Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

  1. ホーム >
  2. 導入事例 >
  3. 株式会社アソシア様

導入事例
株式会社アソシア様

ロジスティックスIT化の決め手はランニングコストと使い易さ

[2003年3月7日 掲載]

長らく日本の市場経済を支えてきた大阪で、物流業のIT革新が起こり始めている。これまで物流業に求められてきたのは「迅速」「正確」「安全」という品質が主だったが、最近ではそれらに加えて「サービス」に関する要求も比重を増してきている。特に百貨店のギフト配送にとって、配達に関する問い合わせに正確に応えることは重要なサービス品質のひとつ。大阪の老舗百貨店、株式会社大丸様の物流をサポートする会社として1968年に設立された近畿圏の中堅物流会社株式会社アソシア様は、富士通の輸配送システムのひとつ貨物追跡システムを採用した。システム決定の決め手となったのは、ランニングコストとモバイルハンディの使い易さにあったようだ。

IT化が困難な物流業界の壁

お届け商品が現時点でどこにあり、いつ送り先に届けられるかというリアルタイムな問い合わせに正確に応えることはなかなか難しい、というのがこれまでの物流業界の常識。百貨店と物流会社が同じ情報を利用することは、同じシステムを共有することでもあり、企業の枠を越えたシステムの一貫化という難題にどう応えるかがIT化の一番の課題でもある。

一般に考えられているほどシステム化、IT化が進んでいないのが物流業界。単純に言えば、荷主と配達先の間を取り持つのが物流業だが、古くから商品流通の要を担ってきただけに、多くの企業が分業にたずさわる複雑なシステムができ上がってきた。長い歴史のある業界だけに、別企業同士が同時に一貫したシステムを構築できないという業界特有の事情がある。

一方、物流システムの開発に取り組んでいるのは主に端末を製造している電気機器メーカーが中心で、今までは物流全体のシステムに対するソリューションを充分に提供できていなかった観があった。

そこでアソシア様が注目したのは、「TeamPad300」というモバイルハンディを使った富士通の貨物追跡システム。富士通は輸配送業務をトータルにサポートする「輸配送システムLOMOS/TMS」を提供しており、貨物追跡システムではNTTドコモの DoPa回線(注1)を、採用していることに特長がある。

サービス品質の向上は3PLの生命線

岸上 公一
株式会社アソシア
代表取締役社長

松中 利弘
株式会社アソシア
経営企画室 部長

富士通の輸配送システムを導入した目的について、株式会社アソシア代表取締役社長 岸上 公一氏は「百貨店の商品を配送する業務にとって、サービス品質を向上するということはつまり、お届け商品のリアルタイムな情報を、荷主様(百貨店)とお客様にフィードバックすることだと私たちは考えています。ギフト商品の場合、百貨店にお客様が問い合わせするということは9割方、依頼するお客様が商品のお届け先様に着いているかどうかという内容です。当然百貨店にかかってくるこうした問い合わせ電話は1年間で6~7万件にも達します。すると調査依頼が百貨店から私ども、そして配達所や配達員という具合に、これまでは膨大な労力と時間が費やされてきた。リアルタイムな情報のフィードバックにこそ、IT化がもっとも力を発揮するに違いない、と考えました」と語る。

物流業が商品の配送を確実に行うのは当然の役目。そうした業務に加えて、配送工程での商品情報を明確にしてお客様に対応するサービスを提案することは、まさにサービス品質の向上に相当する。ところが、物流業にたずさわる企業の多くは荷主から配送依頼を受ける請負型が中心であったため、業務工程の改革に自らが着手し3PL(サードパーティーロジスティックス)ビジネスに踏み込むには、相当の勇気が必要だったのである。

アソシア様の場合、システム改革を荷主からの要求でなく自ら提案していったという。「4年前の平成11年に、私どもの親会社で荷主でもある大丸様が主導して、配送協力会社における宅配改革を行うことになりました。協力会社でみな同じ配送品質にしようということです。そのころは仕事そのものがバブル期の2分の1にまで落ち込んでいて、われわれ物流業の需要は今後ますます減少していくだろうという強烈な危機感を感じてもいました」(岸上社長)。その品質のひとつが、当日18時までに配達所に届けられた商品については、翌日必ず持ちだす(お届け先に配送する)こと。簡単なようで、すべての協力会社がこれを確実に行うのは案外難しいことであった。それを受けて翌年、協力会社で構成する百貨店運輸事業協同組合を近畿2府4県に拡大し、配送業務の品質レベルを向上させるチャレンジに着手。配送業務のIT化、システム化はそうした流れの中から必然的に生まれてきたのである。

昨年6月、アソシア様が中心となって協同組合全体での「d-Net物流サービス(注2)」の稼働を開始。お中元、お歳暮シーズンという超繁忙期を無難に乗り切ったことで、システムに対する自信をますます深めている。

