導入事例
丸全昭和運輸株式会社様
先進の3PLシステムが拓く、新時代のロジスティクス
[2005年2月21日 掲載]
| 導入事例キーワード | |
|---|---|
| 業種: | 総合物流 |
| ソリューション: | 3PLソリューション |
| 製品: | PRIMEPOWER、アウトソーシング、IPCOM、Systemwalker |
| 課題と効果 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | メインフレームシステムの更新に伴い、多様で複雑なロジスティクス業の新システムへの移行が必須。 | 荷主、製品によって複雑で多様な物流サービスを、ロジスティクスソリューションで実現。 | ||
| 2 | 産業のグローバル化に対応して、荷主ニーズに応えられる3PL事業への転換が急務。 | 荷主ニーズに対応した3PLシステムの稼働を前提とした商談で営業を拡大。 | ||
| 3 | 先進的なIT技術に基づいたシステム導入とコストメリットのあるアウトソーシング導入で、横断的な業務・組織として業務を改革。 | 縦割りで単機能のシステムに代わって、最新のWeb技術を備えた業務横断的なシステムを構築。さらに富士通IDCとアウトソーシングサービス利用で、万全のセキュリティ体制、高度な3PL情報センター機能を確保。 | ||
世界的に産業構造が大きく変わろうとしている今、3PL(サードパーティ
ロジスティクス)(注1)に注目が集まりつつあります。陸・海・空にわたり総合物流をグローバルに展開している運輸業界の雄、丸全昭和運輸株式会社様は昨年、富士通のTRIOLEに基づく最新のIT技術を応用した3PL事業システムを起ち上げました。はたしてその狙いは。
導入の背景
長年にわたり獲得してきた顧客の信頼を次代に繋げるために

井上 隆氏
代表取締役社長

中村 匡宏氏
常務取締役
産業のインフラといわれる物流が今大きく変わろうとしています。かつて物流とロジスティクスとはほとんど同義の言葉として使われていましたが、本来ロジスティクスはモノの輸配送ばかりでなく、それに伴うハード、ソフトを含めた設備と仕組み全体を意味する概念です。生産ラインにおける資材・部品の調達から製品の輸送・販売にいたるまで、トータルな物流システムとそれにともなう情報システムを指すことが、このところようやく定着してきています。
こうしたロジスティクス業務の大半をサードパーティにアウトソーシングする業態を3PLと呼びます。近年、生産・流通・情報のグローバル化に直面する多くの企業が3PL企業を採用する傾向にあるのは、ロジスティクスの複雑化、多様化に押されてのことであり、当然の結果と言えるでしょう。
昭和6年(1931)創業の丸全昭和運輸様は、国内はもとより海外にも拠点を置く老舗の総合物流企業。70年以上にわたって自動車運送事業から港湾・航空物流に至るまで、一貫した質の高いサービスを提供し、顧客の信頼を獲得してきました。
しかしながら旧来からの取引きに頼る仕事の確保だけでは、近年の急激なグローバル化の波に乗り切れないことは明らか。これまでも度々抜本的な業務改革、戦略の見直しを断行してきました。
激動の時代を迎えて「いつの時代にも、真に信頼されるロジスティクスパートナーとしてお客様第一主義を貫いてきたのが当社です。これまで社員の意識改革をはじめとして、全国各地にある拠点の整備などを進めてきました。しかしこれからはいよいよ“攻めの営業”に転じる必要がある。3PL事業への本格的な参入のねらいはそこにあります」と、井上隆代表取締役社長は現在の経営戦略の骨子に3PL事業が位置づけられていることを強調します。
「今回のシステムは富士通の最新IT技術を駆使したものです。このシステムの導入によって、国内物流はもとより、国際複合一貫輸送を実現する体勢が整いました。お客様のニーズを先取りすることが当社の生き残りに必要不可欠であると考えています」と語るのは常務取締役の中村匡宏氏です。
モノを運ぶだけではロジスティックとは言えない、それに関連したさまざまな人的サービス、情報サービスを提供することで、より一層ロジスティクスの質を高めていかなければこの業界では勝ち残っていけない、その中核に3PL事業があるわけです。
導入の経緯
想像以上に困難だった総合物流業のシステム化

