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導入事例
ヤマト運輸株式会社様

基幹システムを「新幹線方式」により刷新
コミュニケーション基盤をInterstageとSymfowareにより構築

[2003年3月28日 掲載]

(本内容は、日経コンピュータ2002年12月30日号に掲載広告事例として掲載されたものです。)

B to BやB to Cなど、インターネットを介した電子商取引が物流に大きな影響を与えている。荷物取扱量と処理データの急増が、その要因である。宅配便産業の草分けであり、業界トップを走り続けてきたヤマト運輸の年間取扱個数は約10億個、1日のデータ量は3000万件にも及ぶ。これを背景に、同社は基幹システムを刷新。富士通の「PRIMEPOWER」、「ETERNUS GR series」などのハードウェアと、「Interstage」、「Symfoware」、「Systemwalker」のミドルウェアをプラットフォームに、メインフレームからオープンシステムへと全面的な再構築を実現した。

国内初の宅配便など次々と斬新なサービスを提供

北之口 好文
ヤマト運輸株式会社
オペレーション部 部長

若林 郁裕
ヤマトシステム開発株式会社 取締役
IT営業統括部長

ヤマト運輸が国内初の宅配便サービスを開始したのは1976年。これに続いて、83年にはスキー宅急便、84年にはゴルフ宅急便、さらに、引越らくらくパック、コレクトサービス、クール宅急便、タイムサービス、宅急便〔メール通知サービス〕・・・・など、業界に先立ち、次々と斬新なサービスを提供してきた。

最近、このサービスをより進化させるようになった。顧客とのコミュニケーション重視の姿勢である。例えば、タイムサービスはお客様の配達希望時間に合わせて荷物を届けるサービスであり、宅急便〔メール通知サービス〕は届け先に事前にメールで配達予定日と時間帯を通知する。

2002年10月からは、3万2000人のドライバー全員に携帯電話を配備している。「これは、お客様とドライバーが直接コンタクトできるようにするためです。今まで、お届け先が不在で再配達の場合は、コールセンターまたは最寄りの営業所がご希望配送時間帯を伺って、ドライバーに伝えていました。それが、今ではお客様と直接コミュニケーションできるようになり、きめ細かな対応ができるようになりました」と、ヤマト運輸オペレーション部 部長 北之口 好文氏は語る。

宅急便サービスの開始当初は、何を運ぶかがヤマト運輸のキーワードであった。だが、今はお客様とのコミュニケーションをキーワードに、新しいビジネスチャンスを探し出そうとしている。

コミュニケーション重視がシステム再構築の要因

「他社との差異点は、お客様とのコミュニケーションにあります。いかにコミュニケーションをはかることができるかが、これからの競争力を大きく左右します」と北之口氏はシステム再構築の狙いを語る。

ヤマト運輸では1980年にシステム化が完成し、以来、再編と拡張を繰り返してきた。現在では、宅急便はシステム産業といわれるほど、すべてのサービスはシステム化され、データ処理されている。

「80年のシステム化以来、新しいサービスが開発されるごとに、既存システムに付け加えてきました。クール宅急便もゴルフ宅急便も、既存システムを活かしつつ、新しい機能を加えてきたわけです。今では、年末などピーク時に取り扱う荷物は集荷・配達でそれぞれ1日600万個以上になります。これに伴う1日の処理データは3000万件以上です。基幹システムの見直しは急務でした」(北之口氏)。

従来の基幹システムは、メインフレームにより集荷・集配状況を収集し、夜間にバッチ処理を行って各センターに配信していた。

「お客様との密接なコミュニケーションができる環境を実現するには、UNIXサーバによるインターネットと親和性のあるシステム作りが不可欠だったのです。社外のお客様に対してはオープンであること、社内に対してはグループ間の連携がはかりやすいことが求められました」(北之口氏)。

最大の課題は「365日24時間ノンストップであること」だった。顧客とのコミュニケーションには、インターネットを最大限に活用する必要がある。その窓口がストップしては、目的達成はおぼつかない。

