JIS X 8341-3に対応したアクセシビリティ確保の取り組み
2010年8月20日に、日本工業規格のウェブ・アクセシビリティに関する規格「JIS X 8341-3 高齢者・障害者等配慮設計指針 - 情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス - 第3部:ウェブコンテンツ」の改正版(JIS X 8341-3:2010)が公示されました。この規格は、W3C (World Wide Web Consortium) の中の組織である WAI (Web Accessibility Initiative) によって策定された「WCAG (Web Content Accessibility Guidelines) 2.0 」 と国際協調しており、「WCAG 2.0」が定めたウェブコンテンツの達成基準をそのまま「ウェブコンテンツに関する要件」として採用しております。
JIS X 8341-3に対するこれまでの取り組み
富士通はJIS X 8341-3及びその協調関係にあるWCAG 2.0に対していち早く下記の取り組みを行いました。
- JIS X 8341-3:2004公示以前の取り組み (2002年~)
- WCAG 1.0を考慮した富士通ウェブ・アクセシビリティ指針 第1.0版を策定・公開(JIS X 8341-3:2004原案検討に活用)
- 日本規格協会INSTACの原案作成ワーキンググループに参加
- JIS X 8341-3:2004に対する取り組み (2004年~)
- JIS X 8341-3 改正のための取り組み (2008年~)
- 日本規格協会INSTACの改正原案作成ワーキンググループに参加
- 富士通日本ポータルにおける取り組み (2009年~)
- 富士通日本ポータル52ページに対し、WCAG 2.0に基づいた試験を実施
- 試験結果をリニューアルサイトの制作及び「ウェブ制作ガイドライン」の改訂に反映
- 社内実践のための取り組み (2009年~)
- 定期的なウェブ・アクセシビリティ情報共有会の開催
- JIS X 8341-3:2010を正しく理解する勉強会の開催
- イントラサイトでのJIS解説文書共有
- 適合・不適合事例の共有
- 診断ツールの開発
- チェックリストの開発
- WAIC(ウェブアクセシビリティ基盤委員会) の各ワーキンググループに参加 (2010年~)
- ウェブアクセシビリティ推進協会の設立に参加 (2010年~)
JIS X 8341-3:2010対応度表記ガイドラインに基づく対応表明
富士通日本ポータルはJIS改正公示前より順次リニューアルを進めており、その際には前述のWCAG 2.0に基づいた試験によって得られた結果を随時盛り込んでおります。リニューアルされたトップページに対してはJIS X 8341-3:2010に基づいた試験を実施しており、「一部準拠」であることを確認しております。
「一部準拠」は情報通信アクセス協議会ウェブ・アクセシビリティ基盤委員会「ウェブコンテンツのJIS X 8341-3:2010 対応度表記ガイドライン 第1版 - 2010年8月20日」で定められた表記によります。
(URI http://www.ciaj.or.jp/access/web/docs/jis2010-compliance-guidelines/index.html )
アクセシビリティ方針
目標とする等級の達成基準の試験結果(ページ単位)
追加表記事項
満たしていない達成基準とその理由
富士通日本ポータルのトップページでは、省スペースかつ目的のカテゴリへのアクセスのし易さ向上のため、Ajaxを採用したメニューとFlashを用いたコンテンツを実装しております。しかしながら、Ajaxのアクセシビリティに関するW3Cの仕様(WAI-ARIA)が草案段階であること、技術ベンダーにしか解決できない既知の不具合があること、ブラウザ及びスクリーンリーダーによるサポートが不十分であることといった理由から、2011年1月に試験を実施した時点では満たすことができなかった達成基準が幾つか存在いたします。満たしていない達成基準とその理由を以下に記します。
- 非テキストコンテンツ(達成基準7.1.1.1)
- Flashコンテンツ内の画像オブジェクトにはNameプロパティにて代替テキストを記述しておりますが、スクリーンリーダー及び音声ブラウザで読み上げられません。これはFlashコンテンツとヘッダー部にあるAjaxを採用したメニューを併用した際に起こる不具合が原因です。富士通では、技術ベンダーに対して不具合の原因確認と解決法の提示を依頼しております。なお、Flashを無効とすることにより、Flashで提供しているコンテンツと同じ内容をHTMLで閲覧することができます。
- テキストのサイズ変更(達成基準 7.1.4.4)
- Internet Explorer 6をお使いの場合には、ページ内のテキストを200%まで拡大することができません。本サイトのテキストを拡大して閲覧されたい方は、ズーム機能を搭載しているブラウザをご利用されること(Internet Explorerならば、Internet Explorer 7以上にバージョンアップされること)を推奨いたします。
- キーボード操作(達成基準 7.2.1.1)
- ヘッダー部のAjaxを採用したメニューは、マウスポインタでクリックするとサブメニューが表示されますが、多くのユーザエージェントでは本サブメニューをキーボードのみの操作で表示させることができません。W3Cが策定中である関連仕様(WAI-ARIA)の勧告化及びユーザエージェント(ブラウザ及び支援技術)によるサポート向上を待って、キーボードだけでも操作できるように再実装いたします。当面は、サブメニューで提供しているリンク項目のすべてをメニュー親項目のリンク先のページにて提示する代替手段の提供を進めます。
また、Flashコンテンツ上のボタンは、Internet Explorer以外のブラウザではキーボードだけで操作することができません。これはFlash Playerにおける既知の不具合であり、技術ベンダーによる不具合の解消後に再実装を検討いたします。なお、Flashを無効とすることにより、Flashで提供しているコンテンツと同じ内容をHTMLで表示し、キーボード操作でリンク先に移動することができます。
備考
- 「一時停止、停止、非表示(達成基準 7.1.2.2)」の判断について
- トップページには自動的に開始し5秒より長く継続して動くFlashコンテンツがあり、「一時停止、停止、非表示(達成基準 7.1.2.2)」の判断が必要になります。ボタン上にマウスポインタを置くか、又はキーボード操作でフォーカスをボタンに移動させることによって一時停止させることができるため、適合と判断いたしました。しかしながら、この操作方法が明示的に示されていないことについて判断が分かれたため、WCAGワーキンググループに現在確認中です。
準拠に向けたスケジュール
富士通は今後も継続してJIS X 8341-3:2010を「ウェブ制作ガイドライン」に取り込みながら、ウェブサイトのリニューアルを進めます。リニューアルされたウェブページに対し、第一段階としてまずは主要なページ(50ページ程度)のJIS X 8341-3:2010 等級AAへの準拠を目指し、2011年度末までに再度JIS X 8341-3:2010に基づいた試験を実施する予定です。