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日本最大級、約6,000台の携帯型無線IP電話によるユビキタスオフィス環境を支える[IPテレフォニーシステムCL5000]

大阪ガス株式会社様 導入事例


生産性を向上し競争力強化を図るためにワークスタイルの変革へ。世界に類をみない、約6,000台の携帯型無線IP電話によるユビキタスオフィス環境を、富士通のIPテレフォニーシステムCL5000が支えています。

[ 2006年4月12日掲載 ]


導入事例概要
業種: 電力ガス
ソリューション: IPテレフォニーシステム CL5000
ハードウェア: UNIXサーバ PRIMEPOWER
PCサーバ(IAサーバ) PRIMERGY

「今回のシステムでは、例えば夜間の障害などで人手による対応に時間を要する場合でもサービスを継続できるように冗長化することを決めていました。その際、待機サーバへの切り替え時間が選択理由の大きなポイントとなりました。富士通は4秒と圧倒的なスピードでした」

100年にも渡り、近畿圏のライフラインを支え続けている大阪ガス様。エネルギー市場の規制改革が進む中、同社では、生産性を向上させ、競争力強化を図るべくユビキタスオフィスの実現を決断しました。日本最大級、5,852台の携帯型無線IP電話(FOMA®/無線LANデュアル端末)(注1)を使ったユビキタスオフィスの要には富士通のIPテレフォニーシステムCL5000を採用。その理由は冗長化した待機サーバへの切り替え時間のスピードと、機能面における対応でした。同プロジェクトは富士通はもとより、同社の情報通信部を中心に、同社グループ会社のオージス総研、大阪ガスビジネスクリエイト、そしてNTTドコモ関西、プロジェクト全体をまとめたNTT西日本の各社が一体となって進められました。2005年9月に本社にて本稼動、2006年3月に主要事業所に展開完了。年間4億5,000万のコスト削減の実現はもとより、新しいワークスタイルが拓く可能性に大きな期待が寄せられています。

課題と効果
1 生産性向上、コスト削減のために、ユビキタスオフィスを実現したい いつでもどこでも自分のオフィスにいるのと同様の情報環境の実現により生産性が向上。通話料削減など年間4億5,000万円のコスト削減へ
2 冗長化による待機サーバへの切り替え時間をスピーディーにしたい IPテレフォニーシステムCL5000の導入により、待機サーバへの切り替え時間10秒(最短4秒)を実現。障害時の対応もスムーズかつスピーディーに
3 発信者も受信者も、場所や電話番号を意識することから解放したい 内線電話番号一つで、相手が社内なら内線、社外なら携帯電話へ、コスト的に最適なルートを自動選択。場所を問わず、電話番号や複数電話機の管理から解放

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導入の背景

競争力強化を図るべくユビキタスオフィスの実現へ

松本 光司
情報通信部
ネットワーク技術チーム マネジャー

2005年10月、創業100周年を迎えた大阪ガス様は、顧客数670万戸、グループ会社120社余を有し、現在も近畿圏のライフラインとしての重責を担っています。しかし原油や素材価格の上昇への懸念、一段と進むエネルギー市場の規制改革など同社をめぐる環境は楽観を許さないものとなっています。こうした厳しい経営環境の中、お客様や地域社会から選ばれる企業グループであり続けるために、グループ経営ビジョン「価値創造の経営―創業新世紀を迎えるにあたって―」をまとめ、新スローガン「Design Your Energy夢ある明日を」のもと、「お客さま起点」の事業活動の徹底を図っています。

同社では、お客様と時代が求める新たな価値を切り開くために、エネルギーの総合産業企業として、天然ガス、LPG、電力などエネルギーのマルチ化を推進する一方で、都市生活をサポートする都市ビジネスの開拓にも注力し経営基盤の強化を進めています。また、業務効率化、顧客サービス向上を図るべく情報化にも積極的に取り組んでいます。同社の情報化の歴史は1958年、機械計算室設置までさかのぼり、先進的なITに取り組むための土壌が築かれています。その一環した情報化戦略の上に、今回の、世界に類をみない、約6,000台の携帯型無線IP電話によるユビキタスオフィスのプロジェクトがあります。

情報通信部 ネットワーク技術チーム マネジャーの松本光司氏は「エネルギー市場も競争の時代に入り、生産性をあげて競争力強化を図るために、情報化においてもワークスタイルの変革が大きなテーマとなっています。定型業務の情報化はほぼ完了し、非定型業務の情報化の検討を進めていく中で、キーワードとなったのが、ユビキタスオフィスでした」と、今回の背景について語ります。

