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導入事例
JAL日本航空様

空港で即座にマイル残高の確認やクーポン発行ができる
新多機能端末開発で顧客サービスの拡充を実現

[2004年1月27日 掲載]

目次・要約

【導入の背景】
マイル登録機からご利用顧客とコンタクトできる情報ステーションへ
JAL様のマイレージサービスは1993年から開始。JMB(JAL Mileage Bank)会員数は1500万人(2003年9月現在)。JMB会員に広く定着しているマイル登録機から、空港でJMB会員に多様なサービスを提供する多機能かつ顧客フレンドリーな端末に発展させた。
【導入の経緯】
至上命題は「短納期」。JAL様と富士通の協働で乗り切る
マイル実績照会機能はもちろんラウンジクーポンの発行、キャンペーン参加登録機能など多機能化が求められる新システムを、約半年というスピードで実現。
【システムの概要】
クーポンの即時発行を可能にするなど、新サービス機能で顧客のニーズを捉える
新JMRは、(1)JAL・JASの統合に伴うJASグループ便(JAS、JAC、HAC)のマイル登録。(2)マイル実績照会や利用明細の表示、マイル実績のレシート印字。(3)各種プロモーション情報の案内やJMB会員向けのキャンペーンの参加登録。(4)ラウンジクーポンの発行。といった新しい機能を備え、会員サービスと新顧客の獲得ツールに成長。
【今後の展望】
お客様の利便性向上をめざして、未来を先取り
今以上に激化が予想される他の交通機関との競争に対して、飛行機利用に対する将来的な顧客ニーズを見据えた端末機の仕様を準備。一つ一つの局面に迅速に対応していきたい。

空の旅を利用する人たちの間ではすでに当たり前になった感のある航空会社のマイレージサービス。年々利用者が増大するなか、JAL様では、空港を利用するお客様がより手軽にマイレージサービスを利用できるようにするため、2004年1月、国内線のマイル登録機(JMR:JAL Mileage Recorder)を一新しました。システム更新の期間はわずか半年。新端末機にも旧端末機と同様富士通製品を採用し、顧客サービスの大幅な拡充を実現しました。

導入の背景

マイル登録機からご利用顧客とコンタクトできる情報ステーションへ

片山 広太郎
日本航空株式会社
旅客IT推進部 課長補佐


前嶋 誠
株式会社日本エアシステム
旅客IT推進部 副主任

飛行機に乗ると距離に応じてマイルが貯まり、マイルが一定量に達すると無料航空券と交換、座席をグレードアップできるサービス、それがマイレージサービスです。1981年に米国・アメリカン航空が採用して以来、FFP(frequent fliers program)と呼ばれるこうしたサービスは顧客拡大と顧客の固定化に有効とされ、現在、世界中のおもな航空会社が採り入れています。数年前から、提携航空会社間だけでなく、異業種の会社と提携することによって地上での買い物などでもマイルが貯められるシステムが普及し、会員は着実に増加しています。
JAL様では1993年にマイレージサービスを開始。2003年9月の集計によれば、およそ10年間でJMB会員は1500万人に達しました。
「1年間で、マイル登録者全体の25%の方がマイル登録機を利用してマイルを登録されています。マイルの登録には4つの方法があります。一番多いのは、航空券予約時にJMBお得意様番号を予約記録に入力する方法です。次が空港の搭乗待合室に設置されているJMRから登録する方法。その他に、搭乗手続き時に登録する方法、搭乗後、マイル登録をし忘れた場合に事後登録する方法とがあります。JMRでの登録は2番目に多い方法ということになりますが、これは飛行機に乗る搭乗待合室での待ち時間をご利用されて、お客様ご自身が簡単な操作でマイル登録ができるからであり、JMRの存在は大きいですね」というのは、日本航空株式会社旅客IT推進部課長補佐の片山広太郎氏。
今回端末とそのシステムを新しくする目的は、「6年前に導入した旧来のJMR自体が古くなったのでそろそろ更新しなければ、というのが一つの理由です。OSもすでに更新時期を迎えています。しかしそのようなシステムの老朽化対策だけでなく、1500万人を超える顧客の皆様に、使いやすくまた弊社の色々なサービスやキャンペーンを直接お知らせできる情報ステーションを提供することがもう一つの目的です。2004年4月のJAL/JAS統合まではJAS便ご利用のお客様にも同じように新JMRで登録を行えるようにしました。空港の搭乗待合室はJMB会員を勧誘する上で重要な場所なので、JMB会員獲得のチャンスと捉えています。」(片山氏)。
「新JMRではマイル実績の照会ができるようになりました。競合する他社にはあるのにJALにはどうしてないの、というお客様の声にもお応えしました。」と、株式会社日本エアシステム旅客IT推進部副主任前嶋誠氏は語ります。

