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導入事例
千葉工業大学様

セキュリティ強化と学生サービス向上、体験的教育の一環に
世界初、IC学生証に「非接触型 手のひら静脈認証」を採用

[2005年7月27日 掲載]

導入事例キーワード
業種: 文教
ソリューション: セキュリティ
ソフトウェア: 手のひら静脈認証ソフトウェア、SafetyMAM(セーフティマム) 、SafetyDomain(セーフティドメイン)
ハードウェア: 非接触型手のひら静脈認証装置、情報キオスク端末「KISS(Kyoumu Interactive Support System)」
課題と効果
1 個人情報保護法の全面施行を背景に、一層のセキュリティ強化を図りたい 「非接触型 手のひら静脈認証」の導入により、学生はもとより保護者の情報など重要性の高い個人情報を守る高度なセキュリティを実現
2 より迅速かつ安全な情報提供により、学生サービスを向上したい 従来、年2回の配布だった個人成績表や、学生が随時確認したい取得単位情報も必要に応じて速やかに閲覧可能に
3 個人情報の重要性を、体験をもって学んでいく環境を提供したい 学生はキャンパス内に設置した情報キオスク端末に手をかざして個人情報を入手。学生生活の中で個人情報の重要性と、それを守る先進技術を体験的に学習

1942年に旧制の私立工業単科大学として創立された千葉工業大学様は、「ひとのための技術・環境をまもる工学」を教育スローガンに、現在、工学部、情報科学部、社会システム科学部の3学部構成のもとで21世紀を担う人材の育成に努めています。
時代の先端を行く同大学では、個人情報保護法の全面施行や相次ぐ情報漏洩といった時代背景のもと、情報セキュリティも大きなテーマとして捉え、セキュリティの強化と学生サービスの向上、さらに学生への個人情報保護法に対する教育的効果を目的として、大学では世界で初めて「非接触型 手のひら静脈認証」を採用したIC学生証を実現しました。同システムは、システムの構築を富士通が行い、「FeliCa対応デュアルインターフェースカード」(注1)を利用したIC学生証の製造、発行は大日本印刷株式会社が行っていきます。同システムによるサービスは2005年7月1日よりスタート。また順次、教職員をはじめ、サービス対象を拡大していく予定です。
文教分野における「非接触型 手のひら静脈認証技術」の導入では初の試みとなった千葉工業大学様。今後も、富士通はユビキタス社会のセキュリティを支える「非接触型 手のひら静脈認証」の活用領域を広げていきます。

導入の背景

個人情報を守るのと同時に情報開示のニーズに応えていくために

小川 靖夫
千葉工業大学 教務部 教務課 課長

大林 光次
千葉工業大学 教務部 教務課 課長補佐

鯨生態観測衛星「観太くん」(注2)、未来ロボット技術センター「fuRo」(注3)、様々なメディアでとりあげられた、この2つの夢あふれるプロジェクトに取り組んでいるのは千葉工業大学様です。同大学は、「何事にも挑戦して社会から期待される」人材の育成はもとより、様々なプロジェクトにも積極的に取り組み、産学連携による技術振興や新しいビジネスの創出への展開も視野に入れ、社会貢献の役割を担う大学としての発展を目指していす。その教育・研究の先進性や経営の健全性により、格付け投資情報センター(R&I)から長期優先債務格付け「AA-(ダブルAマイナス)」の評価を受けています。

常に時代の一歩先を行く千葉工業大学様は、個人情報保護法の全面施行への対応や情報流出防止といった観点から、情報セキュリティも大きなテーマとして捉え、その対策に取り組んでいます。「大学で扱っている個人情報には、名前、住所、成績、健康情報はもとより親御様のデータなどセキュリティレベルの高いものが数多くあります。この4月に個人情報保護法が全面施行されましたが、これにより個人情報を守るのと同時に、開示請求によって速やかに情報を開示する必要が生じたと考えています。より迅速かつ安全に情報提供を通じて学生サービスの向上を図っていく。この課題に応えるための仕組みとして生体認証に注目しました」と今回のシステム導入プロジェクトのリーダー、千葉工業大学の教務部教務課課長の小川靖夫氏は語ります。

