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24時間営業が元気印企業への道 -- その1
~業務用スーパー「ハナマサ」は深夜に売る~
連載の2回目に、深夜営業で躍進する企業として、「ドンキホーテ」と「ジーンズメイト」を紹介したが、消費行動の24時間化の流れは加速するばかりだ。24時間営業を躊躇する企業の多くは、その理由として効率の悪さを上げるが、実態はどうなのか。
小野博ハナマサ社長の声を交えて紹介する。
深夜営業を武器とするドンキホーテ(連載2回目で紹介)が相変わらず好調だという。中堅スーパーのサミットも閉店時間を深夜の2時までに延ばして顧客の支持を得ていると聞く。しかし、この両社とて24時間営業ではない。次回紹介する「マキオ」(鹿児島県阿久根市)のように、地方には24時間営業のスーパーがあるのに首都圏には24時間営業にチャレンジするする企業が出てこなかった。筆者は深夜マーケットは伸びるばかりの世界で、まだまだ早いもの勝ちの世界と考えているだけに、不思議でしょうがなかったのだが、最近は期待に応える企業が出てきた。それが今回紹介する「ハナマサ」だ。
ハナマサは、中小飲食店を主たる顧客とする「業務用スーパー」を首都圏で29店舗展開しているが、一昨年の一月に開業した秋葉原店から24時間営業に踏み切っている。なぜ24時間営業なのか。同社の小野博社長は、その経緯を次のように語る。
「秋葉原には昔市場があって、その名残からか、お客様から、朝早くやってくれるといいんだよな、という話がありました。当初は朝6時開店の朝2時閉店にすればお客さんのニーズに応えられると考えたのですが、そんな中途半端なことをするのならいっそう24時間にすればいいじゃないかと私が提案しました。深夜の2時から早朝の6時にかけては誰もこなくてもいい、やっちゃえと・・・。人件費がかかりすぎて無謀です、採算が合わないと反対はありましたが、そうではない、お客さんにとって便利な店にしようじゃないかと私が押し切りました。」
ハナマサの顧客となる中小飲食業は夜遅くまで営業しているケースが多い。夜中に仕込みをする人たちもいる。ところがこれまではそんな時間にスーパーが開いていないので、困っていた。それだけに、ハナマサの24時間営業は「必然的だった。」と小野社長は補足する。
開業前は、深夜の集客の問題以前に、夜働く人が集まらないのではないかとの心配のほうが強かったと聞くが、募集をすると予想外に多くの人が応募してきたという。
業績のほうはどうだったのか。
「チラシもいれて随分PRもしたのですが、最初の2、3日は、従業員が愚痴をこぼすほどお客さんはこなかったですね。社員からは、「それみたことか」といわれましたが、3、4ヶ月もすれば、認知され始め、なんとかやっていけそうだと思えるようになりました。」
24時間営業を躊躇する企業の多くは、深夜の時間帯の効率の悪さを、その理由としてあげるのだが、ハナマサの場合にはどうなのだろうか。秋葉原店の実績をもとに、今では24店舗で24時間営業を行っているが、深夜から早朝にかけての売上は全体の25%平均で、効率面でもマイナスはないという。
「深夜の時間帯だけを見ると、たしかに昼間よりは効率は悪いですが、トータルで考えれば悪くはないですよ。営業時間の長さにかかわらず固定費は同じですから、深夜はその時間帯の人件費と光熱費が出ればいいのです。それと、深夜の客数の少ないときに、品だし等々の作業ができるので、昼間のシフトの連中が楽になった大変喜んでいます。」
ビジネスコンビニを自称する「キンコ-ズ」も24時間営業で急成長しているが、同社は、効率を高めんがための24時間営業だというのだが、小野社長も結果として同様の考えを持っているという。
ハナマサの場合には「業務用スーパー」だから深夜の需要が結構あるのではないかといわれるかもしれないが、それは違う。ハナマサには一般の消費者も数多く買い物に来る。深夜の時間帯には、中高年のご夫妻の来店が多いというのだ。小売業・サービス産業においては、営業時間の見直しが元気印企業を目指す上で不可欠だと考えたい。
著者プロフィール
疋田 文明(ひきた ふみあき)
有限会社 ABO
経営コンサルタント・元気塾主宰- 日本交通公社(JTB)勤務後、中小企業経営者を対象とした各種セミナーの企画・運営会社等々を経て、1979年に竹村健一未来経営研究会を企画設立し事務局長に就任。1986年に竹村健一氏のもとから独立。現在、フリーランスのライターとして活躍中。
http://www.hikita10.jp
[2000年9月20日 掲載]
- 第15回 ダイソー「100円ショップ」躍進の秘密に迫る --その2
- 第16回 24時間営業が元気印企業への道 --その1
- 第17回 24時間営業が元気印企業への道 --その2
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