おサイフケータイ
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ポケットから財布がなくなる日は来るのでしょうか。
おサイフケータイはモバイルFeliCa対応端末おサイフケータイは、JR東日本のSuica(スイカ)、JR西日本のICOCA(イコカ)や、ビットワレットのマネーカードEdy(エディ)等に採用されているFeliCa(フェリカ)という非接触型ICカードの一種です。非接触型ICカードは、カードリーダーライター(カード読み取り・書き込み装置)にかざすだけでデータを読み書きできるカードです。磁気カードのようにカードリーダーライターに接触させたり、差し込んだりする必要がないので、振動やホコリに強く、スピーディーに読み書きできる特長があります。 FeliCaカードの構造チップ1個とアンテナが1枚のカードに収められています。 ICカードとリーダー/ライター
電源はなく、ICカードリーダーライターのアンテナから発射される電波で、カード側のアンテナに生じる起電力で動作します。ICカードリーダーは、カードの検出・認証・読み書きをわずか0.1秒で行います。 以上はICカードのFeliCaのお話しですが、おサイフケータイに採用されているモバイルFeliCaも非接触・読み書きのメカニズムは変わりません。 FeliCaとモバイルFeliCaの違い大きく異なる点が2点あります。 もともとFeliCaは柔軟性・拡張性が高い仕様といわれており、それに非接触ICのリアル連携処理、携帯電話のネットワークとの結びつき、アプリケーションの追加などを実現したのがモバイルFeliCaです。ですから、おサイフケータイが秘めている可能性は結構大きいのです。
おサイフケータイはどう使う電子マネーのEdyを例に、おサイフケータイで買い物をするための準備作業を説明します。 対応機の選択2006年8月現在、おサイフケータイ対応機種は、DoCoMo 18機種、au 10機種、Vodafone(2006年10月1日より、ブランド名をソフトバンクに変更の予定)5機種がラインナップされています。目印は次のロゴです。おサイフケータイには、携帯電話キャリア3社で共通のロゴを使っています。 購入時には特におサイフケータイだからといって特別なことはありませんが、JR東日本のモバイルSuicaにのみ対応していない機種(※)があるので、注意してください(※※)。 ※2006年8月末現在、DoCoMoで4機種、auで4機種、vodafoneは5機種ありますが、販売終了や新発売がありますので、未対応機種はほぼ毎月変わります。ご検討される場合には、店頭または最新のカタログなどでご確認ください。※※JR東日本が求める通過性能基準を満たしていないとされた機種で、おサイフケータイとしては何の問題もありません。 第一段階:初期設定新品のおサイフケータイは、普通の携帯と同じです。買い物はできません。最初に、おサイフケータイ用に初期設定を行います。どのおサイフケータイにも標準搭載されている電子マネーEdyアプリで初期設定を行います。 初期画面 初期設定を終えると、「店頭でのEdyチャージ(入金)」、「店頭での支払い」、「Edyギフトの受取り」、「残高・履歴照会」ができるようになります。 第二段階:サービス登録再び、電子マネーEdyアプリでサービス登録を行います。登録は無料です。登録後は次の機能やサービスが利用できるようになります。 サービス登録選択画面 第三段階:チャージ(入金)おサイフケータイにお金を入金します。以下の6通りの方法があります。1回の入金額は最高25,000円です。店舗によってはチャージャー(自動入金機)の制限で10,000円が上限の場合もあります。残高の上限は50,000円です。
支払いと残高確認支払時には、読み取り用の端末のEdyマークにおサイフケータイを軽くタッチさせるだけです。迅速かつ快適に支払ができます。入出金の履歴や残高は、パケット通信が可能であれば、Edyアプリで簡単に、おサイフケータイの画面に表示させることができます。 意外に大変−普及へのカギは導入の簡素化Edyアプリはおサイフケータイに標準搭載されており、使えるまでの手順も比較的簡単な部類です。他のサービスを利用するためには、「申し込み」、「アプリケーションのダウンロード」、「初期設定」、「登録」を経てやっと使用可能になるのが普通で、通話とメールだけで携帯を利用している人には、かなり高いハードルです。導入の簡素化は普及へのカギになりそうです。