今回の導入には、もう一つ、教育効果の側面もありました。「これからの時代は、個人情報に対し自分がどう対応していくべきかといった、個人情報の重要性に対する意識の向上が必要になります。また今後、セキュリティ分野では生体認証が不可欠な技術になるでしょう。個人情報への意識を高めるとともに、セキュリティの先進技術に触れられる環境を提供していく。今回のプロジェクトは教育の一環としても位置付けています」(小川氏)

導入の経緯

検討を重ねるほどに「非接触型 手のひら静脈認証」の利点を認識

今回のプロジェクトでは、学生証のICカード化と生体認証の導入がセットになって展開していきました。「学生証のICカード化については以前から検討をしていました。他大学でもすでに導入しているところもありましたが、ICカード化する明確な理由が見えてきませんでした。当大学らしいIC学生証にしたい。試行錯誤している中、富士通ソリューションフォーラムで「非接触型 手のひら静脈認証」と出会いました。実際、自分でも試してみたのですが、これは素晴らしい技術だと実感しました」と今回のプロジェクトを中心になって推進した千葉工業大学教務部教務課課長補佐の大林光次氏は当時を振り返ります。

同大学では採用に至るまでに様々な生体認証の検討を重ねました。「虹彩は眼鏡やコンタクト着用者への対応など運用面が課題となりました。指静脈認証はまだ開発途上のイメージがあり、指紋は教育の場にはなじまないと判断しました。心理的、衛生的な抵抗感など検討を重ねるほどに「非接触型 手のひら静脈認証」の利点が際立ってきました」(大林氏)
IC学生証に認証データをのせることも採用のポイントの一つでした。「高度なセキュリティを確保しつつ、情報提供により学生サービスの向上を実現していく。そのためには静脈データをIC学生証に登録することにより、情報のやりとりをIC学生証と照合機との間で完結できることが不可欠でした。また、個人が自己責任により個人情報を管理していくことの重要性を、体験しながら学んでいく教育的意味合いもありました。大手金融機関で導入や導入検討が進んでいたことも採用決定の追い風になりました」と小川氏は語ります。

今回の導入プロセスで最も苦労したのが時間との競争でした。「今回のシステムは当大学をフィールドにして、富士通の「非接触型 手のひら静脈認証」と大日本印刷の「FeliCa対応デュアルインターフェースJavaカード」という2つの革新的な技術の組合せがあって初めて実現できました。通常、1年かかるといわれていたところを、実質、3、4ヵ月で完成できたのは、新しい可能性にチャレンジしていく「ものづくり」を核とする当大学へのご理解と、全面的なご協力の賜物と両会社には深く感謝しております」(大林氏)

システムの概要

「非接触型 手のひら静脈認証」と多機能ICカードの融合

「非接触型 手のひら静脈認証」を利用した多機能ICカードシステムは、キャンパス内に設置された情報キオスク端末「KISS(Kyoumu Interactive Support System)」(注4)にIC学生証を入れ、認証装置に手のひらをかざして本人と認証されると、同大学のサーバ内にある成績や取得単位等の個人情報を安全かつ瞬時に閲覧できるものです。
同システムは、富士通製品である、ICカードの発行から廃止までのライフサイクルを管理するシステム「SafetyMAM(セーフティマム)」と、ICカードを利用しパソコンや業務アプリケーションにログインを行うアプリケーションソフトウェア「SafetyDomain(セーフティドメイン)」(注5)を利用し富士通が構築しました。また、IC学生証として採用された「FeliCa対応デュアルインターフェースJavaカード」(注6)の製造および発行は大日本印刷株式会社が行っていきます。

導入の効果

より安全かつ迅速に成績表等の個人情報を閲覧可能に

この7月1日より、約1万人の学生すべてに対して同システムによるサービスがスタートしました。これにより、高度なセキュリティの実現はもとより学生サービスの大幅な向上が図られました。
学生サービスの向上について小川氏は「学生がいちばん気になるのはやはり成績です。いままでは年2回、学期初めに個人成績表を紙ベースで配布していました。約1万人の学生に対して情報を配るためには紙ベースでないとなかなかできませんでしたし、Webでの提供はセキュりティ面に不安がありました。個人成績表は学期途中で再テストやレポートにより更新されます。それについては従来、自動証明書発行機のほうで1ヵ月、2ヵ月遅れくらいで確認できましたが、これからは高度なセキュリティを確保した上で最新の個人成績表を、事務手続き処理後すぐに端末から確認できます」と期待しています。

