導入事例
山口県下関市様
電子自治体の実現に向け積極的に推進
[2002年10月10日 掲載]
(本事例は、富士通ファミリ会会報「Family」285号に掲載したものです。)
ICカードを用いた行政サービス実証実験を開始経済産業省は平成13年度事業として「ICカードの普及等によるIT装備都市研究事業」を行っている。この事業を通じて次世代ICカードの技術を確立するとともに、多目的ICカードの利用を検証し、電子自治体の基盤を構築するのが目的だ。e-Japanが推進する「行政の電子化」の中心的役割を担うものである。平成13年3月には全国21地域54市町村が採択され、まもなく各種公共サービスを提供する実証実験が開始される予定だ。ここでは、採択地域の1つ、山口県下関市の事例を紹介する。
インターネットを活用したサイバーシティ構想

肥塚 敬文氏
総合政策部 情報政策課 課長補佐
下関市では、e-Japan重点施策と第4次下関市総合計画を基本とし、平成13年度から5カ年の「下関市行政情報化基本計画」を策定した。計画は、主に市役所の電子化を推進する「下関市インターネットシティ整備事業」と「ICカードの普及等によるIT装備都市研究事業」実証実験への参加が大きな柱となっている。
下関市インターネットシティ整備事業では「サイバーシティ」を目指し、イントラネット構築やグループウェア、行政情報提供システム、例規集管理システムなどの施行・運用が実際に始まっている。市議会の様子をインターネットで生中継する行政映像情報提供サービスや、粗大ゴミ回収をホームページで受け付ける試みは、全国の自治体の中でも先進的だといえる。
下関市が行政の電子化を急速に進められたのには理由がある。下関市IT推進室長の肥塚 敬文氏によれば、「下関市は庁内LANも敷設されていないなど、情報化が非常に遅れていた。そうしたインフラが未整備であったことが、逆にインターネットを前提としたシステムをすばやく構築することに有利に働いた」とのことだ。
複数サービスを盛り込んだICカード

下関市の取り組みで特筆すべきは、やはりICカードの実証実験である。下関市ではICカードを「下関みらいカード」と名付け、サービス開始時に約3万枚を無料配布する予定になっている。平成13年度いっぱいを実証実験期間として、その後は永続的なサービスとして継続される見込みだ。このカードは、当初、証明書発行、公共施設予約、図書館情報、地域健診などのサービスに利用される。
証明書発行は、市民課窓口だけでなく、市内4カ所に設置された自動交付機を利用し、市役所業務時間外や土日休日でも住民票の写しの交付が受けられるものだ。公共施設予約は、市内12カ所の支所に設置されたキオスク端末を用いて行う。図書館情報は、図書館の貸出用登録カードとして利用可能なほか、蔵書検索や図書予約の申し込みもできる。地域健診は、キオスク端末を使って基本健康診査の結果を閲覧できるものだ。
この下関みらいカードには、住所、氏名のほかに写真が印刷されているので、市施設での身分証明書としても利用できる。さらに、将来的にはさまざまな行政サービスに対応させていくほか、市立大学など教育機関との連携、公共交通機関や医療機関との連携サービスも視野に入れている。
監修: (株)テイコクインフォメーション・システム 代表取締役 辻中哲雄
(株)石田大成社 関東事業部総務部 電算室 課長代理 小川公一
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