待たせる銀行窓口のイメージを払拭
ローコストオペレーションと営業店をセールスの場に転換するクイックナビと連携DB

株式会社りそな銀行様 導入事例
営業店から事務を排除、顧客サービスを拡充して競争力を高める。リテールサービスで顧客を獲得、飛躍を目指す銀行業務に最適のシステムが実現します。
[ 2006年4月26日掲載 ]
| 導入事例概要 | |
|---|---|
| 業種: | 金融業 |
| ソリューション: | 次世代型営業店システムの構築 |
| ハードウェア: | UNIXサーバ PRIMEPOWER ストレージシステム ETERNUS ATM FACT-V |
| ソフトウェア: | 高信頼リレーショナルデータベース Symfoware インテグレーション・プラットフォーム Interstage |
「3無い3レスを実現した営業店改革は、顧客満足度を向上させると同時に営業店の事務コストの大幅削減とセールスへの転換、『攻めの営業』基盤をもたらしてくれました」
2003年6月の公的資金注入以来、企業価値の最大化を目標に経営再生に取り組んできた りそな銀行様は、2005年3月に「集中再生期間」を終え、同年9月システム統合完了、いよいよ再生から飛躍に向けてのステージを歩み始めました。再生から飛躍に向かう過程で最も注力するべきテーマは、営業店を真の金融サービスの場に転換させ、且つローコストオペレーションを両立させる革新的な営業店の基盤作りです。「情報化の究極目標は、顧客満足度の向上」というコンセプトから生まれた、「待たせない、(伝票を)書かせない、(印鑑を)押させない」革新的な営業店モデルが、試行段階からいよいよ全店展開へと動き始めました。その営業力強化と事務コスト削減の期待がかかる次世代型営業店システムを支えるのが、揺るぎない信頼性を誇るPRIMEPOWERによる連携DBシステムです。
| 課題と効果 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | 人手に頼る窓口業務がコストを押し上げている | ATMの活用と営業店端末との連携(「クイックナビ」)でペーパーレス、キャッシュ管理レス化。大幅なコスト削減を実現。 | ||
| 2 | 顧客を待たせない窓口業務を実現したい | 顧客と社員が一緒にATM操作をサポートしスピード処理 | ||
| 3 | 営業店をセールスの場に。「攻めの営業」を展開したい。 | 「クイックナビ」とバックレス化で事務スペースを1/2に削減。セールススペースを2倍に拡充。 | ||
導入の背景
紙依存の営業店窓口業務からの脱却

白鳥 哲也氏
りそなホールディングス システム部 グループリーダー

浅田 修二氏
りそな銀行 システム部 グループリーダー
りそな再生のスタートラインでは、社内に発足した競争力向上委員会では社外から招いた経営改革の専門家を交え、銀行営業のあり方を徹底的に議論されました。その結果、導き出された戦略は、膨大な事務コストを要する窓口業務を改革すること、そして顧客に対する意識の抜本的改革という2点でした。
りそな銀行オペレーション改革部 グループリーダーの梅鉢晃氏は、これまでの窓口業務のスタイルをコスト削減の観点から次のように見ています。「店頭事務は銀行全体の事務処理の1割に過ぎないのですが、全事務処理コストの8割を占めています。理由は紙伝票と社員によるオペレーションに依存し続けているからです」。
銀行事務の基本的な考え方として、現金・現物(紙伝票等)は人手を介する都度、確認チェックを行います。すべての処理が受け付けられた窓口完結するのではなく、後方の事務員や役席への回付承認など、現金・現物(紙伝票等)持ち回る事務が未だ多く残存しているのです。
2004年、このあたりまえのように行われてきた窓口業務に対して競争力向上委員会が出した結論は「手作業による処理と度重なるチェックのために膨大な手間と時間を費やし、結果的にもっとも大切な顧客へのサービス、セールスの機会が失われている」というものでした。
月間の伝票枚数、全店で約6千万枚。そのうちの少なからぬ伝票記入をお客様に強い、処理手続きを人力で行う。本来、銀行の店舗はお客様との接点です。そこは本来、お客様のためのサービス、提案型セールスの場であるはずです。しかし社員の視線はもっぱら伝票処理に向けられたまま。この状況を改革しようと打ち出されたのが「3無い3レス」、つまりお客様を待たせない、伝票を書かせない、印鑑を押させない、ペーパーレス、バックレス、キャッシュ管理レスという究極の新営業店スタイルの展開だったのです。
導入の経緯
一石二鳥の「クイックナビ」効果

