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導入事例
株式会社三越様

“革新”を伝統とする老舗百貨店が
最新POSで目指すパラダイムシフト

[2004年11月16日 掲載]

導入事例キーワード
業種: 小売業
ソリューション: 店舗ソリューション、CRMソリューション、IC-CARDソリューション
ソフトウェア: Interstage、Systemwalker
ハードウェア: 小型POSターミナル TeamPoS1000、モバイルPOS B-STORE POWER/M、グローバルサーバ GS21 400、UNIXサーバ PRIMEPOWER 850、PRIMEPOWER 650、IAサーバ PRIMERGY TX200、PRIMERGY TX600
課題と効果
1 お客様により親切なPOS(注1)システムの実現 小型POSターミナル TeamPoS1000、モバイルPOSを採用してお客様との高い対面性を実現
2 百貨店の売場になじむデザイン性と操作性を確保 ハイグレードな売場にマッチしたPOS端末と、接客と連続した商品登録、クレジット決済で安心感を付加。伝票レスの実現が売場業務を簡略化
3 全店舗(全国18店舗)一斉にシステム更新して業務を改革 スピーディーなシステム開発と全店舗インフラを統一。システムのセンター管理を実現して、ITインフラコストを大幅削減

今から百年前の1904年「デパートメントストア宣言」をして日本最初の百貨店を起ち上げたのが株式会社三越呉服店。その後も次々に世間をあっと言わせる新機軸を成功させ、日本の百貨店業を革新してきました。戦後も昭和43年にはコンピュータを、また昭和54年にはPOSを導入するなど、百貨店業には難しいと考えられてきたIT化への先鞭もつけ、業界のトップランナーとしての地位を確実にしてきました。しかしながらバブル崩壊と平成不況の深刻化、そして経済のグローバル化の進展により、百貨店業には大幅な経営改革、業務革新が求められています。2003年9月には全国5社の三越が合併して新・株式会社三越として再生。2004年秋には創業の地である日本橋で三越「新・新館」をオープンさせて大活況を見せるなど、新生三越はいたるところでクローズアップされてきています。この秋から全国18の店舗で導入が開始された新型POSシステムも、三越様のそうした経営改革・業務革新の重要な足がかりのひとつと位置づけられています。

導入の背景

POSなど業務システムの更新は「業務の棚卸し」

尾方晃
業務部システム統括担当ゼネラルマネジャー

三越様が2003年の中期5ヵ年計画で打ち出した経営コンセプトは「三越らしさを大切にしながら、変化に対応して経営のフレームを組み替える」ことを基本として、経営ビジョン「高質小売業グループ」の確立を目指すこと。お客様をまず第一に考える三越様ならではのスタンスです。新型POSシステムの実現にもその考え方が色濃く反映されています。
「私たちが企業理念として揚げているのは“伝統を越える革新性”と“高質小売業”ということですが、三越は昔から結構新しいことをやってきました。常に、日本の流通業界でパラダイムシフトを実現してきたという伝統に対する自負があります」と革新性の中で三越の伝統が培われてきたことを強調するのは、業務部システム統括担当ゼネラルマネジャーの尾方晃氏。
「私たちは常に“おもてなし”をキーワードにして、どうしたらお客様に、売場(お過し場)で感動や癒しを味わっていただきながらお買い物をしていただけるかを考え、そのための店舗作りや商品作り、あるいは接客の所作を再構築しようと模索しています。有名ブランドを入れて金太郎飴的にどこも一緒でしかない百貨店のステレオタイプから脱し、これからはより個性を前面に押し出していきたい」(尾方氏)。
そうした顧客重視の視点から見回した時、売場の中でPOSやレジスター周りは意外に雑然とし、高質な接客を目指す三越様にとっては、接客という点からもPOSシステムを根本的に見直す必要がありました。

「POSシステムの更新は概ね5年から7年周期で行われますが、これは私たちにとって、実は業務の棚卸しに最適なのです。業務プロセスのなかには意外と陳腐化してしまっていて、すでに意味が無くなっているものもあります。だからシステムを更新することが業務プロセスの見直しと革新に繋がっている。今回私たちが目指したものの中に、例えば伝票レスの完全実現化がありますが、これによってフロントサイドすなわちお客様との接し方は根本的に変わりましたね」と尾方氏は言われます。

導入の経緯

三越様「04POS」開発の5大コンセプト

川島正和
業務部システム統括担当

「04POS」とは今年2004年に導入した三越POSシステムの名称。新しい時代にシフトした三越の接客思想が多分に盛り込まれています。
「ここに配属される以前、売場に近い宣伝系の部署にいました。その時の経験を活かしたシステムづくりを目指しましたが、現場の声をシステムに反映するのは難しいと実感しています」と開発時の苦労を業務部システム統括担当の川島正和氏は語ります。
2002年秋、開発チームは検討の結果、三越が新POSシステムに実現すべきものを5つのコンセプトとして集約しました。それは