もちろんJAL様が競合しているのは航空会社ばかりではありません。近年航空運賃のプライスダウンが進行し、国内旅客運賃では鉄道、つまりJR新幹線との差が小さくなったにも関わらず、それが利用者の拡大には結びついていないのが現状。これは搭乗手続き等が壁になっているともいわれます。「お名前の確認や席の指定など、航空機はどうしても他の交通機関とは違います。だからこそ、空港での手続きをいかに簡便化するかとともに、どうしても避けられない搭乗待合室での待ち時間をいかにお客様に有効に活用していただくかが私たち航空会社の課題であり、使命でもあると思うのです」(片山氏)。

導入の経緯

至上命題は「短納期」。JAL様と富士通の協働で乗り切る

清水 学
JALインフォテック株式会社
サービス事業本部 ネットワークソリューション部 空港端末・海外ネットワークグループ主任

富士通の技術をどう評価しておられますかという問いに対して、「富士通は旧型機の開発メーカーですから、その強みを発揮していただけるとの期待が大きかったですね。なにしろ短納期が至上命題でしたから、これまでの弊社の仕事をよく理解してくれている必要がありました。」(片山氏)
「しかし、もう一つ大事なことがあります。短納期の開発には的確なスケジュール管理と依頼する側、開発する側の十分な意思疎通が最も重要です。具体的には、全体スケジュールと個別、あるいは、至近の開発進捗状況を常に把握し、仕様変更等による遅延を最小限にとどめる努力をすること、両者の開発担当者だけでなくマネジメントを含めてスケジュールと開発状況を密接に情報交換することにより対処することができました。これらが短納期を実現できた秘訣だと思います。
旧型機の納入経験があるというだけでなく、富士通のシステム開発に関する見識と携わった方々の努力のおかげです。富士通には本当に真摯にご対応・ご尽力いただいたと思っています。」(前嶋氏)。
国内線マイル登録機の更新が決定したのは2003年の5月。開発完了は11月末とされていました。6月、7月の2ヵ月でお客様の使われるタッチパネルなどの主要な仕様を決め、8月から9月にかけて開発を実施。お客様ご自身が操作される機械のため、10月から2ヵ月間入念にテストを行い、改良を重ね11月末で開発を完了しました。12月には7空港に実機を計14台、1月末までには全国50空港に242台を設置する予定になっています。
「私は今回初めて富士通と協働したのですが、ひとつひとつの仕事を真面目に捉えてくれるのに驚きました。そうした姿勢が今回できあがったシステムにもよく現れていると思います」(前嶋氏)。しかしその真面目さが苦労した点でもあったと笑いながら話します。
「富士通のメーカーとしてのノウハウと、私たち航空業界の者が考える使い勝手とのすり合わせに苦労しました。基本は、両者の利点と持ち味をうまく合致させていくことです。苦労した一方で、技術面では、なるほどそういうやり方もあるんだ、という発想の転換もたくさんありましたね」と技術面を担当されているJALインフォテック株式会社サービス事業本部ネットワークソリューション部空港端末・海外ネットワークグループ主任の清水学氏は話します。

