Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

「ミスミ」の持たざる経営に学ぶ

~人事、総務、経理、さらには情報システムまでをアウトソーシングして高効率経営~

「全社員公募によるチーム制」がミスミの躍進を支えていると書いた。しかし、そればかりで同社の高効率経営を説明することはできない。いまひとつ、ミスミを語るに際して外すことのできないキーワードがある。それが、「持たざる経営」だ。

前回紹介した「ミスミ」は230人で530億円の年商を上げている。一人当りの年間売上げは2億円以上。商社とはいえ、この効率のよさは群を抜いているといえる。なにがそれを可能にしているのか。キーワードは「持たざる経営」だ。

ミスミには、経理、総務、人事といった間接部門がない。すべてがアウトソーシングされているという。ミスミは40万点にも及ぶ生産財部品をカタログ通販している会社だが、10年近く前に、パソコン通信を利用しての受注をスタートさせている。その後、インターネットプロバイダーのニフティのサービスを活用し、いまは、ホームページを開設してウェブ上で受注を行っていて、月あたりの受注件数は100万レコードにもなると聞く。

ミスミは、日本では珍しいぐらいにITをうまく活用している会社といっていいのだが、自社の基幹システムから受発注のシステムまでのすべてをアウトソーシングしているのだ。月に100万レコードもの受注があるとすれば、普通なら、自前のサーバを用意しそうなものだが、ミスミはASPを活用しているというのだから、その「持たざる経営」ぶりは徹底している。

ミスミがIT関連の仕事をアウトソーシングするに至った経緯を、同社の情報ネットワークチームのチームリーダーを務める藤原一也さんは、次の様に説明する。

「ミスミでも、自分たちでインフラを整えて、お客様にキャドシステムを提供して、設計で使われたミスミの部品をそのまま発注してもらう仕組みを作ったことがあるのですが、費用も期間も人手もかなりかかってペイできなかったのです。そこでもっといい方法はと考えて、出てきたのがニフティさんのサービスを活用できないかということでした」

当初は、1400社にもなる顧客に発注用のパッケージソフトを配り、発注画面に記入して送信すれば、自動的に発注できるシステムだった。ただし、顧客には、ニフティを経由しているとは留意させないようにしていたという。それがいまでは、ウェブ上でと進化してきているのだ。

ニフティ経由の場合には、メールでミスミに注文が入ってくるだけに、リアルタイムで在庫の確認はできない。注文があれば、基幹システムに情報を流して納期等々の確認をとらないといけないから、顧客に回答するのに早くても2時間ぐらいの時間がかかっていた。それが、ウェブ化することで、リアルタイムで処理できるようになったのだ。

先にも書いたようにミスミほどのシステムになれば、自前のサーバをとなるのだが、外部のシステムを活用している。その理由を、藤原さんは、「もともと持たざる経営がベースにあります。自社で保有するよりは、外でいいものがあれば有効活用していこうという考え方です。自前でつくるよりは外の専門家がつくったいいものがあれば、1からつくるよりはいいことだろうと――」と説明している。

この「持たざる経営」が、230名の社員で530億円の年商を可能にしていると考えていただきたい。これまでの日本企業は、人も設備もすべてを自前で保有してきた。それが変化の激しい時代になり、なおかつ厳しいコスト競争力を求められて、重荷になってきているのだ。ミスミの持たざる経営に学ぶべき点は多いと思うがいかがなものか。

ちなみに、ミスミは、IT関連については富士通にアウトソーシングしていると聞く。興味ある方は富士通にお問い合わせいただければいいだろう。

著者プロフィール

疋田 文明(ひきた ふみあき)
有限会社 ABO
経営コンサルタント・元気塾主宰
日本交通公社(JTB)勤務後、中小企業経営者を対象とした各種セミナーの企画・運営会社等々を経て、1979年に竹村健一未来経営研究会を企画設立し事務局長に就任。1986年に竹村健一氏のもとから独立。現在、フリーランスのライターとして活躍中。
http://www.hikita10.jp

[2001年10月1日 掲載]

ジャーナル最新のテーマ

今月のテーマ:インフラ最適化 全社視点、経営視点で取り組む「インフラ最適化」 続きを読む


今月のアンケート Q:あなたの会社では「富士通のサーバ」をお使いですか? 集計結果は1月13日から毎週公開 回答する


お客様の声をお聞かせください

富士通ジャーナルに掲載している記事やコンテンツについてのご意見・ご感想を、ぜひお寄せください。

ご意見・ご感想フォーム いただいた、お客様の声


お寄せいただいたご意見・ご感想については、富士通からの回答をお約束するものではありません。ご了承ください。
なお、富士通からのご回答を必要とするお問い合わせについては、
富士通ジャーナルに関するお問い合わせをご利用ください。