柴田 康二氏
経営企画室室長

加山 等氏
営業本部営業企画部部長

片桐 進一氏
情報システム部部長
モノを運ぶのが物流(狭義のロジスティクス)の仕事。とはいっても、物流業務は決して単純なものではありません。陸・海・空それぞれに運輸の特性があり、総合物流企業ともなれば運ぶモノもじつに種々様々。天候、道路状況、時には国際情勢など、グローバル化の進展で物流企業に寄せられる顧客の要望もますます複雑化、多様化しています。効率的で質の高い3PLシステムを完成するためには相当な苦労を強いられたのは事実です。
「導入のきっかけはシステムの更新でした。これまでのわが社のシステムはメインフレームで稼動しており、バージョンアップを重ねつつも、構築からすでに20年が経過しています。それは単機能であり、売上(請求)と費用(支払)処理をベースにしたもので、縦割り業務を前提として構築されていました。しかし今回、インターネット時代のさらなる進化を予想して、最新のWeb技術、IT技術を使った横断的なシステムに一新しています。その目指すところは国内外を問わず、複合一貫物流に対応できる3PL事業の実現です」(中村氏)。
業務プロセスばかりでなく組織も横断的に改編するのには、社内外に障害や抵抗も予想されたのでは、という問いに対し、「もちろん簡単なことではありませんでしたが、3PL事業は全社的な取組みということが役員ばかりでなく社員全員に浸透しています。それ以上に、今やらなければいつやるのか。時代の進歩は待っていてくれません。3PLシステムの構築にはどんなに急いでも数年はかかります。今取り掛からなければ、必ず時代に取り残されるという危機感がありましたね」と言うのは経営企画室室長の柴田康二氏です。
2002年に3PL事業の構想が持ち上がり、翌年度から社内で具体案が経営企画室・営業本部・情報システム部が推進母体となって全社規模で検討されました。2003年6月から富士通との開発に入り、同年10月には基本構想を策定。そして一部の顧客に対して業務の提供を開始したのが2004年11月です。
システム名はMLP(Maruzen Logistics Partner)システムと名付けられました。同社の企業理念である「お客様第一主義」を表わすロジスティクス・パートナーはこうして、新時代の業務名の中にはっきりと刻み込まれることになったわけです。
システムの概要
今後予想される大規模災害に配慮し、セキュリティ対策には万全を期す
本システムでは3PL情報センター機能が、横断的になった物流業務のすべてをコントロールしています。EDI(お客様とのデータ交換)などの情報の受け渡し、受注データを始めとした物流情報の蓄積・管理・分析などを行う情報センター機能は富士通の館林IDCにアウトソーシングしており、万全のセキュリティ管理下に置かれています。
「この点も富士通を選択した大きな理由のひとつでしたね。お客様のデータを預かるわけですから、大規模災害などに対処できる危機管理体制を整えることは3PL企業にとって必要不可欠の条件」と情報システム部部長の片桐進一氏は言います。
用いられているのは富士通TRIOLEそのもの。システム開発から運用、メンテナンスまで、富士通が誇るアウトソーシングサービスをまさにフル活用しています。

物流の基本部分は今まで同様高い質を維持し、その上にお客様とのEDI、物流作業の進捗状況、在庫状況、貨物ステータス(注2)の情報提供、さらには物流分析データのフィードバックなど、高付加価値を提供することで顧客ニーズを満足させるのが本システムの要です。
将来の展望
グループ全体にシステムを拡大する予定
井上社長は「消費関連の貨物を強化し、中堅企業にも販路を拡大していきたいと思っています。わが社の3PLシステムをより多くのお客様に利用していただき、お客様の受発注業務の代行や物流分析情報の提供まで、幅広く活用していただけるようになるのが目標です」と言います。
「今の時代、お客様が3PLを求めている、ということが重要なポイントだと私は思います。言われた通り、安全、確実にモノを運ぶのは当たり前。一時代前ならそれだけでもほぼ合格点でした。しかし今のお客様は、物流に関するトータルな業務のアウトソーシングを求めています」と語るのは、営業企画部部長の加山等氏。「実際3PL事業を開始したということでお客様の反応が良くなっています。基本の物流業務にプラスして、いかに高品質な付加価値を付け加えることができるか。そしてその上で、わが社にできることをお客様に説明することに全力を挙げなければなりません。それが攻めの営業なのではないでしょうか」(加山氏)。3PL事業の成果が問われるのはこれからです。
富士通は先進のIT基盤TRIOLE、長年培ってきた実績と信頼をもとに、挑戦し続ける企業をサポートしています。
【会社概要】
丸全昭和運輸株式会社
- 所在地: 神奈川県横浜市中区南仲通2-15
- 代表取締役社長: 井上 隆
- 創業: 昭和6年8月17日
- 資本金: 9,117,261,194円(平成16年9月末現在)
- 従業員数: 約4,000人(グループ会社含む)
- 事業所: 支店6、事業所125箇所、グループ会社40社
- 事業内容: 総合物流業
- ホームページ: 「丸全昭和運輸株式会社」ホームページ
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