  1. お客様に親切なPOS
  2. 販売員が安心できるPOS
  3. 運用管理がしやすいPOS
  4. 百貨店の売場になじむPOS
  5. ローコストなPOS

例えば「お客様に親切なPOS」とは、「お客様をお待たせしない、安心感を与える」というもので、これが実際には、フロントサイドにおけるモバイルPOSの開発に活かされています。
また先の伝票レスに関しても、その目的は

  1. 環境への配慮
  2. 販売業務をよりシンプルに
  3. 付帯業務の見直しを

と言うように、具体的な売場の動き、あるいはそれを支えるバックオフィスの動きを完全に把握しながら進めていきました。特に、もともと呉服店として出発している関係上、呉服や紳士服・婦人服などの“あつらえ”にはさまざまな伝票が付き物でした。そうした伝統的な業務プロセスに対しても聖域を設けることなく業務プロセスの改革に着手しています。
「システムを単に合理的に改革することは簡単です。しかし現場はそれまでのやり方を変えたくない、と思うのも事実。お客様にとってどんなことが必要なのか、お客様に満足していただける仕組みとはどういうものか、と考えた時にそれまでの不必要な仕組みの洗い出しができる。そうしたことをひとつひとつ、現場が納得するように説明しながらシステムを考えていった。そのことが一番大変で、かつ今から考えると大事なことだったのじゃないかな」と尾方氏は開発当時を振り返ります。

システムの概要

システムの効率化で、コア業務のフロントに人員を集中

上記の開発コンセプトワークは2002年秋から開始され、コンペティションの時にPOSシステムの要件として提示されました。2003年4月に富士通がシステム開発を担当、それから約1年半かけて開発が完了します。
「今回はシステムの開発だけではありません。業務の改革との平行作業。富士通にも難しい作業をお願いしたと思う。その意味では最初にイメージができていてそれを実現する通常のシステム開発とは異なっていましたから、時間が多少かかったのは止むを得ないでしょう」と尾方氏は語ります。
システムのおもな特長としては、

  1. 小型POSターミナル TeamPoS1000により、フロントサイドでのお客様との高い対面性を確保し、操作中でもFace to Faceによる接客を実現する
  2. B-STORE POWER/M(モバイルPOS)により、接客と連続した商品登録、クレジット決済を実現。決済の迅速化とお客様の安心感を醸成する
  3. 業界で初めて、ICカードを友の会に導入。電子マネー化など、お客様の利便性を向上する

などを挙げることができます。システム全体としては、これまで各店舗にあった店舗コンピュータを、センターオフィスによるコンピュータの一括管理にしたことで高いコストパフォーマンスを実現しました。
「百貨店は言わば労働集約型の産業。人手に頼る面が想像以上に多い。フロントサイドに人手を回すなど、業務を改革せざるを得ないのです。手薄になったバックオフィス業務にはIT化が必須となります。今回システム管理をセンター集中にしたことでサーバなどのインフラコストは大幅に削減できましたし、コア業務への人材投入も大きなメリットに繋がるはずです」(尾方氏)。
2004年9月からすでに9店舗にシステムを導入。来年2月下旬ごろまでには全店舗への導入完了を予定しています。

[図] 株式会社三越様 新店舗システム概要
図を拡大表示

将来の展望

大きな可能性を秘めたPOSシステムに夢を託す

まだ導入から数カ月しか経っていませんが、現場での評判は上々と効果を実感しつつあります。
「日本橋の新・新館にもなじむ見栄えの良さとか、使い勝手も操作性も明らかに向上した、という評価も届いています。POSイコールレジスターではなくなった今、お客様の情報を集約できるPOSの可能性に期待しています」(川島氏)。
「ギフトなどとのシステム連繋は今後の課題です。また今回は友の会のお買い物券の仕組みをICカードでできるようにしましたが、一部ではポイントの仕組みもICカードに組み込んでいます。ICカードの電子マネー利用の仕組みやポイントの仕組みを使った他業種とのコラボレーションも面白いですね」と尾方氏は夢を語ります。
流通の現場をITシステムで変革する。挑戦し続けるお客様を、富士通のIT基盤TRIOLEが支えています。

【会社概要】

株式会社三越

  • 所在地: 日本橋本店 東京都中央区日本橋室町1-4-1
  • 代表取締役社長: 中村胤夫
  • 創業: 1673年(延宝元年)
  • 設立: 2003年(平成15年)9月1日
  • 資本金: 374億400万円
  • 売上高: 8,965億6,000万円(2002年度)
  • 販売面積: 53万3,000(国内店舗のみ)
  • 従業員数: 8413人(2003年8月1日現在)
  • 店舗数: 国内18店舗、小型店舗85店舗、海外店舗21店舗
  • ホームページ: 「株式会社三越」ホームページ

【お問い合わせ】

用語解説

注1: POS
[point of sale] 販売時点情報管理。商品が販売された時点で、それに付けられたバーコードや磁気記録をコンピュータに通知し、商品の販売数や売れ筋商品をリアルタイムに集計するシステム。

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞等は掲載日現在のものであり、このページの閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。