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トップは語る こぼれ話

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取材時にお伺いしたものの会報Familyで掲載しきれなかった話題をピックアップ。
各分野で活躍中のトップの、仕事時間以外の横顔をご紹介いたします。

【2012年度 CONTENTS】


会報 Family 350号 森下仁丹株式会社

いつも少年の心を持って

森下仁丹株式会社 代表取締役社長 駒村純一 氏

ご自分を称して「人と同じことがいやなへそまがり」とおっしゃる駒村社長。他人のやりたがらないことを率先して手がけたり、意表をついた着想が好きで、どうしたらサプライズなことができるだろうと日頃から智恵をめぐらしているそうです。


イタリア ミラノ中央駅 by thiswholeworld

海外勤務のご経験が長い駒村社長ですが、なかでもイタリアが一番長く14年過ごされました。イタリアには世界でも指折りのファッション都市ミラノがあり、伝統あるテーラーや有名ブランドが軒を連ねますが、そこは「人と同じことがいや」な駒村社長のこと。名だたるブランドショップには眼もくれずにご自分のお気に入りのお店を見つけては、オリジナルなファッションを楽しんでいらしたそうです。洋服選びは大好きでストレス解消にもなるとのことで頻繁にお店を訪れますが、ブランドに傾倒して蘊蓄(うんちく)を語るのは好きじゃないし、必要以上に値の張るブランド品に食指が動くことはない!とキッパリ。駒村社長は、世間の評判やブームとは別の視点で物事を判断する独自の価値基準をお持ちのようです。

一つのことに夢中になる性格や自分のことを自分で決めて他人にあまり左右されないというスタンスは、どうやら駒村社長が子どもの頃から身につけたもののようです。小さな頃から負けず嫌いで、友達に負けたくないと必死になって勉強し、有名私立中学に複数合格すると、まる2日悩みに悩んだあげく、誰に聞くでもなくご自分の意思で1校を選択したとか。何事につけ真剣に取り組む姿勢はたとえゲームであろうと同じで、麻雀やブリッジはとことん勝ちにこだわって勝負するそうです。

こうしたエネルギッシュでアクティブな駒村社長ですが、その反面、意外にも何もしない休日も多いとおっしゃいます。サッカー少年でもあったことから、テレビでのスポーツ観戦は休日の定番。サッカーの中継はもちろんのこと、野球ではご贔屓(ひいき)の巨人戦を観るのが楽しみだとか。休日は「ごくごく普通のオヤジ」であり、ストレスをためずによく眠ることを一番にこころがけている、と表情をゆるめます。


新幹線N700系 by Dakiny

先入観や執着心を捨てて、子どものようにものごとを自由に感じとり、自分が信じたことをどこまでも追求する姿勢が駒村社長自身のこだわりなのでしょう。あと5年のうちに是非やりたいことをお尋ねしたら「新幹線の運転手」というお茶目な答えが返ってきました。


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会報 Family 349号 株式会社TTK

海も山も川も優しく人を迎える

株式会社TTK 代表取締役社長 土肥幹夫 氏

伊達政宗が開府した仙台は、武士の割合が日本一多い「武士の都市」でした。杜の都と称される樹木の多さも、もともとは防風・防雪・防火対策として武家屋敷のまわりに植林が奨励されたことが発端だともいわれています。
自然のめぐみを存分にその懐にかかえる仙台市は、非常に住み心地の良い街だと土肥社長はおっしゃいます。普段はジョギングやゴルフで気持ち良く汗を流すことが多く、おそらく樹木に浄化された新鮮な空気が活力をあげてくれるのでしょう。