導入の経緯

障害時の切り替え時間、簡易転送など機能面への対応が大きなポイントに

高畑 彰司
情報通信部
ネットワーク技術チーム 副課長

伊津野 貴彦
情報通信部
ネットワーク技術チーム

同社の目指すユビキタスオフィスとは、いつでもどこでも自分のオフィスにいるのと同じように情報にアクセスし、情報を発信できる環境のことです。「ノートパソコンによる情報活用は社内も社外も実現できました。しかし電話によるコミュニケーション面において、従来の固定型IP電話では、内線と携帯電話の番号が違う、相手の居場所に応じてかけわけないといけないなど様々な課題がありました。当社はガス機器の点検や、新築オフィス、お客さま宅への営業など外で働く社員が多く現場とのコミュニケーションの円滑化は生産性向上の鍵となるものです。そこでコストダウンと同時に、ユビキタスオフィスを実現するために携帯型無線IP電話を導入することになりました」と、松本氏は当時を振り返ります。

システム選定においてはライフラインを担う同社ならではの視点がありました。「今回のシステムでは、例えば夜間の障害などで人手による対応に時間を要する場合でもサービスを継続できるように冗長化することを決めていました。その際、待機サーバへの切り替え時間が選択理由の大きなポイントとなりました。富士通は4秒と圧倒的なスピードでした現在は安定運用を考えて10秒に設定していますが、いずれにしても他社に比べて最速です」と、松本氏は富士通採用のポイントを説明します。さらに、情報通信部 ネットワーク技術チーム 副課長 高畑彰司氏も「10,000台に及ぶ内線を使うので、電話がつながらないという状態が、2分、3分でもその影響は大きいわけです」と、切り替え時間の重要性を強調します。もう一つ、ポイントとなったのが運用面への対応でした。「業務のベースとなるものなので、転送などの運用面での対応も重視しました」と、情報通信部 ネットワーク技術チーム 伊津野貴彦氏は選定ポイントについて補足します。

システムの概要

社内では無線IP内線電話、社外では携帯電話として利用

同社がユビキタスオフィスの要として導入した、富士通のIPテレフォニーシステムCL5000は、先進の音声技術等を駆使し、SIP(注2)サポートによるモバイル環境への適用、アプリケーション連携を実現するものです。プラットフォームには、メインフレーム技術を継承した高信頼性でミッションクリティカルな業務に応えるUNIXサーバPRIMEPOWER、高性能・高信頼PCサーバ(IAサーバ)PRIMERGYを採用。CL5000を中核に、5,852台の携帯型無線IP電話(FOMA®/無線LANデュアル端末)に、同社の主要拠点49ヶ所に793個のアクセス・ポイント(AP)を設置。APにはセキュリティ対策としてIEEE.802.1X(EAP-TLS)を採用しています。

今回のシステムの特長は、一台の携帯電話機が、社内では無線IP内線電話、社外では携帯電話と両方に使える点です。「全社員に内線番号が割り当てられ、連絡したい相手が社内でも現場でも発信者は相手の場所に関わらず、内線番号でかけることができます。その際、システムによりコスト的に最適な通信ルートが自動選択されます。これを携帯間通話でも実現できるよう富士通にお願いしました。相手の居所に応じて携帯電話の電話番号か、内線番号か、迷う必要もなく、複数の電話番号の管理からも開放されました」(伊津野氏)
携帯型無線IP電話の導入では転送も課題となっていました。「同一のピックアップグループに設定された別のメンバーへの着信を受けたときに、それを転送するのが携帯型無線IP電話では非常に面倒でしたが、富士通のシステムはパーク保留(注3)に対応しており、これを活用することで問題を解決しました」(高畑氏)

今回のプロジェクトで当初、山場となったのがAPの配置でした。「壁の材質や天井の高さ、キャビネットの位置、周囲や上下階の電波干渉や外来波も考慮する必要がありました。エリア設計はもとより、正しく稼動するかの確認、また実際に使っていく中で不都合が生じたときのチューニングなど、富士通にはきめ細かくサポートしていただきました」(松本氏)