梅鉢 晃氏
りそな銀行 オペレーション改革部 グループリーダー
お客様への攻めの営業と、「3無い3レス」の徹底的利便性を両立させる営業店改革は りそな銀行、富士通、そして富士通総研の共同作業によって進められました。
「経営陣からの『小手先ではなく究極の店舗を実現してくれ』との掛け声で、営業店形態のあり方について抜本的な見直しがなされました」(梅鉢氏)。その結果生まれたのが営業店の店頭に独特のモジュール式顧客対応スペースをレイアウトした「クイックナビ」でした。
「クイックナビ」は、社員が各モジュールに1人ずつ立ち、キャッシュカードを手にやってきたお客様と一緒になって取引手続きを進めるという画期的なスタイルです。独特の仕組みは、お客様がすべての手続きをATM(富士通FACT-V)上で行い、社員がこれをサポートする。そのために伝票類への書き込み、社員が現金を手にとって確かめるなどの手続きを省略できるところにあります。たとえば税公金納付書を持参して税金を納付する場合、クイックナビで受付後、納付書記載の現金をお客様の手でATMに入金し、電話番号などをキーインしてもらいます。これで入金処理は完了。入金後発行される入金レシートと引き換えに領収書を渡し取引完了となります。また、連続取引も可能です。従来は複数枚の納付書に名前などを書き込み、現金と一緒に窓口担当者に手渡した後、カウンタ前で入金手続きと一連のチェック終了を待たなければなりませんでしたが、「クイックナビ」では現金のカウント、電話番号の記載などの手続きがすべてATM上で行われます。お客様にとっては温かみのあるサポートと窓口手続きの大幅スピードアップというメリット、銀行にとってはペーパーレス、キャッシュ管理レスというメリットがもたらされるのです。
「ペーパーレスによって、入金額を端末に打ち込み、それを別の社員がチェック、再チェックする作業が要らなくなり、大幅な人員削減が可能になります。また現金管理からも開放されます。『3無い3レス』は銀行側にとっても大きなメリットをもたらしてくれるのです」(梅鉢氏)。
顧客満足度を大きく向上、同時にカウンタを含む事務スペースを約2分の1に圧縮し、攻めの営業の基盤となるセールススペースを約2倍に拡大、個人客にきめ細かいコンサルティングを提供するための相談コーナーを備えた営業店改革は2004年11月、パイロット店においてその効果が確かめられた後、本格的に展開されています(2006年4月時点、約60店)。営業店改装は、営業店機能のモジュール化の効果により金曜日の夜にスタートし、日曜日の午前中に完了という迅速さ。2007年春には首都圏・関西圏のほとんどの営業店に導入されます。
システムの概要
「クイックナビ」の機能を最大限に引き出す統合システムと連携DB
ATMと営業店端末等が連携する「クイックナビ」により、更なる事務効率化を推進する為には、レガシーな勘定系ホストを始め他システムへの影響を極小化しつつ、取引チャネル間を跨ぐ非同期型取引を管理するDBシステム環境が必要となります。また、顧客にとって魅力ある商品をスピーディーにデリバリーする為には、外部との提携/アライアンスも柔軟に対応しえるコミュニケーション基盤やその取引情報を銀行各取引チャネル間で共有する仕組みも必要となります。
これらの技術的要求に応えるのがハブ・アンド・スポーク型の統合システムによるコミュニケーション基盤と、オープン且つ、高信頼/高性能なプラットフォームで構築される柔軟な連携DBシステムです。
環境変化の激しい時代にはスピードと柔軟性が強く求められます。顧客毎のニーズに応じた商品・サービスをいかに素早くデリバリーが出来るかが勝負です。りそな銀行様では、今後のビジネスの更なる飛躍を支える、柔軟なコミュニケーション基盤を統合システムとして既に整備されていました。
営業店改革のシステム化要件は、2005年のシステム統合と並行して検討されました。
「3無い3レス」による事務コスト削減とセールス強化を両立させる為、システム化の発想の原点は、セルフオペレーションを前提としたATMと営業店端末の組み合わせでした。また、営業店改革の事務プロセスは、「クイックナビ」に加え、「法人顧客の大口入出金をサポートするリサイクルキャッシャ」や「バックレスを実現するバーチャル営業店」など、複数要素を組み合わせた分散処理が特徴です。更に、将来の商品・サービスのデリバリーにおいて、外部とのアライアンスにも柔軟に対応出来ることといった要件も検討されました。結果、分散する事務プロセスを有機的に結合し、取引の状況管理や情報共有を実現するシステムとして、連携DBが産み出されました。
連携DBは、統合やアライアンス時代を見据え他行に先がけて整備された統合システムの上に成り立つ、先進的なシステムなのです。
りそなホールディングス システム部グループリーダー 白鳥哲也氏は、りそな銀行の統合システム構築と連携DBの導入にあたり、次のように述べています。「富士通さんには、営業店/自動機チャネルを中心に、統合システム構築で大変ご尽力いただきました。連携DBでは、そのノウハウや営業店改革に対する深い理解、短納期開発と高いパフォーマンスを実現するご提案を頂きました。」
富士通PRIMEPOWER、ETERNUSによって構築される連携DBの導入により、「クイックナビ」が全ての営業店で最大限の機能を発揮するこれからに向けて、りそな銀行システム部グループリーダー 浅田修二氏は次のように語っています。「営業店改革の要となる連携DB構築は、富士通さんにお願いすることにしました。決め手は、ノウハウやコストはもとより、銀行勘定系業務である営業店/自動機チャネルの実績で裏付けられた信頼性です。連携DBは、歴史的に無条件に使われ続けてきた紙伝票や番号札の替わりとなるもの。高い信頼性があってこそ導入できるものなのです」。
[図] システム構成図

