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24時間営業が元気印企業への道 -- その2
~人口27000人の地方都市で24時間営業の大型店が繁昌店に~
前回は、24時間営業で躍進する「ハナマサ」を紹介した。しかし、「ハナマサ」よりも早く、それも地方都市で24時間営業に踏み切り、実績を残す会社がある。それが今回紹介する、鹿児島阿久根市で24時間営業のスーパーを経営する「マキオ」(店名はAZスーパーセンター)だ。
阿久根市は人口27000人の地方の小さな街だが、同社はこの地で3500坪の売り場を持つスーパーを24時間営業で運営し、消費不況がいわれる中で順調に業績を伸ばしてる。開業は1997年3月だが、同社がこの計画を発表したときの同業他社の反応は、「小商圏の地方都市で24時間営業の大型店を出店するとは、まずはお手並み拝見。」と懐疑的だったと聞く。
結果はどうだったのか。初年度は売上目標の50億円に対して62億円、二年目が67億円、3年目の今年2月期決算では72億円の売上を上げ、最近はあまりの好調さに1000坪の増床を行っているから、お見事というほかはない。
同社の牧尾英二社長は、「客足は順調に伸びています。商店が少なく、日常の買い物に不便を感じている小さな街だからこそ、夜中に開いている大型店が必要なんです。商店主の都合で、お客様の買い物時間を縛る時代は終わりました。」といいきる。
牧尾社長が、このようなスーパーを開業するにいたったのは、既存の小売り業者に対する不満からだった。
「われわれ小売り業者は、生活者の皆さんに、できるだけ合理的に、合法的に、質の良い商品を、より安く、タイミングよく提供することが使命なのですが、日本の小売業の多くがこの使命を果たしていません。」
先のような考えを持っていただけに、牧尾社長としては、「夜は赤字でも昼の利益でなんとか生命線を維持できればいい。」との思いでの開業だったというが、結果は思いのほか深夜の売上が伸びたのだ。
「夜の時間帯は家族連れが多いですね。夜の食事が終わったあと、家族揃って来店されるケースが多く、夜は高額商品がよく売れます。ちなみに、夜8時から朝9時までの売上は全体の4割程度を占めています。」と牧尾社長はいう。
AZスーパーセンターには、一年に一回転しかしないような効率の悪い商品も置いてあるのだが、これにも牧尾社長の、「先ず消費者ありき」の考えが反映されてる。
最近の流通業界では、売れ筋商品に絞り込んで品揃えすることが是とされている。たしかに企業の論理からすればそうなるのだろうが、はたしてそれで消費者の支持を得ることが出来るのだろうか。消費者は、売れ筋に関係なく自分の欲しい商品が即入手できることをスーパーに期待しているのは当たり前こと。牧尾社長はそんな考えから、「会社の効率がよかろうと悪かろうと、儲かろうと儲かるまいと、生活者が必要とするものは品揃えする。」というのだ。
この売れ筋に絞り込まない品揃えの豊富さ、いつでもタイミングよく買うことの出来る24時間営業が、消費不況といわれる中で、マキオが業績を伸ばす原動力となっているのだ。
筆者は、消費者の行動パターン24時間化は、大きな変化だととらえている。変化に対応するのが経営とするならば、営業時間の見直しが急務だと指摘してきたのだが、なかなか受け入れてもらえなかった。
24時間営業を躊躇する理由として多くの企業があげるのは、深夜の時間帯の効率の悪さ、人集めと労務管理の難しさだった。前回紹介した「ハナマサ」は、効率は悪くないと書いたが、マキオの場合はどうなのか。マキオは、きめこまかな対応をすることで効率を高めることに成功している。
「同じ来店客数でも、対面サービスを必要とするお客さんの多い時間帯と、パッと買って帰る時間帯があります。多だ、来店客数に合わせて人を揃えておけばいいのではなくて、そういう質と内容に合わせての配置が大事になってきます。」
現在マキオでは、時間帯毎の客数、売り場での対応に要する時間、品出しにかかる時間等々、作業の組み合わせを考慮して、一時間ごとにシフトの組換えをやっている。一日24時間の間に約120人が勤務するが、一番多い時間帯で50人、最小時は8~10人だという。こうしたきめこまかな対応が24時間ビジネスを支えていることも知っておいてほしい。
著者プロフィール
疋田 文明(ひきた ふみあき)
有限会社 ABO
経営コンサルタント・元気塾主宰- 日本交通公社(JTB)勤務後、中小企業経営者を対象とした各種セミナーの企画・運営会社等々を経て、1979年に竹村健一未来経営研究会を企画設立し事務局長に就任。1986年に竹村健一氏のもとから独立。現在、フリーランスのライターとして活躍中。
http://www.hikita10.jp
[2000年9月22日 掲載]
- 第16回 24時間営業が元気印企業への道 --その1
- 第17回 24時間営業が元気印企業への道 --その2
- 第18回 24時間営業が元気印企業への道 --その3
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