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粗利55%超を誇るハニーズの経営
ハニーズの売れる商品づくりと売り切る仕組みづくり
イオン、イトーヨーカ堂といった大手量販店の衣料部門の不振が目立つ。ところが、今回紹介するハニーズ(福島県いわき市)は、大手量販店と同じくマスマーケットを対象にする婦人衣料専門店でありながら、急成長を遂げる注目すべき企業なのだ。
ハニーズで特筆すべきは、その経営効率の高さだ。2005年5月期決算は、405の店舗を擁して売上高298億円、営業利益は39億円。営業利益率は13%を超え、決算ベースで粗利が55、4%というのだから驚く。2006年5月期には528店舗で売上高415億円、営業利益66億円を見込むというのだから、群を抜く高収益企業といえる。
ハニーズがこれほどまでの企業になれたのは、同社ならではの「売れる商品づくり」と「売り切る仕組み」があってのことなのだ。
ハニーズの経営は月曜日からの一週間がひとつの単位となっている。基点となるのは、全国の店長から月曜日の朝一で届けられる「商品連絡表」だ。
「前週の月曜日から日曜日までの各店舗の売上データ等々がこの『商品連絡表』で報告されてくるのですが、私が重視しているのは、直接お客様と接点を持つ店長の生の声です。いい情報、悪い情報、今後期待する商品、厳しい商品等々項目はある程度決めてあるのですが、Aという商品の白は入荷してすぐに売れたとか、この商品はもっとなければ駄目だとか、店長の思いをそのまま書かせています」(江尻義久社長)
月曜日の午後一時からは、「商品連絡表」の情報をベースに商品会議が行われる。この会議では、前週の人気商品(枚数ベース)ベストテンと売上金額ベストテンの商品の現物を、本社の近くにある店舗からとりよせて、それらを眺めながら、「どういう傾向があるのか、なぜ売れているのか」等々について議論をしている。月曜日の商品会議の結果を持って、20数名のデザイナーとバイヤーが、火、水曜日と東京を中心に情報収集に励む。
木曜日は、朝から晩まで企画会議だ。
「生地屋の情報、メーカーの売れ筋情報等々も加味しながら、私どもが持つ4つのブランドごとに分けて、どんどん企画していき、即座に仕様書を書きます」
金曜日は朝から発注に入る。現在、ハニーズは、中国の生産会社20社程度と取引しているが、毎週金曜日に交互に4社程度の担当者がいわきまで受注に来るのだ。
「金曜日の午前中は、木曜日に書いた仕様書にもとづいて発注し、午後からは金曜日の午前中に書き上げた仕様書分を発注するのですが、これを毎週繰り返しで行っています。商品会議から情報収集、企画、発注までタイムラグがないというのが、うちの一番の強みです。発注した商品は早くて30日、遅くても40日後には納品されます」
売りきる仕組みについても、ハニーズは独自のスタイルを作り上げてきた。
例えば、ある商品を中国で一万枚生産したとすると、6000枚は中国の物流センターから直接店舗に納品され、残りの4000枚はいわきにある物流センターに納品される。
「4割を物流センターが在庫としてもっていて、例えば、旭川店でAが1枚売れれば、翌日には自動的に一枚追加で納入できる仕組みになっています。物流センターに在庫がなくなると、売れ残っている店の商品を、売れた店に移動させます。売れ残りそうだと思う店は払い出し要望書を、まだまだ売れると思う店は受け入れ要望書を定期的に出すようになっているのですが、売上の15%弱は、移動した商品によるものです」
動きの鈍い商品に付いては、10日ごとに価格を見なおすが、原則、製造に要する日数と同じ40日で売りきる。だからこそ、安く売りながらも55%を超える粗利と高い営業利益を確保できるのだ。
著者プロフィール
疋田 文明(ひきた ふみあき)
有限会社 ABO
経営コンサルタント・元気塾主宰- 日本交通公社(JTB)勤務後、中小企業経営者を対象とした各種セミナーの企画・運営会社等々を経て、1979年に竹村健一未来経営研究会を企画設立し事務局長に就任。1986年に竹村健一氏のもとから独立。現在、フリーランスのライターとして活躍中。
http://www.hikita10.jp
[2006年6月8日 掲載]
- 第109回 クロストレーニングのすすめ
- 第110回 粗利55%超を誇るハニーズの経営
- 第111回 「小さな巨人」――南武の経営に学ぶ
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