近隣に多くの名湯があるのも仙台の魅力の一つ。なかでも秋保(あきう)温泉は仙台市内から車で20~30分という好立地にあるため、日帰りでお出かけになることも多いそうです。聖徳太子の祖父にあたる欽明天皇(在位539年~571年)が難治性の皮膚病に罹った際、秋保の湯を取り寄せ沐浴したところ数日で全快したといわれ、以来、秋保温泉は皇室の御料温泉の一つとして位置づけられる名湯となりました。泉質が柔らかで湯あたりしないため、のんびりと長湯をするにはもってこいだとか。

もちろん仙台の魅力は温泉だけにとどまりません。食の宝庫でもあります。全国的に有名な牛タンや山菜などの山の幸、そして何といっても豊かな海産物が獲れる漁場があります。特に宮城産の牡蠣が大好物とおっしゃる土肥社長。東日本大震災によって宮城の牡蠣養殖は大きなダメージをうけましたが、奇跡的に残った種牡蠣から養殖が再開され、来年になれば、収穫できる大きさに成長するそうです。実は、世界的な牡蠣の名産地、仏ブルターニュの牡蠣は宮城種だそうで、これは約40年前にウイルス性の病気でブルターニュの牡蠣が壊滅状態になった時に宮城産の種牡蠣がこれを救ったのだとか。

そして、これらの美味しい食を引き立てるご当地の日本酒。土肥社長に特におすすめの銘柄を伺いました。

・伯楽星(新澤醸造店)
・綿屋(金の井酒造)
・日高見(平孝酒造)

いずれも飲みやすくきれいな酒質でありながら芯もあり、だからといって料理を邪魔するような香りはなく、引き立て合うお酒だそうです。なかなか全国的には出回らないそうなので、仙台に立ち寄った時にはぜひ試してほしい、と土肥社長。
やはり、豊かな森がきれいな川を作り出し、漁場へ注ぐのと同時に、美味しい日本酒を生み出すことへとつながっていくのでしょう。“住みやすい街”という土肥社長の言葉に、なるほど、とうなずかされます。



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会報 Family 348号 井村屋グループ株式会社

愛すべきセンスある故郷、津市

井村屋グループ株式会社 代表取締役社長 浅田 剛夫 氏

浅田社長は、井村屋グループの本社がある三重県津市のご出身。社長就任とともにおよそ40年ぶりに故郷へ戻られました。40年の間に、街並みはずいぶん変わったそうですが、全体的な雰囲気は、浅田社長が子どもの頃とそれほど変わらないとおっしゃいます。安心できる、居心地の良い空気がいまも流れているのを感じるそうです。

津城は、築城の名手とうたわれた戦国武将、藤堂高虎が建設したことでも有名です。高虎は津城を中心とした城下町の発展を振興し、伊勢神宮の街道を城下に引き入れるなど交通の要衝として街道を整備しました。そのおかげで津は参宮街道の宿場町としても大いに栄え、「伊勢は津でもつ、津は伊勢でもつ」と伊勢音頭にもうたわれるほど、急速な発展を遂げたのです。

浅田社長の本籍は「三重県津市丸之内本丸」という、まさにお城の中。藤堂高虎にはひとかたならぬ愛着を感じていらっしゃいます。藤堂家の先祖代々の墓は津市の市中にある寒松院にありますが、ここにも何度かお参りをされたそうです。
浅田社長が津に愛着を感じるのはもちろん故郷ということもありますが、芸術性や文化性が高い土地柄で、食文化も豊かなところも非常に魅力的なのだとおっしゃいます。

川喜田半泥子は、津市に本店を置く百五銀行の第6代頭取で、実業家として並外れた手腕を発揮した人物ですが、一方では北大路魯山人と並び称されるほどの優れた陶芸家でした。たくさんの作品を創り上げましたが、あくまでも趣味としての立場を貫き、生涯一度も作品を売ることはありませんでした。こういう人物を生み出す土壌が津にはあるのだと思う、と浅田社長。