それと同時に、Web活用では大量のアクセスが集中することが予想される。そのための高速処理も要求される。また、外に開かれたシステムであるため、高度のセキュリティも欠かすことができない。

そして、強力なリアルタイム処理も不可欠である。データ処理に優先度を設け、顧客が希望するような集荷・集金データは最大2分間隔で更新するという、リアルタイムに近い情報提供が求められたのである。

システム構築に「新幹線方式」を採用

世界に広がるヤマト運輸のネットワーク

新システムの検討は、1998年に開始された(2000年2月に設計開始)。2000年問題をクリアし、2001年6月に母体となるシステムが稼働。そして、UNIXベースに移行したメインシステムを2002年4月15日に稼働させている。完全なUNIX移行は、2003年春を予定している。

ヤマト運輸における今回のシステム構築の大きな特長は、レガシーシステムを残しつつ、徐々に新システムに移行する点である。同社ではこれを「新幹線方式」と呼んでいる。在来線(メインフレーム)を残しつつ、新幹線(オープンシステム)をカットオーバーするのである。両者を併用しながら、新幹線へ収束していく方式である。これには、1日たりとも業務を止めることができないという、宅急便ならではの制約があった。

「日曜祭日も年末年始も、1日としてドライバーがお伺いできない日はありません。完全に年中無休で稼働しています。もちろん、夜間もトラックは走っていますし、お客様からの問い合わせもあります。このような状況では一気に新システムへ全面的に移行することは不可能です。既存のシステムを使いつつ、新しいシステムへと徐々に移さざるを得ません」(北之口氏)。

ヤマト運輸のシステム開発は、子会社であるヤマトシステム開発が一貫して担当している。開発側からも、UNIX採用には大きな狙いがあったという。「高品質のシステムを、短期間に低コストで作ることです。宅急便のサービスはシステムと一体化しています。システムの品質がサービスの品質、すなわち顧客満足度に大きな影響を与えるのです。システムの標準化をはかり、システム構築のスピードと品質を向上させるには、オープン環境の採用が不可欠でした」と、ヤマトシステム開発取締役IT営業統括部長 若林 郁裕氏は構築の経緯を語る。

富士通のプラットフォームを中核にシステムを刷新

365日24時間ノンストップ、卓越した高速処理、万全なセキュリティなど、今回のシステム刷新に求められた課題を解決するために、ヤマト運輸が採用したのが富士通のプラットフォーム製品群であった。サーバには「PRIMEPOWER」、ストレージには「ETERNUS GR series」などのハードウェア、さらにコラボラティブビジネスインテグレーション「Interstage」、データベース「Symfoware」、統合運用管理ソフトウェア「Systemwalker」の富士通製ミドルウェアを採用した。

「富士通製品を揃えたのは、一貫したサポートを期待したからです。どの部分にトラブルが発生しても、すぐに対処してくれるベンダーでないと安心して任せることはできません。障害の原因をこちらで切り分けしてから、担当のベンダーに連絡するなどという余裕はありません」(北之口氏)。

プラットフォームは、システム全体の可用性を大きく左右する。ヤマト運輸は365日24時間ノンストップという、極めて高い可用性を求め、富士通プラットフォーム製品群を選択したことになる。

今回のシステム構築における最大の目的は、顧客とのコミュニケーションにある。その窓口となるウェブシステムは、Interstageで構築した。アプリケーションサーバ「Interstage Application Server」をフロントエンドに、ウェブシステム用データベースには「Symfoware」を採用している。

ヤマト運輸株式会社の新システム構成図: クリックで拡大表示します

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InterstageとSymfowareが新システムを支える

Interstage Application Serverは国内のアプリケーションサーバ市場を切り拓き、常に市場をリードしてきた製品である。その採用は、卓越した実行スピードと、多くのミッションクリティカル環境で採用されている実績を信頼しての結果である。他社製品と比較するベンチマークテストにおいても、ヤマト運輸が求める要件をクリアしている。

