Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

  1. ホーム >
  2. 富士通ジャーナル >
  3. 経営お役立ち情報 >
  4. 元気印企業の経営戦略に学ぶ >
  5. 求められるのは、ストック重視からフロー重視の経営への転換

求められるのは、ストック重視からフロー重視の経営への転換

~コンビニの商品開発に見る絶えざるチャレンジ~

バブル前後の日本の企業は、ひたすらストックを増やすことに力を注いできた。 しかし、今やストック重視の経営は崩壊してしまっている。キャッシュフロー経営は、主として経理・財務の分野でいわれるが、筆者は、フロー重視の考えは、経営のあらゆる分野で活かされるべきだと認識し、その実現のためのキーワードとして「絶えざるチャレンジ」を提唱する。

キャッシュフロー経営の重要さがしきりに指摘される。主としては経理・財務のありようが問われるのだが、筆者は経営のあらゆる分野にわたったフローが重要視される時代になったと認識している。バブル経済以前の日本の企業社会はストックに目が向いていた。利益で剰余金があれば、不動産や株を購入するといった具合に含み資産を増やすことに力を注いでいた。しかし、含み資産、いわゆるストックを持つ経営がいかに脆弱であるかは、ここ数年明確になってきた。そこで問われるのが、過去の実績に関係なく、これからキャッシュを稼ぐ力がどれだけあるかということ。これがまさにフロー重視の経営ということだ。

フロー重視の経営とは、現状に満足せずに、これから稼げる事業をいかに構築するかに尽きるのだが、そのためには、「ひとつの成功に満足せずに、絶えざるチャレンジをする。」ことが何より重要だと筆者は考えている。絶えざるチャレンジが業績を伸ばすことを、コンビニの商品開発を例に紹介したい。

コンビニの場合には、日配の食品が1日の売上の4割前後を占めている。とりわけ、弁当やお握りの米飯がよく売れる。そこでコンビニ各社は米飯の商品開発に力を入れるのだが、その売れ筋商品の寿命が年々短くなるばかりだというのだ。たとえば、新しく開発したお握りを売り場に出したとする。これはヒットしたと思えるような商品の平均寿命は1ヶ月半だと聞く。筆者は、複数のコンビニの経営幹部に聞いたのだが、米飯の平均寿命については全く同じ答えがかえってきた。

そこで対応策はということになるのだが、セブンイレブンを率いる鈴木敏文さんは、次のような考えを披瀝している。

「売れている商品があるうちに、次の商品をスタンバイさせておく。これの繰り返しです。売れなくなるであろう商品を引っ張るよりは、はっきりと見きって新しい商品を投入するほうが経営的にははるかに楽です。」

当然、息長く売れ、定番化していく商品も中にはあるが、基本的には今売れている商品はやがて売れなくなると考えて次の商品を開発する。これがあるから、消費不振の中で、コンビニが健闘できているともいえる。

この例はあくまでもコンビニの商品開発に過ぎないが、いいものがやがて駄目になるといったケースは、経営の世界ではいたるところに転がっている。会社の寿命そのものがそうだ。かつては30年といわれたものが、昨年には5年説がいわれている。今稼がせてくれる技術が、2年3年先の利益を保証してくれるわけではない。

経営のありようは、次の言葉に尽きると筆者は考えている。

「いいときに慢心せずに次なる手を打ち、悪いときに悲観せずに更なる手を打つ。」

ところが多くの日本企業は、ここ10年来、「いいときに慢心してバブルにまみれ、悪くなってからは悲観して愚痴ばかりをいっている。」といった具合に、全く逆の取り組みをしてきたとしか思えない。これでは個々の企業の業績が伸び、日本の景気が良くなるわけはない。紙数に限りがあるので具体的に解説はできないが、この連載で元気印企業として紹介した企業は例外なく絶えざるチャレンジをしてきたといっていい。

ところが、筆者が講演などでこの話をすると、「いいときから次なるものを構築せよとの話は理解できるが、現状は悪い、悪い状況下ではなにをすればいいのか。」という、質問が必ずといっていいほど出てくる。筆者はそういうときには、声を大にして、「悪いときには、いいとき以上のチャレンジをするしかない。それがいやなら企業家をおやめになったほうがいい。」と答えることにしている。

著者プロフィール

疋田 文明(ひきた ふみあき)
有限会社 ABO
経営コンサルタント・元気塾主宰
日本交通公社(JTB)勤務後、中小企業経営者を対象とした各種セミナーの企画・運営会社等々を経て、1979年に竹村健一未来経営研究会を企画設立し事務局長に就任。1986年に竹村健一氏のもとから独立。現在、フリーランスのライターとして活躍中。
http://www.hikita10.jp

[2000年9月23日 掲載]

ジャーナル最新のテーマ

今月のテーマ:インフラ最適化 全社視点、経営視点で取り組む「インフラ最適化」 続きを読む


今月のアンケート Q:あなたの会社では「富士通のサーバ」をお使いですか? 集計結果は1月13日から毎週公開 回答する


お客様の声をお聞かせください

富士通ジャーナルに掲載している記事やコンテンツについてのご意見・ご感想を、ぜひお寄せください。

ご意見・ご感想フォーム いただいた、お客様の声


お寄せいただいたご意見・ご感想については、富士通からの回答をお約束するものではありません。ご了承ください。
なお、富士通からのご回答を必要とするお問い合わせについては、
富士通ジャーナルに関するお問い合わせをご利用ください。