システムの概要

クーポンの即時発行を可能にするなど、新しいサービス機能で顧客のニーズを捉える

旧来のJMRではマイルの登録しかできませんでしたが、新しくなったJMRでは、JMB会員のマイル実績照会機能が実現し、タッチパネルで確認した内容を内蔵のサーマルプリンタでプリントアウトすることも可能になりました。さらに、JALからのお知らせ機能として各種プロモーション情報の案内やキャンペーンへの参加登録も行えるようにしています。JALからのお知らせ用情報コンテンツは、システムセンターにあるデータ配信用サーバ(PRIMERGY)からデータ配信用ソフト(Systemwalker)により、各端末に配信される仕組みになっています。また設置台数の多い主要空港の場合は、各空港に置かれた配信中継サーバを経由して各端末に配信されます。
他に新しく加わったサービスとしては、「JAS、JAC、HAC便のマイル登録もできます。それから今年の春以降を目標に、JMBカードをお忘れになってもJMBお得意様番号を手入力すればマイル登録ができるようにします。これもお客様のニーズに応えた新しい機能です。また空港係員が常駐している国内線ラウンジ内に設置する新JMRでは、ラウンジをご利用いただけるお客様を対象に、同行者用のラウンジクーポンやJAL FLY ONプログラムのクリスタル会員対象にご本人用のラウンジクーポンをその場で出すことができるようにしました。もうひとつ、JALからのお知らせという情報提供の機能で、これはJMB会員以外のお客様にもご利用いただける広報ページのような役割を果たします。さらに、JMB会員対象のキャンペーンにも簡単な操作でその場で参加できるようにしました」(片山氏)。
数々の付加サービスを提供することで、JAL様では、新JMRを、JMB会員拡大のための重要なツールのひとつと位置づけていることがわかります。

[図] 新JMR(JAL Mileage Recorder)システム

今後の展望

お客様の利便性向上をめざして、未来を先取り

「お客様にもっと簡便にマイレージサービスをご利用いただけるように、というのが私たちの基本コンセプトです。マイル登録以外の機能を加えることで、お客様の声にお応えできたのではと自負しています。これらにより、お客様(JMB会員)との接点が飛躍的に拡充しましたので、お客様の声にさらにお応えする今後の責務が一層重要であると思っています。」(前嶋氏)。

「マイル登録は現在、カードと搭乗券で行っていますが、将来的には2次元バーコードやICカードなどの非接触型のカードにも対応できるよう準備しています」と、JMRの将来を熱く話すのは片山氏。「短納期だったこともあって今回間に合わなかった機能も少なからずありますが、すでに並行して開発を始めています。たとえばタッチパネルの使い勝手や画面デザインなど、お客様の操作性に関する部分です。今回の新JMRで実現した新機能に留まらず飛行機をご利用になるお客様のニーズを的確に捉え利便性向上に努めることは時代の要請でもあります。ですから、どんなニーズにも対応できる仕組みは準備しておかなければならないと思っています。そのためにも高い技術力と実績のあるパートナーは大切ですね」(片山氏)。
変化の激しい航空業界にあって、ひとつひとつの局面に迅速に、かつ確実に対応できるかどうかが今問われています。航空業界はもとより他の交通機関との激しい競争に勝ち残っていくために顧客第一主義のJAL様の挑戦は続きます。富士通は最新の技術と、培ってきた信頼でお客様をサポートします。

【企業概要】

日本航空株式会社

  • 所在地: 〒140-8637 東京都品川区東品川二丁目4番11号 JALビル
  • 資本金: 188,550,335,984円
  • 創業: 1951年8月1日
  • 従業員数: 16,171人(2003年5月31日現在)
  • 事業内容: 定期航空運送事業および不定期航空運送事業、航空機整備事業ならびにこれに附帯または関連する事業
  • ホームページ: 日本航空株式会社ホームページ

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