Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

  1. ホーム >
  2. 富士通ジャーナル >
  3. 経営お役立ち情報 >
  4. 元気印企業の経営戦略に学ぶ >
  5. 第132回 「イデシギョー」(ポケットティッシュ日本一)と「カイハラ」(デニムの雄)の経営に学ぶ…その1

第132回 「イデシギョー」(ポケットティッシュ日本一)と「カイハラ」(デニムの雄)の経営に学ぶ…その1

積極的な設備投資で勝ち残る

ポケットティッシュ生産量日本一の「イデシギョー」とブルージーンズ用デニムで国内シェアが50%を超える「カイハラ」。前者は製紙業、後者は繊維産業と、極度に厳しい業界にありながら、両社ともに好業績を上げている。そんな両社には、生産、営業両面にわたって見事なまでの共通項がある。

まず、両社トップの言葉を紹介しよう。

「利益が出たら、ドンドン新しい機械を買いました。他の会社は、株を買ったり土地を買ったりしていましたが、うちは違います。株も土地も買わず、全部機械に投資してきました。利益を税金として支払うのなら、設備投資をしたほうがいいじゃないですか。半分は税金で設備投資できるようなものですから…。戦争だって守りで勝つことはありませんから、攻めないとね」(イデシギョー 井出純一会長)

「カイハラは歴史的に設備過剰型です。銀行さんからも設備投資が多いといわれたりもします。しかし、この過剰ともいわれる設備投資があるからこそ、いまのカイハラがあると思います」(カイハラ 貝原良治会長)

イデシギョーの場合、毎年10億円程度の設備投資を行い、毎年8億円から10億円程度の減価償却があるという。
カイハラは、1970年のデニム転換以降2004年までに360億円投資(この間の減価償却は277億円)していたのが、2005年以降でさらに150億円投入して設備の増強を図っていると聞く。

製紙業界、繊維業界ともに、高品質を追及しながら、一方で価格競争を強いられている厳しい事業で、中小企業では勝ち残れないといわれてきた。
現実に、イデシギョーが立地する静岡県富士市では、製紙業は地場産業といわれるほどに盛況だったが、いまでは中小メーカーの3分の一が廃業を余儀なくされ、辛うじて生き残った企業もまさに正念場を迎えていると聞く。日本における繊維産業の、とりわけ中小企業の厳しさはいうまでもないだろう。

そんな状況の中で、両社が元気印企業に成りえた一番の理由として、二人のトップが異口同音にあげるのが、「積極的な設備投資」なのだ。

製紙、繊維ともに典型的な装置産業である。そんな業界にあっては、品質と生産力をアップさせる一番いい方法は、最新の設備の導入である。ところが、多くの中小メーカーは資金面の問題もあって、設備投資には積極的になれないでいる。たしかに、ある日突然、競争力をつけたいと高額の投資をしようとすれば、当然無理がくる。しかし、どうだろうか、両社のように、会社が小さい頃から、設備投資を積み重ねてくれば、償却資産を持つ強みが大きく出てくるのだ。

井出会長に、なぜ、土地に投資しなかったのかと聞いた時の答えは、「土地は償却できないからね」というものだった。貝原会長にしても、減価償却については、会計士以上に詳しいと思える。
ただし、お金にものをいわせての設備投資だけでは、大手企業との競争には勝てない。両社ともに、設備導入前後に独自の取り組みを行なっているのだ。

「機械はお金を出せば買えますが、単純にメーカーが作った最新の設備をすればいいというものではありません。創意工夫と徹底的に使いこなす現場の力が必要です。既存の機械を、うちの現場から技術や発想を出して、日本に一台しかない機械に仕上げてもらいます。機械を変えないとつまらない。プラスアルファーをいくつ出せるかですよ」(井出会長)

カイハラの場合には、工場そのものを自社で設計するばかりでなく、自社で機械そのものを製作することもあるという。
この機械設備に対する高い意識と独自の取り組みが、両社を元気印企業に育て上げたと考えたい。

なお、両社には販売面でも独自の取り組みがあるのだが、その話は次回に……。

[2008年6月12日 公開]

著者プロフィール

疋田 文明(ひきた ふみあき)
有限会社 ABO
経営コンサルタント・元気塾主宰
日本交通公社(JTB)勤務後、中小企業経営者を対象とした各種セミナーの企画・運営会社等々を経て、1979年に竹村健一未来経営研究会を企画設立し事務局長に就任。1986年に竹村健一氏のもとから独立。現在、フリーランスのライターとして活躍中。
http://www.hikita10.jp

ジャーナル最新のテーマ

今月のテーマ ユビキタス ビジネス現場を革新するユビキタスソリューション 最適な端末/ネットワーク/サービスをご提供 続きを読む


今月のアンケート 集計結果は9月9日から毎週公開 Q:ノートパソコンや携帯電話などモバイル端末を業務で使っていますか? 回答する


お客様の声をお聞かせください

富士通ジャーナルに掲載している記事やコンテンツについてのご意見・ご感想を、ぜひお寄せください。

ご意見・ご感想フォーム いただいた、お客様の声


お寄せいただいたご意見・ご感想については、富士通からの回答をお約束するものではありません。ご了承ください。
なお、富士通からのご回答を必要とするお問い合わせについては、
富士通ジャーナルに関するお問い合わせをご利用ください。