FIP IT Box Vol.27 安全でおいしい水を求めて!
PDF Vol.27 [221KB]

「水道の水を飲んで、おいしいと感じますか?」
日本ミネラルウォーター協会の”ミネラルウォーター生産量”の調査によれば、過去20年間の統計のうち最初の7~8年間はほぼ横ばいでしたが、その後急速な増加に転じ、1992年からの10年間では何と3.7倍の伸びを示しています。(図1)また、蛇口に取り付ける浄水器等の製品も多くの家庭に普及してきており、水道の水質に対する国民の関心も年々高まってきていることも事実です。東京都水道局にて実施している水道モニターアンケートの2001年度および2003年度の調査結果においてもそれは如実に表れており、「水道水に第一に求めるもの」との問いに対し、「料金の安さ」よりも「安全性」や「安定した給水」、「おいしさ」を求める声が高まっています。(図2)
【図1: ミネラルウォーターの国内生産量推移】

出典 : 日本ミネラルウォーター協会「清涼飲料関係統計資料」
【図2: 水道水に求めるもの】

出典 : 東京都水道局 水道モニターアンケートより
FIP IT Box Vol.27 安全でおいしい水を求めて!
PDF Vol.27 [221KB]
水道事業の動向
しかし、この水道水を供給する水道事業者は多くの課題を抱えています。人口の減少や景気低迷に伴う料金収入の伸び悩み、水道施設の老朽化による設備投資の増加、災害/テロ対策や環境への取組みなど対処すべき課題は山積みで、前述の国民の声に応えるため、水道設備の整備はもちろんのこと、特に以下の3つの取組が求められています。(図3)(図4)
【図3: 水道事業者を取り巻く環境】

【図4: 水道事業者の取組み】

1つ目は「市町村合併に伴う水道事業の統合・広域化への柔軟な対応」、2つ目は「経営の安定化」、3つ目は「市民サービスの向上」です。
2005年3月末を期限とし、特例の適用を受けられる市町村合併が現在全国的に急ピッチで推進されていますが、水道事業もその例外ではありません。水道事業はほとんどの場合、自治体がその経営を行っているため、自治体の合併に伴いその水道事業も統合されることになります。
一方で、水道事業者独自の広域化など規模の拡大も図られており、水道事業者は複数の料金体系や運用サイクルへの対応など、多様な事業運営形態への柔軟な対応を要求されています。
また、料金収入低下からくる収益減少を改善するため、コスト削減等、経営の安定化も急がれています。そのための方策として、事業運営のアウトソーシングに焦点が当てられています。
さらに市民サービスの向上としては、いつでもどこでも可能な水道料金の支払い等"ワンストップサービス"や"ノンストップサービス"の提供やインターネットを活用した情報公開や各種申請受付などの実現が求められています。
以上のような課題をクリアするため、水道事業者は「ネットワークインフラの整備・拡充」、「事業の統合・広域化に柔軟に対応できる事業システムの導入」、「情報システム運用やメータ検針作業など、事業運用の一部または全部のアウトソーシング化」など、事業運用に関わる大きな変動への対応に迫られています。
FIP IT Box Vol.27 安全でおいしい水を求めて!
PDF Vol.27 [221KB]
FIPの水道事業分野への取組み
水道事業分野には、大きく分けると「営業情報」「施設管理情報」「生産管理情報」「内部情報」という4つの情報システムがあり、これらはお互いに連携しながら、私たちの生活にもっとも大切な「水」の供給を担う事業を支えています。(図5)
【図5: 水道事業システム】

FIPでは、1968年より「営業情報」の中の"水道料金管理"に関わる電算システムへの取組みをいち早く開始しました。当時は大型汎用機を利用した「委託バッチ処理型(注1)」のサービスでしたが、その後1986年にはオフコン版導入型システム「SPLASH」(スプラッシュ)を、そして1995年にはパソコン版のクライアント/サーバ型システム「SPLASHAD」(スプラッシュアド)を順次提供してきました。
また、「施設管理情報」においてはGIS(注2)を利用した各住宅の水栓の位置を示した図面の管理や給水 / 排水台帳管理、工事申請・進捗管理などの各システムを、「内部情報」においては企業会計・企業債管理・固定資産 / 貯蔵品管理などの各システムをそれぞれ提供し、水道事業を支える情報分野を幅広く支援しております。
現在これらのシステムは、数千~7、80万人の自治体まで、人口数を問わず、全国の数多くの自治体にご利用いただいています。(図6)
(注1): お客様のデータをお預かりし、センタで計算し、その結果をお客様に提供するサービス
(注2): Geographic Information System (地理情報システム) 道路、建物などの地図情報をデジタル化し、コンピュータ上で表示するシステム。これにより、地図情報をよりわかりやすく感覚的に表示・検索できる
【図6: 当社の水道分野への取組み】

