FIP IT Box Vol.22 地球環境時代に求められる環境経営
PDF Vol.22 [178KB]
環境負荷の分析と環境側面

EMSを構築するためには、企業の活動や製品・サービスが、環境にどのような負荷をかけているかを分析する必要があります。
分析では通常、自社の工場の製造工程(洗浄~加工~梱包)などにおいてInput/Output解析を行ないます。また、製品・サービスによる負荷の全体を把握するためには、調達から消費・廃棄に至る製品ライフサイクルに対して、Input/Output解析を行ないます。
この解析では、原材料の材質やエネルギー資源の投入量などを「インプット」、製品・サービスや、それらを生産・流通する過程で発生する大気汚染・水質汚濁物質や廃棄物などを「アウトプット」として、製造工程やライフサイクル毎に環境への負荷を定量的に把握します。(図2、3)

この結果、環境に大きな影響を与えている「側面」(著しい環境側面)が明らかになります。企業はこの「環境側面」を環境マネジメントで取組むべき主要テーマとし、環境負荷の軽減に努めます。
ISO14001の認証を取得する場合は、環境方針の策定からスタートし、環境側面の抽出・環境影響評価を実施し、環境目的・目標を掲げた上で、環境保全活動に取り組んでいきます。活動は、事前準備を含め、EMSの構築から運用・是正までを約1年かけて行ない、PDCAサイクルを確立していきます。(図4)

環境マネジメントから環境経営へ
EMSの導入は、企業経営にとって、CO2削減などの直接的な効果だけでなく、間接的な効果ももたらします。
環境に配慮した製品・サービスを提供することは、「環境にやさしい企業」としてブランド力強化やイメージアップにつながります。また、生産を効率化したり、廃棄物の量を抑えることで、原材料の調達費用や廃棄にかかるコストも削減できます。
このように、技術・人材・資金などの経営資源を効果的に投入し、積極的な環境経営を目指すことは、企業全体の経営基盤の強化につながります。
環境経営を推進する取組み例としては、以下のようなものがあります。
環境ラベル

環境経営を推進する企業は、環境負荷を低減した製品に環境ラベル(EL(注3))を表示します。
環境ラベルには、第三者が認証するタイプI、企業の自己宣言によるタイプII、環境負荷の度合いを数値で表すタイプIIIがあります。
タイプIの例としては(財)日本環境協会のエコマーク、タイプIIの例では富士通(株)のPCグリーンラベル、タイプIIIの例では(社)産業環境管理協会のエコリーフマークなどがあります。
企業はこれらの環境ラベルを用いることで環境に配慮した製品を消費者に分かりやすい形で提供すると同時に、環境への取組みもアピールできます。(図5)
(注3): Environmental Labelling