将来の展望
インターネットバンキング本格到来に備えた競争力の確保を
りそな銀行が考える「これからの銀行」イメージはさらに時代を先取りする内容になりつつあります。梅鉢氏は、オペレーション改革部内の構想の一つと前置きしてこう語ります。「連携DBによって、すべての営業店でお客様の事務の取引情報が共有化され、いつどこの営業店においても質の高いサービスを提供できるようになります。次のステップでは、お客様が、好きな日時を予約いただけば、お好みの取引チャネルでサービスやコンサルティングをオンディマンドでご提供できるようになります。」
また同社は、インターネットバンキングがさらに普及浸透する将来に対応したシステム作りの青写真作りにも積極的に取り組み始めています。浅田氏は次のように語ります。「チャネルが拡大しても非同期型の取引であれば連携DBで柔軟に対応が可能です。それはインターネット等の無人チャネルやコールセンタ、新しい外部提携先でも同じです。特に、インターネットバンキングをご利用されるお客様にも、営業店に来ていただいた場合と同等の取引やサービスを柔軟に提供し、同レベルの顧客満足を得ていただくシステム作りが必要と思います。この基盤を活用して、成長ステージに向けた多様なサービス展開をスピーディーに実現していこうと考えています」。
信頼の技術と豊かな経験を持つ富士通は、これからも顧客満足度と競争力向上を両立させた次世代銀行像をリードしていくシステムインテグレータを目指してまいります。
【株式会社りそな銀行様 会社概要】
| 本店所在地 | 大阪市中央区備後町2-2-1 |
|---|---|
| 代表 | 会長 細谷 英二 |
| 設立 | 大正7年5月 |
| 資本金 | 2,799億円(2006年3月現在) |
| 店舗数 | 有人店舗 340店(2006年3月現在) |
| 事業内容 | 金融業 |
| ホームページ | 株式会社りそな銀行 ホームページ |
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