新上下水道料金管理システム
現在FIPでは、こうした35年にわたる業務ノウハウを最大限に活用するとともに、ご利用いただいているお客様の声や、全国の地域特性および時代のニーズを反映させた次世代の「上下水道料金管理システム」を開発しております。
この商品は、富士通(株)ブランドの水道パッケージソフト「MINDCITY・水道料金管理システム(注3)」とFIPの「SPLASHAD」を統合し、MINDCITYの開発を担当した(株)富士通中国システムズおよび(株)富士通北海道システムズとFIPの3社で共同開発を行ない、富士通(株)の自治体ソリューション「InterCommunity21」の水道ソリューションソフトとして提供する予定です。(図7)
【図7:InterCommunity21の体系図】

FIP IT Box Vol.27 安全でおいしい水を求めて!
PDF Vol.27 [221KB]
それでは、新上下水道料金管理システムの主な特長についてご紹介いたします。(図8) (図9)
【図8: 市町村合併対応機能とサービス】

【図9: 上下水道料金管理システムのご紹介】

(1) 市町村合併/広域化対応
水道事業が統合されると、各事業者が管理している業務システムやデータといったIT資産も統合されます。しかしながら、合併の施行日からすべての情報や運用体系を一本化することは非常に困難であり、一定期間は複数の料金体系や運用サイクルで対応するなど、暫定的な運用も必要となります。
本システムは、このような業務システム統合時の暫定運用に対応し、段階的に事業統合を進める各種機能を提供しています。
(2) アウトソーシング対応
各自治体では、開庁時間帯は住民サービスの実施、閉庁後は一括調定 / 請求事務等の大量の一括処理を行なうという運用スタイルが一般的ですが、事業規模が大きくなるほどシステムは複雑化するため、そこに携わる人の運用負荷も大きくなります。
本システムは、運用自動化ツールを搭載しており、運用そのものをFIPのデータセンタにアウトソーシングすることも可能ですので、各自治体の水道ご担当者様は、窓口対応や未納金の管理などの本来の業務に専念いただけます。
(3) 委託業者管理
メータの照会や更新といった検針員(委託業者)の作業状況を記録・取得し、管理します。検針時間やデータ照会・更新の記録を管理することで、委託業者を適切に管理し、ユーザである住民への説明責任を果たすことが可能となります。
(4) 環境ISOを考慮
日々の運用サイクルで作成されるチェックリスト等を全てオンライン画面上から修正できるようにし、大量の保存帳票も電子化するなどペーパーレス化を促進します。
(5)携帯プリンタでの即時納付書発行
携帯端末機と携帯プリンタの連携による即時納付書の発行が可能となり、検針 / 中止 / 停止清算・集金の際の請求作業の軽減と住民への即時サービスを図ることができます。
このほか、Web化への対応、データベースの暗号化や利用者毎のアクセス権限の設定等の各種セキュリティ対策など、多くの特長を持つシステムとなっております。
FIPの今後の取組み (図10)
FIPは長年にわたり水道事業分野の情報システムに関し、時代時代に求められる最適なソリューションをご提供してきましたが、情報システムの提供は水道事業全体から見ればほんの一部分に過ぎません。
これまでは開発・導入型のソリューションを中心にご提供してきましたが、これからはその運用や保守、さらに水道事業者のビジネスプロセスにまで踏み込んだトータルサポートが必要不可欠と考えています。
そこで今後FIPは、企画・コンサルティングから運用や評価まで一貫したサービスを提供する、水道事業の"ライフサイクルマネジメント"の実現を目指し、"安全でおいしい水"の安定供給を目指す水道事業者を、情報システムの面からますます力強くサポートしていきたいと考えています。
【図10: 水道事業のライフサイクルマネジメントを実現】

(注3): Application Portofolio Management アプリケーション資産の評価と最適なIT投資を支援する方法
