導入事例
日本通運株式会社様
物流業初。運行管理ASPシステム導入により、
省燃費、ローコスト体質強化、安全運行の徹底を実現。
[2004年9月14日 掲載]
| 導入事例キーワード | |
|---|---|
| 業種: | 物流 |
| ソリューション: | 運行管理ASPシステム(注1) |
| 製品: | MBC2002(車載端末)、FMV-C620(運行管理パソコン)、FV5509RW1(メモリカードリーダライタ) |
| 課題と効果 | ||||
|---|---|---|---|---|
| 1 | 燃費の削減と環境保全への貢献 | 早期導入した北海道では燃費10%削減を実現。全社10%以上の削減を目指す。燃費削減により環境保全にも貢献 | ||
| 2 | 事務作業コストの削減 | 日報の手書きに要する時間約20分。年間の日報枚数約400万枚。自動帳票出力により事務作業コストの大幅削減を実現 | ||
| 3 | 安全運転への意識改革 | ドライバーと車両に関する詳細なデータの把握が可能に。データをもとに速やかな指導、評価点の出力による安全への意識高揚 | ||
| 4 | 現場データに基づく経営判断 | ドライバーの運行データの集約化を行い、経営判断に活用することが可能に | ||

130年以上に渡り、物流業のリーディングカンパニーとして日本の産業発展を支えてきた日本通運様。国内約1,300の営業所、保有営業用車両台数約17,000台の規模を誇る日本有数の物流企業です。現在、世界への事業展開もはかり、物流新時代の多様なニーズに応える「グローバル・ロジスティクス企業」としての基盤を固めようとしています。
21世紀の日通グループの更なる飛躍を期し、同社は2004年度より「第二次 日通グループ 経営2ヵ年計画(改革と創造、お客様とともに)」をスタートさせました。これを実現するひとつがデジタル式運行記録計を利用した運行管理ASPシステムです。2004年4月より全営業用車両(一部車両を除く)を対象に本格的な導入がはじまり、すでに目に見えた効果があらわれてきています。同社の取り組みは、物流業を変える、新たなチャレンジとして各方面から注目を集めています。
導入の背景
社会に高い信頼で応える会社づくりの一環として

三浦明氏
作業管理部 物流技術・車両専任 部長
物流業は景気に大きく左右されます。厳しいビジネス環境の中、勝ち残るために日本通運様では「第二次 日通グループ 経営2ヵ年計画(改革と創造、お客様とともに)」をスタートさせました。
「企業としては収入を確保して利益をだすというのが、今まではひとつの大きな柱となってきました。ここ数年、物流業においても利潤追求というだけではなく、コンプライアンスの徹底やローコスト体質の強化、環境保全への貢献、安全への意識高揚などさまざまな柱が求められるようになっています。当社ではコンプライアンス部、環境部を開設するなど社会に高い信頼で応える会社づくりに積極的に取り組んでいます」と今回のプロジェクトを推進してきた作業管理部
物流技術・車両専任 部長の三浦明氏は語ります。
そうした企業としての取り組みの一環として今回の運行管理ASPシステムの導入もあります。三浦氏はさらに続けて「現場や管理者の意識改革を促すことも導入の狙いのひとつです。これにより運行管理の徹底をはかり、ローコスト、作業品質向上、法令遵守の徹底を実現する。その結果として利潤を追求していく」と導入の背景について言及します。
導入の経緯
今までの協力関係に加え、提案内容が高い評価を獲得