また、美術館巡りが趣味のひとつとおっしゃいますが、それは井村屋グループ創業者の井村二郎氏とともにシカゴ美術館を訪れた際の出来事が発端だったそうです。シカゴ美術館には、浅田社長が中学の教科書で見たことのあるゴッホの自画像が展示してあったのです。原画を見て感動を覚えて以来、世界三大美術館*はもとより、国内外の出張先でも時間がある限り必ず美術館に立ち寄られるとか。現在は、三重県立美術館協力会の副理事長も務めておられます。

そして、かつては芸者衆も大勢いて芸能文化が盛ん、料亭もたくさんあった津市は、その歴史をひき継いで、食べ物の美味しさも格別だそうです。一人当たりのうなぎの消費量は全国一、素晴らしい伊勢湾に恵まれ海鮮料理もバラエティに富みます。井村屋では数々のアイデア商品を生み出していますが、天むすやいちご大福というユニークな食べ物も、実は津が発祥の地。やはり、何か新しいもの、独創的なものを生み出す土壌が津にはあるようです。

 


*世界三大美術館:パリのルーブル美術館、サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館



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会報 Family 347号 頸城自動車株式会社

本の虫

頸城自動車株式会社 代表取締役社長 大竹 和夫 氏

現在1万冊以上もの蔵書をお持ちだという大竹社長。折りをみて少しずつ処分なさっているそうですが、新しい本がまた増えるので、総数はなかなか減らないとおっしゃいます。読書好きは子どもの頃からで、現在でも月に10冊以上の本をお読みになります。ジャンルにこだわりはなく、実用書から歴史書や専門書まで、興味を惹かれるものがあれば、とにかく手にとって読んでみる“雑読系”だとか。好奇心旺盛なお人柄がしのばれます。

地元の本屋さんには数えきれないほど足を運んでいるので、どの書店にどのような傾向の本が多いか、またどの分野の本がどの本棚にあるかなどは熟知されています。ご出張先でも、喫茶店より先に書店が目についてしまうようで、時間があれば必ず立ち寄ってチェック。背表紙を眺めるだけでも楽しいとおっしゃいます。本屋巡りはもはや大竹社長の生活の一部となっているのかもしれません。

お薦めの本をお伺いしたところ、「読書は人それぞれだから、たとえ自分が面白いと思っても決して人には薦めません。読みたいものを読みたい時に読む、そういう自由度が読書の醍醐味ですから」というお答えが返ってきました。
それでも最近特に心を惹きつけた本として「編集手帳(注)」をあげてくださいました。「編集手帳」は、読売新聞の論説委員 竹内政明氏が朝刊一面に掲載しているコラムの名称で、半年ごとに新書1冊にまとめられ出版されています。限られた文字数の中にホットな話題を取りあげ、さらに関連するでき事や事象、文化などを盛りこみ、これを巧みに著者自身の考えに導いていく手法は見事だとおっしゃいます。ご自分が文章を綴る際も参考にされるそうです。




仕事柄、旅行関係のガイドブックもつぶさにご覧になるそうですが、少し不満なのは地元の上越に関する情報掲載が少ないこと。例えば、桜の名所を載せた数多くのガイドブックを見ても、日本三大夜桜のひとつとうたわれる高田公園の桜が載っているものは数えるほどしかない、と嘆かれます。
高田公園のソメイヨシノはおよそ4000本、それを3000個のぼんぼりが映しだし、さらにライトアップされた高田城三重櫓(やぐら)が浮かび上がるさまは、まさに三大夜桜の名に恥じない幻想的な眺めだそうです。それなのに、掲載されているガイドブックが少ないのは、やはりPRが下手なのかな、と大竹社長。上越の名所がもっとクローズアップされ、観光客が増える仕組みも考えたい、と力強くおっしゃってくれました。


 


注:『竹内政明の「編集手帳」<第1集>』(中公新書ラクレ、2002年)から始まり、現在、第21集(2012年2月発行)まで続いている。なお、第3集からは『読売新聞朝刊一面コラム 編集手帳』と改題されている。



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