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仮想化導入の評価と成功のポイント

仮想化システムをご導入いただいたお客様の評価では、コスト削減、インフラ標準化の加速、サービス提供の迅速化と、大きく3つの項目に関して高く評価する声を多く耳にします。一方、仮想化の導入を検討する際には、「コスト削減効果が不明確」「仮想化機能に対して性能/信頼性面が不安」などいくつか課題も残されています。
仮想化システム導入の成功のポイントはどこにあるのか。富士通がこれまで培ってきた豊富な経験とノウハウのもと、成功に導く6つのポイントについてご紹介します。


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お客様が仮想化の効果を評価する3つの項目

仮想化もいよいよ本格的な普及の時代を迎えています。富士通の仮想化ビジネスも、UNIXサーバや基幹IAサーバなど基幹サーバによる仮想化は着実に浸透しており、現在、PCサーバと仮想化ソフトウェアによる仮想化ビジネスが急速に成長しています。

仮想化システムをご導入いただいたお客様はどういうところに効果を実感されているのか。その声をまとめてみると、次の3つの効果に対する評価が顕著です。

1. コスト削減効果が大きい

仮想化によりサーバ集約をおこなうことでサーバ台数を大きく削減でき、運用管理コストも含めてIT支出を大幅に抑制できます。コスト削減効果は、即効性のあるメリットであり、多くの企業が仮想化の目的に掲げる項目です。
また、旧資産の延命や資源利用率の向上、電力削減(CO2削減)、省スペース化など、さまざまなシーンでTCO削減がはかれることも仮想化の特長です。

2. 仮想化はインフラ標準化を加速する

部門ごとにサーバが分散している状態では、情報システム部門がすべての業務システムの上流工程に関与することは難しく、ITガバナンスの推進を阻む要因にもなっていました。仮想化を活用してサーバの集約をはかることで情報システム部門主導でのアーキテクチャーの選定を実現できます。また、仮想化では、OSやミドルウェアをテンプレート化し、仮想サーバ上でシステムを動かすため標準化も大きく前進します。

3. 業務部門への迅速なサービス提供

新規サーバの導入において、従来、見積もりやハードウェアの手配などで1~2カ月を要していましたが、仮想化システムの導入により新規サーバの導入もファイルの複製で実現できるため、開発作業の大幅な効率化ができます。書類申請や簡単な設定だけで1~2日のうちにサービス提供が可能となり、業務部門が必要なときにタイムリーにリソースを提供できます。

上記、2. と3. は相乗効果も生み出します。必要なとき速やかにサービスを利用できる利便性から利用者が積極的に使っていくことで標準化が進んでいきます。ITガバナンスの強化面でも仮想化の貢献度は高いという情報システム部門の声も多く耳にします。仮想化の効果拡大に標準化は不可欠です。また仮想化の導入は標準化を進めるチャンスにもなります。

お客様の仮想化システムに対する評価

  • コスト削減効果が大きい
    • TCO削減 30~50%
    • アプリケーション延命によるシステム更新コストの低減
    • 電力削減(CO2削減)への効果
  • 仮想化はインフラ「標準化」を加速する
    • 部門別に分かれたサーバを統合することで、情報システム部門主導でのアーキテクチャー選定が可能
    • VMwareのカプセル化機能により、カスタマイズ済みOS/ミドルウェアをテンプレート化し、標準化を実施
  • 業務部門へのサービス向上
    • サーバ利用開始期間の大幅短縮(通常1~2カ月が、仮想化実施で1~2日に)
    • 実用上十分な可用性確保

仮想化システム導入を成功に導く6つのポイント

仮想化の導入効果を評価する声の一方で、「コスト削減効果が不明確」「仮想化機能に対して性能/信頼性面が不安」「適用領域と製品選定が難しい」「運用管理の複雑化」「ハード故障時の影響範囲」など、仮想化の導入に際して課題が残されているのも事実です。

仮想化システム導入の成功のポイントはどこにあるのか。富士通がこれまで培ってきた経験とノウハウのもとにまとめた成功の6つのポイントは次の通りです。

1. 目的と優先順位の明確化

前述のように仮想化はさまざまなIT課題を解決できます。しかし、解決する課題によってはコストメリットが減少する場合もあります。仮想化で何を解決するのか。目的と優先順位を明確にし、軸がぶれないようにすることが大切です。以下、優先順位の例です。

  • コスト: 一次費用、運用費用、保守費用など
  • 運用性: 監視運用、バックアップ方式、保守作業など
  • 可用性: HA(High Availability、高可用性)(注1)、クラスタリング(注2)
  • 将来の発展性: DR(Disaster Recovery、災害対策)(注3)、標準化策定など

2. 仮想化の対象システムと製品選定

サーバ、クライアント、ストレージと、仮想化をどこまでおこなうのか、またどこまでできるのか。目的やニーズに応じて、性能、機能、可用性、拡張性などを検討し、対象システムや製品の選定をおこないます。

3. コスト削減の効果試算

サイジング(メモリ、CPU性能、使用ストレージ容量)や現行資産稼働率などから仮想化した際のコストシミュレーションを実施。あわせて運用に関わる現状の工数の算出と仮想化した後の工数の算出から、運用コストの試算をおこないます。

4. 標準化

将来を見通した統合計画を策定し運用方式の統一をはかり、サーバ、ストレージ、ネットワークの各分野横断的にインフラ全体での最適化を目指します。また、あわせて導入プロセスの標準化も進めていきます。

5. 事前検証と移行計画の策定

仮想化の効果を事前に確認するうえで、また仮想化導入への不安を払拭するためにも事前検証は重要です。事前に課題がわかれば対応策も迅速に打つことができます。

6. 運用体制の確立

仮想化によりシステムを統合することで全体的な運用工数は軽減できます。しかし、インフラ部門に運用が集中し、負担が増加するケースもあります。運用スタッフのリソース配分の最適化や運用スキルの向上をはかることも大切です。

仮想化は導入するまでにいくつかの課題を解決する必要があります。しかし、一度、導入すれば、お客様自身で事業環境の変化に合わせ、アプリケーションに手を加えることなくインフラの設定だけで拡張、縮小が簡単にできます。中長期的にコスト削減と競争力向上の両面で大きく貢献する点も仮想化の大きなメリットの1つです。

注記

(注1)HA(High Availability、高可用性)とは :
ダウンタイムを最小限にし、高可用性(高稼働率)を実現するシステムの総称。
(注2)クラスタリングとは :
Clustering。独立して動作する複数のコンピュータを相互に接続し、あたかも1台のコンピュータであるかのように利用する技術。任意のコンピュータがダウンしても、ほかのコンピュータがその処理を引き継ぐことで、全体としての処理は中断されることがないため、システムの信頼性を大幅に向上させることができる。
(注3)DR(Disaster Recovery、災害対策)とは :
予期しない災害(地震、火災、水害、テロなど)によって引き起こされるシステム障害を復旧・修復すること。

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[2009年7月1日 公開]

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