将来の展望と富士通への期待

この夏、教職員へもサービス対象を拡大へ

IC学生証への「非接触型 手のひら静脈認証」の採用は世界初であったので、当初はコスト面も不安材料の一つとなっていました。この点について大林氏は「ICカードシステムだけを構築するよりは割高にはなりましたが、高度なセキュリティや教育的効果など実現できたことを考えると、投資対効果面でも満足のいくものとなりました」と語ります。
今後の展開について小川氏は「学生が利用する手続き用のパソコンに、ICカードリーダーと静脈認証装置の付いたものをいま富士通にお願いしています。また、この夏から約470名の教職員への適用も開始する予定です。先生方の成績入力も現在はWebを使って行っていますが、セキュリティ強化の面から、今後は「非接触型 手のひら静脈認証」を適用するなど先生方に対するサービスの向上も図っていきたいと思います。さらに教務課で利用している端末への適用など、セキュリティレベルに合わせて必要なところに展開していきたいと考えています」と将来を見据えています。

今後の課題と富士通へのご要望もいただきました。「メンテナンスを含めてレスポンスのさらなる向上と、ICカードの読み取りにおける非接触型への対応はお願いしたい。「非接触型 手のひら静脈認証」は大きな可能性を秘めた技術であると実感しています。富士通にはいろいろな用途も含めて間口を広げていただけると、今後、さらに面白い展開ができるのではないかと思います」と小川氏は期待を込めて語ります。

個性とチャレンジ精神を大切に、21世紀社会を担う人材育成に努める千葉工業大学様。富士通は今後もユビキタス社会のセキュリティを支える「非接触型 手のひら静脈認証」等の革新的な技術の提供を通じ、千葉工業大学様をはじめ文教分野の発展を支援していきます。

【大学概要】

千葉工業大学

  • 所在地: 千葉県習志野市津田沼2-17-1
  • 学長: 本岡誠一
  • 教育理念: 「ひとのための技術 環境をまもる工学」を実践できる技術者の育成
  • 学部(学科): 工学部(機械サイエンス、電気電子情報工学、生命環境科学、建築都市環境、デザイン科学)、情報科学部(情報工学、情報ネットワーク)、社会システム科学部(経営情報、プロジェクトマネジメント)
  • キャンパス: 津田沼キャンパス、芝園キャンパス
  • 長期優先債務格付けAA-取得: 2003年、国内の理系単科大学で初めて、格付け投資情報センター(R&I)により長期優先債務格付け「AA-(ダブルAマイナス)」の評価を獲得。2004年も続けて獲得。
  • 研究: 企業や国、自治体からの研究を75件助成、受託。千葉工業大学として特許取得21件(日本/アメリカ)。2005年7月現在。
  • ホームページ: 「千葉工業大学」ホームページ

【お問い合わせ】

用語解説

注1: FeliCa対応デュアルインターフェースカード
大日本印刷株式会社の最先端の多機能ICカード。1チップでJavaカードとFeliCaカード双方の機能を持ち、非接触インターフェースによるJavaCardアプリケーションの利用など「クロスアクセス機能」を実装。
注2: 鯨生態観測衛生「観太くん」
2002年12月に打ち上げられた純国産H-IIAロケットに搭載された、鯨の生態観測を目的とする小型人工衛星。
注3: 未来ロボット技術センター「fuRo(Future Robotics Technology Center)」
「ロボット技術で、ものづくり文化の進展と発展に貢献できる活動をめざす」というコンセプトを掲げる、ロボット研究開発組織。多くの注目を集めたヒューマノイドロボット「morph3」の研究開発も継続して行われている。
注4: 情報キオスク端末「KISS(Kyoumu Interactive Support System)」
情報キオスク端末は設置型情報端末。KISSは千葉工業大学におけるシステムの名称。
注5: SafetyMAM
富士通が開発した、ICカードの発行から廃止までのライフサイクルを管理するシステム。発行データの生成、発行済みICカードの運用管理、失効データを他システムへ連携する機能を提供。
注6: SafetyDomain
富士通が開発した、ICカードを利用し、パソコンや業務アプリケーションにログインを行うアプリケーションソフトウェア。確実な本人認証を実現するとともに、お客様の使用目的に応じた多くの選択肢を持ち、利便性の高いセキュリティシステムの実現を可能に。

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。