[図] システム構成図
システム構成図を拡大表示

導入の効果

コミュニケーションがより円滑に。年間4億5,000万円のコスト削減の達成へ

同システムは、2005年6月に導入開始、2005年9月に本社にて本稼働、2006年3月に主要49事業所での展開が完了。すでに導入してある本社ビル内の情報通信部のオフィスではフリーアドレスを実現し、固定席ではなく移動式の机があり、配線もコンセントのみというシンプルで効率的なオフィスとなっています。
実際の利用者の声を高畑氏は紹介します。「電話帳機能は便利だといわれます。ノートパソコンのブラウザ上で電話帳をみると、相手が話中かどうか、かける前にわかります。話中が終われば、電話帳機能のクリックダイヤルを使って簡単に電話をかけることができます。この4月には携帯電話のブラウザでも電話帳機能を利用できるようになります」(高畑氏)
電話帳機能の特長について伊津野氏も付け加えます。「当社の電話帳には、内線で受信、他の内線に転送、携帯に転送、留守番電話など、着信側の望む着信方法が表示されます。場面に応じてコミュニケーション手段を使い分けることが可能となり、発信側も相手の状態を配慮することができます。相手の状態を配慮するという点では、相手が社内や事業所のどこにいるかがわかる、位置情報も便利という声も多いです」(伊津野氏)

ユビキタスオフィスの実現により、生産性の向上、顧客サービスの向上への効果はもとより、設備費削減、移転工事費削減、内線や外線通話のIP化や最適な通信手段の自動選択による通話料削減などにより、年間4億5,000万円のコスト削減を見込んでいます。

将来の展望

創業新世紀へ、新しいワークスタイルで新しいチャレンジ

「主要事業所への展開が完了し、これからは運用面がテーマとなります。今回のシステムはまだ新しい分野ですから今後ともご協力いただきたい」と高畑氏は富士通への期待を込めて語られます。伊津野氏も「今回のシステムは、グループ会社ともメリットを享受できるポテンシャルをもっています。また、当社やプロジェクトに関わったグループ会社にもユビキタスオフィスに関するノウハウが蓄積できました。そのノウハウを活かす新たなビジネスを富士通と一緒にやっていければと思っています」と力強く語ります。
同社では、来年9月就航予定の新造・天然ガスタンカーを子供たちの絵で彩る「天然ガス ドリームタンカープロジェクト」(注4)をはじめ、いくつかの創業100年事業も実施するなど、創業新世紀でのさらなる飛躍の物語がすでに動き出しています。「今年には国内最大級のガス発電所も建設を開始する予定です。電力の自由化が進む中で、当社としてもエネルギーの総合産業企業としての歩みを進めていきます。ユビキタスオフィスをベースに、新しいワークスタイルで、新しいチャレンジを積極的に行うことで可能性を広げていきたい」(松本氏)

現在の、そして未来のエネルギー産業を支える大阪ガス様。その歩みを今後も富士通はしっかりとサポートしていきます。また、ユビキタス時代の新しいワークスタイルの創造と、その拡大に向けて富士通の技術力と総合力を駆使していきます。

【大阪ガス株式会社様 会社概要】

所在地 大阪市中央区平野町四丁目1番2号
代表取締役社長 芝野 博文
設立 1897年4月10日(事業開始:1905年10月19日)
資本金 1,321億6,666万円
売上高 9,753億円(連結)/7,227億円(個別)(2005年3月期実績)
従業員数 15,905人(連結)/5,580人(個別/社員・嘱託)
関係会社 118社
事業内容 エネルギービジネス(都市ガス、ガス器具、コジェネレーション、LPG、電力など)
都市ビジネス(不動産・住まい、外食・食品、情報サービス、ホームセキュリティ、ファイン材料など)
ホームページ 大阪ガス株式会社 ホームページ

【ご紹介した製品】

用語解説

注1: FOMA®/無線LANデュアル端末
NTTドコモが開発した、無線LAN(IEEE802.11b規格準拠)によるIP電話機能を有する、企業向けの携帯電話端末。(「FOMA」はNTTドコモの商標または登録商標です)
注2: SIP(Session Initiation Protocol)
インターネットに関連する技術の標準化団体IETFで標準化された、IPネットワーク上でマルチメディアセッションを確立・変更・終了するための、アプリケーション層の発着信(シグナリング)プロトコル。
注3: パーク保留
複数の内線端末でグループを形成し、グループ内で保留を共有する機能。通話中にパーク保留ボタンを押すことにより、通話相手を保留でき、グループ内の他の内線端末から保留解除が行え、通話相手に応答できる。
注4: 天然ガス ドリームタンカープロジェクト
大阪ガスの創業100年事業の一つ。地球環境にやさしいクリーンなエネルギー・天然ガスを運ぶタンカーをキャンパスに、子どもたちと画家・ジミー大西氏が「明るい夢」「うれしい未来」を描くというもの。同タンカーは2006年9月に就航予定。

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