安心して使えるかもう一点、普及のカギになるのが、安心して使えるかどうかです。実際におサイフケータイを所有するOLのうち、おサイフ機能を使っているのは33.6%にすぎないというアンケート結果(※)があります。別の意識調査では「おサイフケータイは不安」が58%に達した例もあります。(※※)紛失したらチャージしたお金は戻らない、故障や機種変更はなるのか、といった不安があるようです。おサイフケータイは財布であると同時に携帯電話です。電池切れ、機種変更、故障はつきものです。紛失や盗難も考えられます。「おサイフケータイ」はそのときどうなるのでしょうか。 ※サンケイリビング新聞社のOLマーケットレポート/電子マネーについてのアンケート※※アイシェア 携帯電話に関する意識調査(japan.internet.com 2006年2月10日の記事 電池切れ−切れた直後はまだ使えるモバイルFeliCaは微弱な電力で動作しますので、通話ができなくなっても電池が完全に放電していなければ動作します。電池を取り外したり、完全に放電したりすると動作しません。ちなみに携帯電話の電源を切っていてもおサイフ機能は使えます。 機種変更は前後の手続きが必要Edy、モバイルSuicaは、どちらも機種変更をする前に、オンラインで残高を残高情報センターのサーバに預けます。機種変更した後、新しいおサイフケータイにソフトと残高情報をダウンロードすれば前と同じように使えるようになります。 故障への対応はほぼ万全水没などの故障については、サービス提供者ごとに対応策が用意されています。Edyでは、事前登録が必要ですが「Edyレスキューサービス」で残額を付け替えることができます。モバイルSuicaは、センターに連絡して利用停止手続きをした後、残高や定期券を付け替えることができます。ポイントカードやマイレージ、電子チケットなどもサービス提供者ごとに対応は異なりますが、店舗へ持参するなどしてポイントの付け替えなどは可能なようです。 紛失・盗難への対応は厳しいサービス提供者によって対応が分かれます。Edyの場合は、紛失・盗難による補償はいっさいなく、運良く携帯電話が戻ってきても、使われていればチャージしたお金は戻りません。ポイントカードなども補償は難しいようで使われたポイントはほとんどの場合戻りません。 自己責任−紛失・盗難への備え利用する端末が多機能、多用途になるにつれ、紛失や盗難による損害は大きくなります。
おサイフケータイの将来「多用途化」、「ポストペイ型へ」、「多機能化」をキーワードに、おサイフケータイのこれからを考えてみます。 多用途化現在、おサイフケータイの用途は電子マネーが中心です。自動販売機、一般商店やコンビニ、量販店、レストラン、タクシー、公共交通機関、病院など、幅広い分野で利用可能です。
モバイルFeliCaは、柔軟で拡張性豊かな仕様と言われます。認証や識別をベースにしたあらゆる分野への適用が可能で、今後さらなる用途拡大が期待されています。 ポストペイ型へおサイフケータイの電子マネーはプリペイド型からポストペイ型へ移行しようとしています。 多機能化DoCoMoは2005年秋に「トルカ」を発表しました。 例えば、CDを購入しておサイフケータイで支払う時、自動的にそのアーティストのライブのクーポンを受け取るといった使い方ができます。2006年7月現在、目立った事例はありませんが、おサイフケータイが普及し、使用環境が整備されるにつれて応用事例が増えてくると思われます。 「小銭入れ」から「財布」へ現在、Edyカードの累計発行枚数は1920万枚、そのうちおサイフケータイは360万台です(2006年7月1日現在)。利用可能な店舗数は約35,000店です。使える店舗がまだまだ少なく、コンビニによって、使えるのがEdyのみだったりSuicaのみであったりして相互利用もできません。しかし、リーダーライターの共通化、サービスの相互利用、多種対応など、環境は徐々に整いつつあります。 モバイルFelica適用事例
参考URL「おサイフケータイ」は、NTTドコモの登録商標です。
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