必要な時に、アプリケーション機能をネットワークを通じて利用できるサービス。FIPのセンタでサーバやアプリケーションを運用し、提供するため、自社でシステムを構築・運用するコストを大幅に削減できます。

(注2):レセプト電算データ

レセプト電算処理システム用厚生労働省コードを使用して、厚生労働大臣が定めた規格に適合する磁気媒体(FD、MO等)に、厚生労働大臣が定めた記録方式「記録条件仕様」に従って記録した診療データ。

(注3):VPN

Virtual Private Network仮想専用線。インターネットを経由するにもかかわらず、拠点間を専用線のように相互に接続し、安全な通信を可能にするセキュリティ技術。