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導入事例
株式会社タムラ製作所様

ERPパッケージ「glovia.com」をベースに、
グローバル経営へ、生・販一体の製品別連結原価管理を実現

[2006年1月18日 掲載]

導入事例キーワード
業種: 電子部品
ソリューション: 製造業特化ERPソリューション
ソフトウェア: ERPパッケージ glovia.com、インテグレーション・プラットフォーム Interstage
ハードウェア: PCサーバ(IAサーバ) PRIMERGY、UNIXサーバ PRIMEPOWER、ストレージシステム ETERNUS
課題と効果
1 グローバルかつタイムリーな経営管理を実現したい 製品毎の原価や利益、前日までの受注や売上実績等が、グローバルな連結ベースで一元的に把握可能となり、タイムリーな連結経営管理を実現
2 生産・調達を世界規模でコントロールしコスト削減を図りたい 部品の標準化や手配方式の改善により、調達コスト年5%(年間約20億円)の削減へ
3 本社主導の社内風土改革を推進したい 業務の標準化の推進、ガラス張り化の実現により、経営サイドからの指導も的確かつタイムリーに行え、モラルの向上へ

株式会社タムラ製作所様は、各種トランス・電源関連などの電子部品大手として世界を舞台に活躍しています。同社では、顧客ニーズの多様化、グローバル化による価格競争の激化など経営環境の変化にスピーディーに対応し、収益の向上とさらなる成長を図るべく経営基盤の強化に取り組んでいます。その柱となっているのが、2004年に導入されたバランス・スコアカード経営手法と、生産、販売を一体とし製品別連結原価管理を実現する基幹業務システムMAPS(Management, Accounting, Production, Sales System for Tamura G)です。MAPSは2005年7月までに海外主要生産・販売拠点を含む計11拠点で稼動を開始。MAPSのベースとして採用されたのが富士通のERPパッケ-ジ「glovia.com」です。その採用においては、日本発であり日本企業に適している点はもとよりグローバルなシステム対応も大きなポイントとなりました。真のグローバル企業へ、オンリーワン・カンパニーを目指す同社の新たな歩みを「glovia.com」が支えています。

導入の背景

新経営基盤の二本柱、バランス・スコアカードと基幹業務システムMAPS

飯田 博幸
株式会社タムラ製作所様
執行役員 経営管理本部長

石田 和好
株式会社タムラ製作所様
経営管理本部 IT推進G/MAPS推進G
マネージャー

「トランス(変圧器)といえばタムラ」と世界のエレクトロニクス業界で著名なタムラ製作所様は、各種トランス・電源関連などの電子部品大手として素材から製品、販売サービスまで一気通貫で行っています。また、40年以上前にいち早く海外進出を行い、現在、中国、ASEAN地域、ヨーロッパなどに工場や販社のグループ企業をもち、取引の50%以上を海外で展開するグローバル企業です。
その先進性と高品質により世界のエレクトロニクス業界発展の一翼を担ってきた同社の製品は多品種に渡り、大量生産でありながらも、その一方でトランスの中でも宇宙開発事業等に使われる特殊トランスにも対応するなど受注生産的である点も同社の特長です。グローバルにビジネスを展開し、順調に成長してきた同社ですが、バブル期を境に起きた製造業をめぐる激しい変化は同社にも大きな影響をもたらしました。

こうした状況を打開するべく、タムラ製作所様では収益の向上とさらなる成長を図るために経営基盤の強化に取り組んできました。まず、すべての基本となる企業として目指すべき姿を定めました。それがオンリーワン・カンパニーです。オンリーワン・カンパニーとは、同社の特長を活かし、いままでにない発想から生まれたオンリーワン製品の比率を高めながら、他社の追随を許さないユニークな企業として成長していくことを表しています。また、製品別事業体から顧客志向を重視した市場別事業体へと組織変更も行いました。

「オンリーワン・カンパニーを目指す当社にとって、これまでのやり方ではさらなる成長は難しいという明確な認識が経営サイドにありました。そこで、財務、顧客、業務プロセス、人材という4つの視点からなるバランス・スコアカード経営手法により業務プロセス革新を図ることになりました。バランス・スコアカードが経営基盤強化のための二本柱の一つであれば、もう一つの柱がERPであり、ERP導入は必然的であったと思います」とMAPS導入プロジェクトで中心的役割を果たした経営管理本部長の飯田博幸氏は語ります。

[図] 4つの視点からなるバランス・スコアカードの図

富士通プレスリリースより参考)

導入の経緯

日本発、グローバルなシステム対応が「glovia.com」採用のポイントに

顧客ニーズの多様化、経営のグローバル化による価格競争の激化など経営環境の変化へのスピーディーな対応とともに、もう一つERPの導入目的には重要なポイントがありました。
「今回のERP導入ではグローバルな連結経営が最も重要なポイントとなっています。これまでは、各国の拠点にはそれぞれの経営のやり方があり、独立したシステムを採用していました。しかし製造業のグローバル化が進む中、一層の効率化を図るには連結ベースで考え、選択と集中を行うことが不可欠です。ERP導入による本社主導の社内風土への変革も今回は大切なテーマでした。」(飯田氏)

MAPS導入プロジェクトは社長が最高責任者となり、専任プロジェクト体制がとられました。MAPSのベースとなるERPに「glovia.com」を採用した理由について飯田氏は「主要なERP製品の比較検討を重ねました。その結果、日本発であり、日本企業に適しているだけでなくグローバルなシステム対応もすぐれているという点が大きなポイントとなり「glovia.com」の採用が決まりました。また、データベース設計のわかりやすさや、自由に工程管理が設定できる点も魅力的でした」と説明します。さらに経営管理本部IT推進G/MAPS推進G マネージャー 石田和好氏も「MAPS導入の成功は、日本企業である富士通との協力体制があればこそ、と思っています」と語ります。