「Interstageを採用した理由は、性能や信頼性に加えて、GUIアプリケーションを開発しやすいことでした。お客様とのコミュニケーション促進には、GUIアプリケーションは重要なポイントだったのです」(若林氏)。

Interstageは、Java統合開発環境「Interstage Apworks」やアプリケーションフレームワーク「Interstage Apcoordinator」など、強力な開発ツールを用意している。

Interstage Apworksは、EJB2.0やJDK1.4など最新技術に対応し、豊富なGUI部品、各種デザインツール、ウィザード、デバッグツールにより高生産性を実現することができる。

Interstage Apcoordinatorは、J2EEの開発スタイル準拠の汎用的なフレームワークを提供する。MVCモデルにより、Webアプリケーションの画面と業務ロジックを分離した開発が可能など、生産性と保守性を飛躍的に向上させることができる。

これらの開発ツールにより、高品質なシステムを短期間で構築することが可能になったのである。

基幹サーバとして、東京と大阪に「PRIMEPOWER2000」を設置し、データベースにはSymfowareを採用している。これも、高速処理と信頼性を期待してである。パーティーショニング(DSI分割)による効率的なデータ配置や並列にCPU(32CPU)を使うことで、Symfowareデータベースは70多重ものバッチ処理を実行。ヤマト運輸が要求する1時間当たり622万件もの伝票処理を、余裕をもって処理している。

バックアップ処理ではSymfowareとSystemwalkerおよびストレージ装置「GR740」と連携し、膨大なデータを短時間で処理。約100GBものデータベースを数分というスピードでバックアップしている。

お客様との密接なコミュニケーションを強力に支援

「お客様との密接なコミュニケーションがなくては、これからの競争に勝ち続けることはできません。そのシステム基盤が完成したことが今回の最大の成果です。365日24時間、ノンストップでお客様にサービスを提供することができます。このシステムの完成により富士通に対する信頼がさらに高まりました」と北之口氏は今回のシステム構築を評価する。

Interstageによりインターネットを介したコミュニケーションの窓口が確保された。さらに、経営データや荷物の移動状況のリアルタイムな確認も可能となっている。

「このシステム基盤を利用した新サービス・新システムの開発が目白押しです。これらは、ヤマト運輸のさらなる発展のために実力を発揮するでしょう。また、当社では、新データセンターが2003年3月末に竣工予定です。一般のお客様への情報ご支援はもとよりこのシステム基盤の能力が最大限に活用できるよう全社挙げて取り組みます」と、若林氏も今後の意気込みを語る。

宅急便という新しいサービスを開発し、業界をリードし続けてきたヤマト運輸。だが、このビジネスモデルが未来永劫に続くとは限らない。ヤマト運輸社内では、大胆な構造改革が進められている。明日のヤマト運輸のために、あらゆるビジネスリソースを根本的に見直しているのである。

例えば、全国に2500ヵ所あるセンターを倍増させる計画を進めている。倍増によって、より顧客に近づき、コミュニケーションの緊密化をはかり、顧客への新しいサービスを可能にするのである。

今回の基幹システム再構築は、これらの基盤となるものであり、それだけに期待も大きい。システムと富士通の技術力の真価が問われるのは、これからといえる。

「Interstage」、「Symfoware」、「Systemwalker」他、富士通のミドルウェア製品は、この期待に十分に応え、ヤマト運輸の飛躍を強力に支援していくに違いない。

【会社概要】

ヤマト運輸株式会社

  • 本社所在地: 東京都中央区銀座2-16-10
  • 資本金: 1,165億6,200万円(2002年6月30日現在)
  • 設立: 1919年(大正8年)11月29日
  • 売上高: 8,196億7,700万円(2001年度)
  • 従業員数: 95,832名(2002年6月15日現在)
  • 事業内容: 宅配便業界のトップ企業。1976年に宅急便サービスを開始し、業界に先駆けてさまざまなサービスを提供してきた。物流アウトソーシング受託やロジスティクス事業なども手がける。
  • ホームページ: 「ヤマト運輸株式会社」ホームページ

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