FIP IT Box Vol.24 流通小売業における物流業務の新しい形"ASN"
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物流業務効率化における課題
流通小売業においてSCMを確立していくためには、メーカを含めたサプライチェーン間の業務改善が不可欠であり、その意味で物流業務全体の更なる効率化が急務であり、「発注量および在庫の適正化(将来的には製造計画の適正化)」「発注から納品までのリードタイムの短縮」「調達先、メーカとの情報ネットワーク構築」「物流センター内作業の合理化」といった課題に早急に取り組む必要があります。
小売業では、店舗数の拡大にともない、検品作業の簡素化・効率化を今まで以上に押し進めるとともに、取引先である卸売業・メーカとの連携を深め、整合のとれた物流業務を行なうことが求められてきています。そのため、各取引先から「小売業各店舗へ直納する」従来方式から、「一旦小売業の物流センターに納品してそこから各店舗に配送する」クロスドッキング方式へと移行が進んでいます。
この方式の採用により、荷扱いが減り、省力化、省スペース化、商品の損傷低減などの効率化が図れましたが、現在ではさらなる効率化やコスト削減のため、物流センター内のコスト(特に人件費)の抑制や作業効率化が特に重要とされています。その解決策としては、物流標準EDI(JTRN(注6) )、WMS(注7)、ASN(注8)などが考えられますが、今回は、物流でのキーワード「ノー検品・ペーパーレス」を実現するASNについてご紹介します。


(注6): 荷主企業から物流事業者へ、物流事業者から荷主企業へと、全産業の物流・ロジスティクス活動に対し、シームレスな情物一致を実現する、物流EDI標準
(注7): Warehouse Management System (倉庫管理システム) 物流センターにおける作業工程 / 在庫 / 労務管理を行う管理システム。入出庫、ピッキング、荷役の作業レベルの管理、流通加工なども含む流通センター内全般のコスト、情報を一元的に管理する
(注8): Advanced Shipping Notice (事前出荷情報通知) 物流センターや小売店舗が、商品を出荷する納入業者から事前に出荷明細情報をオンラインで受信し、その情報を利用して受領・検品作業を簡素化、効率化する仕組み
ASNを使用した物流EDI
これまでの物流業務は、取引先から出荷する際の検品、物流センターに入荷する際の検品、小売各店舗での入庫時の検品と、場所が変わるたびに同じ検品作業が繰り返され、労力やコストがその分多くかかっていました。
この検品の手間を減らし、正確なチェックを行うことを目的に、現在、ASNを活用した物流EDIによる効率化が進んでいます。
ASN物流EDIでは、まず取引先では小売業からの発注データをもとに商品をピッキングし、店舗別カテゴリ別にカートン(注9)に入れ、カートンにSCMラベル(注10)を添付します。SCMラベルには納入店舗や取引先およびカートンを識別する情報がコード化されています。また、取引先はあらかじめ、ASN (事前出荷明細) データとして、カートンを識別する情報をキーとして梱包されている商品の明細をまとめた情報を小売業に伝送します。小売業では受信したASNデータを物流センターに集め、実際に入荷したカートンのSCMラベルと照合することでカートン単位で検品を行った後店舗ごとに納品を行います。店舗ではカートンの数のみを確認します。
この方式では従来の単品ごとの検品作業が省略できることからリードタイムおよびコストの削減が図れます。
(注9): 単品の場合はオリコン(折り畳みコンテナ)
(注10): Shipping Carton Making Label (梱包表示ラベル)納品用オリコンの内容明細や統一伝票の伝票番号が表示され、箱を開けなくても内容物を確認できる納品ラベル。単品の場合はITFラベル
