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第3回 『体力をつける仕掛け ITを人材強化に使え!』

多くの企業が効率化・販売強化にITを使うようになっています。人材強化面では、e-ラーニングが進行してきました。大手企業は、新入社員や中堅クラスの基礎教育にe-ラーニングを積極的に利用しています。
また、一方ではIT導入と共に、より付加価値の高い仕事にシフトし、1人当たりの付加価値生産性を向上させることを重視してきています。
社長として、ITを駆使して、より成長できる企業を作り上げる仕掛けを、人材強化の面からお話します。

ITを活用して、人の付加価値を高める

企業がITを導入する目的の幅がどんどん広がってきています。最近では、ERPシステム(基幹業務の統合システム)を導入し、情報の一元化による効率化が進行しています。大手企業はさらに一歩進んでSCM(サプライ・チェーン・マネジメント)の導入も進行しつつあります。
このようなシステムを導入すれば、人員の削減、最適情報の取得、課題の早期発見、スピード経営、ロスの削減、最適調達など大きなメリットを得ることができます。
もちろん、導入したらとことん利用することですが。

システムがどんどん導入されれば、従来と全く違った仕事に就く社員も出てきます。
例えば、経理や総務の社員を営業や販売促進に異動したり、商品企画部門に異動させたりすることなどがあります。間接部門をよりスリム化し、その人材を売上強化に回します。
一方、企業内に溜まった情報を分析・加工し、明日の行動に繋げるいわゆるナレッジマネジメントに利用し、売上拡大や商品開発をどんどん進める社員も増加します。
結果、『できる社員』を増加させることができ、1人当たりの売上や付加価値を向上させます。
また、活動ごとの付加価値を高めることも可能になります。活動とは、仕事の範囲の中を『活動』という切り口で細分化した行動のことです。
毎日の仕事の中でも、随分ロスの多い活動(不得手)と有益な活動が入り混じっています。例えば、商品開発であればアイデアは豊富に出るが、それを具体化するのに時間がかかる場合、具体化するのになぜこんなに時間がかかるのかを分析します。そして、社内にあるコンピテンシー情報(できる人の行動をモデル化)から、自分にあった手法を選択し、応用することです。
経理や総務の社員が営業に異動した場合、全く営業経験が無いと不安になります。このような場合、コンピテンシー情報を社内で完備することによって不安が減少し、早期に成果を出すことができます。

社長は、ITを積極的に利用して『人材強化』を仕掛けることができます。それは、ナレッジマネジメントに繋げる情報やコンピテンシー情報を、社員がいつでも取り出すことができる『システム』として用意することです。

競争激化の時代には、1人当たりの付加価値をいかに高めるかにかかってきます。
ある企業では、営業1人が同業他社の10人分を稼いでいます。その企業は毎年、売上も利益も過去最高の更新をし続けています。どうしてそんなことができるのでしょうか。
以下の4つの点を実行しているからです。

  1. 人の採用は極力控える
  2. 事務も多能工化させている
  3. 1人1人が工夫と努力で乗り越えている
  4. 必要な情報は即取り出すしかけがある

e-ラーニングと社員の学習意欲

e-ラーニングが新入社員教育にどんどん取り入れられてきています。開発言語学習とか簿記などいわゆる仕事の基本となる部分に導入されています。サービスマナーなど接客系も出てきています。
新入社員教育には多くの時間と多くのカリキュラムで費用をかける企業が多くなっています。しかし、もっとも学びたがっているのは実は中堅社員なのです。
中堅社員は、会社から大きな期待をかけられる中、どんどん変化する顧客や市場、社内の再編に自分の力が果たしてどこまで通用するかという不安を抱えています。
資格取得目的の専門学校が大きく業績を伸ばしてきています。20代後半から40代のサラリーマンが土日になると専門学校に通う人が増えてきました。リストラが進行する中、自分の将来に不安を覚えとにかく資格を取ろうと頑張っています。
企業によっては、特定の資格を奨励し積極的に費用を出す場合があります。それも現在の業務とは全く関係の無い資格でも本人の希望で取らせるのです。
今の事業には全く無関係でも、将来の新事業にひょっとしたら役立つかもしれないから企業が応援します。
最近は資格取得のためのe-ラーニングも始まっています。e-ラーニングは、今後どんどん拡大される可能性が高いでしょう。
企業がeラーニングに積極的になるには、

1.いつでも学ぶことができる
2.費用が安い
3.結果が分かるなどです。

ブロードバンド化によって、インターネット環境が整ってきたこととコンテンツが豊富になってきたことで今後、e-ラーニングを取り入れる企業も増加するでしょう。
企業は業績が向上してくると次の成長のためにさまざまな投資を行います。
その中でもITに対する投資は今後ますます必要になってきます。その場合、IT導入と人材強化はセットで考慮することも重要です。

著者プロフィール

伊神純子(いかみじゅんこ)
アップ経営コンサルタント株式会社 代表取締役
1985年サン電子株式会社入社、財務経理、システム企画、上場準備を経験。2000年アップ経営コンサルタント株式会社設立。中堅企業むけ経営戦略・成果主義人事・売上拡大・IT導入・開発生産改革等のコンサルティング実施。大手企業むけ管理職の部門戦略研修等を実施。 中小企業診断士・ITコーディネータ。
http://upkei.jp/

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