日本型モノ作りのノウハウを世界標準機能として提供する、製造業に特化したERPソリューション「glovia.com」は、ビジネスの可視化・最適化・グローバル化を実現し競争力強化を図るものです。タムラ製作所様では、「glovia.com」をベースに、グローバルな連結経営をスピーディーに行うツールとして、生・販一体の製品別原価管理を実現する基幹業務システムMAPSをトップダウン遂行により世界的に導入を進めました。

システムの概要

海外主要生産・販売拠点からの情報を日本本社で一元管理

MAPSは、2004年1月より日本で稼動開始。2005年7月までに中国やマレーシア、シンガポールなど海外主要生産・販売拠点を含む計11拠点で稼動を開始しました。その構成は、本社にグループモニタリング機能、グループ統一マスター管理機能、グループ明細データウェアハウスを置き、日本や中国、マレーシア、シンガポールの各拠点システムと、XMLによるシステム間データ交換機能を通じてデータ交換を行う本社集中システムです。国内外の各拠点システムからの受注、売上、コスト、調達、製造に関するすべての情報は日本の本社にあるデータベースにより一元管理します。

「MAPSの大きな特長の一つが「つなぎ利益(製品別積上げ原価)」の把握です。MAPSの導入により、製品毎の原価や利益が、各グループ企業の損益としてだけでなく、国を越えて連結ベースで把握できるため、工場や販社のどこでコストがかかっているのか、その製品は本当に利益がでているのか、すべてわかるようになり集中と選択を一層進めることができます。また、前日までの受注、売上実績、在庫情報等が翌日には検索可能となり経営管理もしやすくなります」(飯田氏)

電子部品事業はカスタムで多品種、かつ材料の仕入れや製造、販売をそれぞれ最適な国で行っていることから特に製造システムの統合は困難であり、また少額製品が多いことから製品別原価管理も無駄であると考えられてきました。「これまでは、当社も製品毎のコストは追いきれず勘に頼っていました。しかしいままでと同じことをしていたら厳しい競争を勝ち抜いていけません。日本でMAPSが稼動した当初はいままでにない文化を導入するわけですから混乱もありましたが、社長の強いリーダーシップとオンリーワン・カンパニーを目指すという明確なコンセプトのもとで乗り越えることができました」(飯田氏)

[図] MAPS機能配置図

富士通プレスリリースより参考)

導入の効果

調達コスト年5%(年間20億円)削減、リードタイムの大幅な短縮へ

同社では、MAPSの導入に合わせ、部品の標準化や手配方式の改善を進め、調達コスト年5%(年間20億円)削減や、在庫の削減により収益・キャッシュフローの増大を目指しており、グローバルデータ連携による生産に関わるリードタイムの短縮など業務の効率化にも大きな期待を寄せています。また、集中と選択においてはすでに効果もでてきています。「どの製品や工場が本当に利益を出しているのか。問題点はどこか。いままでわからなかったことが、わかるようになってきたと社長もおっしゃっています。分析手法についてはこれからですが、しっかりとした手応えを感じています」(飯田氏)

社内の風土も大きく変わりつつあります。「MAPSが主要拠点に導入されたことにより、業務の標準化も進みます。また、ガラス張り化を実現できたことにより、経営サイドからの指導も的確かつタイムリーに行えることはもとより、みんなの仕事のやり方が見えるので各自が無駄なことをしなくなり、着実に成果も上がり、また適切な評価により充実感も得られ、モラルも向上する。これこそが風土改革だと私は思います」(飯田氏)

将来の展望

オンリーワン・カンパニーとして真のグローバル企業を目指す

今後の展開について飯田氏は「MAPSには質の高い情報提供とスピード、この2つが要求されています。これにさらに磨きをかけていく。また、誰もが自分の必要な情報を必要なかたちで、誰の手も煩わすことなく自分で迅速に活用できるように、データベースの設計も一層、洗練させていく。情報管理面では売上利益のみならず予定営業利益のレベルまで各デリバリー単位で正確に把握できるようにしていきたいと考えています。そしてなによりも活用していくことがこれからの最大の課題です。今回、当社のコンセプトや思想のもと、将来を見据えた基盤が確立できたので、今後に大いに期待しています」と飯田氏は力強く語ります。

優れた製品を通して社会に貢献するというタムラ製作所様の基本理念は1924年創業から現在まで全く変わることはありません。そして、あくなきチャレンジ精神もまた変わることはありません。いままでとは異なる発想「非連続発想」で、世界を舞台にオンリーワン・カンパニーとしてのチャレンジを続ける、そのたゆまざる歩みを「glovia.com」はこれからもしっかりと支えていきます。富士通は今後も先進技術と総合力を駆使し日本の製造業の発展を支援していきます。

【企業概要】

株式会社タムラ製作所

  • 所在地: 本社〒178-8511 東京都練馬区東大泉1-19-43
  • 代表取締役社長: 田村 直樹
  • 設立: 1939年
  • 資本金: 118億2,900万円
  • 売上: 759億7,100万円(海外売上高411億8,800万円)
  • 従業員数: 6,758名(2005年7月1日現在)
  • 事業内容: 各種トランス・電源関連などの電子部品大手として、素材の仕入れから製造、販売サービスまでをトータルに行うビジネスをグローバルに展開。
  • ホームページ: 「株式会社タムラ製作所」ホームページ

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