問い合わせへのフィードバックが格段に迅速化

「新しいシステムは主に、入荷情報・持出情報・完了情報・保管情報の4つからなっています。今までは、配達所では入荷情報か持出情報のいずれかを管理し、また配達員は完了伝票を配達所に戻ってきてから入力するというもので、それぞれの業務に一貫性がありませんでした。しかし、配達所の情報と配達員の情報を完全にイコールにして商品情報を一貫させることで、常にリアルタイムで商品が今どこにあるか明確になります。また大丸調査センターへのお客様からの問い合わせに対し、商品の配達完了情報・保管情報などがフィードバックされるまで、これまでは最大で2日間要したのに対し、ほとんどの情報を即座にお返しできるようになりました。大丸様からは、この点を高く評価していただいております」とアソシア経営企画室部長 松中 利弘氏は語る。

システムの概要は、バーコードを添付された商品が荷主から配達所に届けられると、まず配達所のパソコンに「入荷情報」を入力。配達所から商品を持ち出すときに、配達員が「持出情報」を入力。配達員は、お届け先に届けられたことを示す「完了情報」か、不在時などによる持ち帰りで配達所に保管したことを示す「保管情報」を、作業完了後に入力する。これらの作業をすべて、リアルタイムにモバイルハンディTeamPad300でおこなうというもの。入荷情報・持出情報と完了情報・保管情報はすべてWebサーバに集められ、配達所にはインターネットを通じて届けられる。この情報データがVANを介してDIC(大丸情報センター)にあるホストコンピュータに送られる。お客様からの問い合わせに対して窓口である大丸調査センターは、DICのデータを参照してリアルタイムの商品情報で応える、というもの。

「顧客サービスが向上したのはもちろんですが、もうひとつ重要なのは、誤積、誤配が激減したことです。配達員が自らデータ入力することで、持出時や配達時に荷物に対する責任が明確になるからでしょう。これは社員や配達員の意識改革でもあります」(岸上社長)。

大画面用にカスタマイズして使い易く DoPa利用でコスト面もクリア

「配送業務にとって一番怖いのは配達員による伝票入力ミスですね。この場合も操作するのはお届け先ですから、どうしてもミスが起こりやすい環境です。しかしこのモバイルハンディは画面が大きいのが特長で、機械に慣れていない配達員にも使い易いと好評です。その点は当社からもカスタマイズをお願いしました。ちょうどお中元シーズン直前でしたが、3ヵ月という短期間で対応していただけました」(松中部長)。

「TeamPad300」の使用風景

モバイルハンディが故障した場合は、どう対処しているのだろうか?PDAなどの携帯端末に比べて、TeamPad300は、もともと業務用なので耐久性に優れ、屋外のハードな使用環境でも安心して使うことができる。しかも、万一故障した場合は、電話番号を書き込んだICメモリチップ「DoPaチップ」を抜き出し、予備機に差し込むことで同じ電話番号のまま、業務を継続して行うことができるのである。

DoPa通信を採用した最大の要因について「一昨年の夏、バーコードリーダーと通信機器が一体となった、いわゆるモバイルハンディによる物流システムの新聞記事を読んで、この方式でいこうと確信しました。当初は携帯電話を考えていましたが、ランニングコストのほとんどは通信費で、通常の携帯電話では採算が取れない。さらにシステムを探しているうちに富士通のシステムに出会ったんです。決め手は使い勝手とランニングコスト。DoPa通信ではもともと音声データがないのでコストを低く抑えられるのが決定の大きな要因でしたね」(岸上社長)。

今後の展望として「今一番の悩みは、繁忙期に臨時の配達員を大量に動員しなければならないこと。そのために、機能を絞った安価で軽便なハンディが欲しい」と岸上社長は語る。

富士通の輸配送システムLOMOS/TMSには、貨物追跡システム以外にも、ルート配送プランや広域配車プランを支援する配車支援システム、配送車の位置情報を把握する動態把握システム、売上・請求・原価管理などのための運送管理システム、輸送品質向上とコスト削減・業務効率化をサポートするための運行管理システムなどがあり、輸配送業における複雑で多様なニーズに応えられるシステムソリューションが用意されている。使い易さとコストパフォーマンス面がクリアされたことで、ロジスティックスのIT化革新がいよいよ動き始めたと言えるかもしれない。

【会社概要】

株式会社アソシア(大丸グループ)

  • 所在地: 大阪府大阪市城東区東中浜8丁目8番37号 大丸城東物流センター内
  • 代表取締役社長: 岸上 公一
  • 設立: 1968年 (昭和43年) 10月15日
  • 資本金: 3,400万円
  • 売上高: 95億4,100万円 (2001年度)
  • 従業員数 : 850名 (パート・アルバイトを含む)
  • 事業内容: 一般貨物自動車運送事業
  • ホームページ: 「株式会社アソシア」ホームページ

【お問い合わせ】

富士通株式会社 流通・情報営業本部 ロジスティクス推進部

用語解説

注1: DoPa回線
DoPaはNTTドコモ殿が提供しているパケット通信方式によるモバイルデータ通信サービス。情報をパケット(小包)に分割し、それぞれのパケットに宛先や制御情報といったヘッダーをつけて通信する方式で、接続時間や距離に関係なく課金されるシステムなので通信コストを抑えられるという特長がある。
注2: d-Net物流サービス
詳しい情報はこちら
http://asocia.co.jp/service/delivery.html

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。