澤田敦氏
作業管理部 物流技術・車両専任 次長
日本通運様では、省燃費、事務コスト削減、法令遵守などの要素を一元的に管理するツールとして、デジタル式運行記録計(注2)に着目し、2年前から検証を行ってきました。その結果、燃費削減、事務作業の効率化、安全管理などの面で数値として効果が確認でき、2003年暮れに陸運大手として初めて全営業用車両約14,000台への導入を決断しました。その際、課題となったのが、各種データを集約し、全国で運行管理の一元化をはかるためのシステムの構築でした。
「現行の運行管理システムの問題点は各課所単位での管理が基本になっているということです。当社の管理体制は、課所、支店、統括支店、ブロック、本社と階層により構成されています。全国1,300課所すべてにデジタル式運行記録計を導入しても、データを集約するためにいちいち報告を上にあげていくのは現実的ではありません。複数のメーカーに相談したところ、富士通からASP方式の提案をいただきました。富士通には他システムでもご協力いただき、当社の業務内容も承知していただいており、提案内容も含めて富士通がベストという判断になりました」と三浦氏とともに今回のプロジェクトで中心的な役割を果たした、作業管理部 物流技術・車両専任 次長の澤田敦氏は語ります。
システムの概要
ASP方式によりデータの一元管理、変更にもスムーズに対応
今回の運行管理システムで採用したASP方式は、ネットワークを利用して車載器で得られた運行実績データを運行管理ASPシステムのセンターサーバに集約し、データの一元管理、共有化を実現するものです。管理項目の統一化を図り、各管理階層で多様な管理帳票の出力を可能にします。従来の各課所単位での運用から、イントラネットを介した運行管理ASPシステムによるセンター集中型の運用へ、管理手法の変革を促します。
また、全課所、全営業車両導入では運用コストも大きな課題のひとつとなります。とくに法令やデータ変更への対応は不可欠なテーマでした。
「ASP方式以外に、富士通からアプリケーションのストリーミング配信方式の提案もいただきました。これにより、アプリケーションに変更が生じた場合もセンターサーバ側から各クライアントへアプリケーションの一斉配信を行うことで極めてスムーズな対応が可能となり、運用コストの削減にもつながります」(三浦氏)
デジタル式運行記録計を利用した運行管理ASPシステムの導入は、2004年4月よりブロック別に北海道よりスタートし、2004年度中の完了を目指しています。
新システムによる運行管理の流れは、車載端末にセットしたICカードにドライバーが車載のテンキーを使って運行・作業状況を記録し、終業後、ICカードの読み込みを行うと、各種帳票が自動発行され、同時に運行実績データがセンターサーバへ蓄積されます。また、運行中の車両は、GPSによって常に位置情報を車載端末に記録できます。
導入の効果
燃費10%削減、事務作業の大幅な効率化、
安全への意識高揚、現場データの経営判断への活用
[写真]車載端末
早期導入された北海道ではすでに燃費10%削減という効果もあらわれています。「導入当初、全社で燃費10%削減という目標を掲げています。私はそれ以上の数字がでるのではないかと考えています。省燃費はコスト面だけでなく環境対応面でも大変有効です」(澤田氏)。
費用対効果で燃費削減とともに大きなポイントとなる事務作業の効率化について澤田氏は「今までドライバーが手書きしていた日報の枚数は年間400万枚にも及び、日報を書くのに1件当たり約20分を要していました。また運行管理者はアナログタコグラフのチャート紙を読み取り、日報と照らし合わせて違反ポイントを見極めていました。手間もかかり、経験や勘も要します。新システムの導入により日報、安全運転確認書は自動発行されます。運行管理者は数値化された共有データをもとに迅速かつ的確な指導が行えます。データは運転状況の把握や勤務時間の管理、給与計算などにも利用でき、間接コストの削減にもつながります。将来的にはペーパーレスも視野に入れています」と語ります。
また、ドライバーの安全運転への意識改革も効果が現れ始めています。「ドライバーと車両に関する共有データのもと、ドライバーも管理者も経営サイドも共通の認識がもてます。ドライバーに対してはその日の運転を点数評価した帳票もでます。客観的なデータをもとに自分の運転の傾向やクセを修正することもできます。想像以上だったのはドライバー同士で競争心が芽生え、現場に活力が生まれてきたことです」(澤田氏)
経営的側面からは事務作業を大幅に軽減しつつ、現場のデータを経営判断にスピーディーに活用できる環境が整えられたことは大きなメリットです。
「データの中身を見ながら、積載効率、実車率、稼働率をあげていく。時間管理の観点から超過勤務を減らしていく。現場でのICカード入力と同時に、瞬時にデータが得られ、経営のスピードアップや多彩な帳票出力による多角的な分析も可能になります」(三浦氏)。
情報公開が基本となっており、本社、支社はもとより各課所においてもすべてのデータを見ることが可能です。今後は、稼働率や燃費など支店同士の競争も期待できます。
将来の展望
グループへの導入、計画系システムや他システムとの連携
グループ、系列会社、関係会社への導入も来年度から実施していく予定となっています。また、現在、開発を進めている計画系システムをはじめ、既存の運行管理システムや他システムとの連携も今後の課題です。
「現場の、管理者の意識を変える。今回のシステムは効率化を実現するだけでなく、業務改革的な意味合いも含んでいます。輸配送品質を確保し法令遵守の徹底をはかり、それが品質のさらなる強化につながり、お客様によろこばれる結果へと結びついていく」(三浦氏)。
経営改革のテーマ「改革と創造、お客様とともに」の実現に向け、積極的なIT活用で新たなチャレンジをスタートさせた日本通運様。物流業新時代の可能性をこれからも富士通は先進技術と総合力で支えてまいります。
【会社概要】
日本通運株式会社
- 所在地: 〒105-8322 東京都港区東新橋1丁目9番3号
- 代表取締役社長: 岡部正彦
- 設立: 1937年(昭和12年)10月1日
- 資本金: 701億7千5百万円
- 従業員数: 40,081人(事務系: 19,250人、技能系: 20,831人)
- 事業内容: 物流事業全般 及び関連事業
- ホームページ: 「日本通運株式会社」ホームページ
【お問い合わせ】
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