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第4回 新たなビジネスモデルでチャンスをつかむ

本コラムではこれまで3回にわたって、少子高齢化・人口減少がビジネスの現場にどのような変化を起こすのかについて考えてきました。最終回の今回は、中堅企業の皆さんが少子高齢化・人口減少をビジネスチャンスととらえ、新たなビジネスモデルを実際に作り上げていくための発想法を、事例を交えながら解説していきます。

少子高齢化時代のビジネスを「4C」でとらえる

少子高齢化時代の生活者向けビジネスは、これからが本番です。この分野で新たなビジネスを考える際には、これからの生活者のニーズにどれだけ具体的に応えられるかが重要なポイントになります。ここでは、売り手側の視点を買い手側の視点で捉え直した「マーケティング・ミックスの『4C』」を参考に、これからの生活者の変化を捉えて解説してみましょう。
4Cとは、「顧客価値」「顧客コスト」「利便性」「コミュニケーション」という生活者を理解するための4つの切り口を示したものです(図1)。これらの4つの切り口で自社の商品やサービスを開発することが、成功の原則になると言えます。

図1 生活者を理解するための4つの切り口=「4C」

1. 顧客価値(Customer value)

社会が高齢化していく中で、生活者が商品やサービスに求める価値も当然変化していきます。アンチエイジングが主流になりつつある機能性化粧品は、従来とは異なる価値観の提案ですし、死亡保険金よりも入院費に力点を移してきている生命保険も、遺族への保障から本人の安心へと新たな価値を提供するものです。
つまり、新たな価値を提案できるかどうかが、ビジネス成功の鍵と言えます。今後、少子高齢化社会での顧客価値として有効なものは、以下が挙げられます。

  • 誰もが持っているコモディティ商品ではなく、個人の趣味等で細分化された高額品
  • 経験型ではなく、余暇時間の有効活用に役立つ参加型サービス
  • 身体・生活などでの将来不安解消のための守備的な支援サービス

いずれにしても、新たな生活者の立場に立って、新たな価値を提供することが重要です。

2. 顧客コスト(Customer cost)

生活者が支払うコストに関しても、従来と考え方を改める必要があります。高齢化した生活者が、将来的に収入が増加することは考えにくいでしょう。このため、住宅ローンや従来の生命保険などに代表される後に行くほど金額が増加するものは、今後受け入れられにくくなると考えられます。さらに、ある程度の高額品に関しては、一括して支払う(つまり将来に負債を残さない)のが主流になると思われます。
また、現在はシニア層が増加している時期であるため、顧客獲得のために「シニア割引」が多く見受けられます。日本航空や全日空などの航空会社、カブ・ドットコム証券のようなネット証券会社、その他映画館やスポーツクラブなどあらゆる業種で取り入れつつあります。この流れの行き着く先は、リピート利用が収益前提となるビジネスでの「低価格化」です。中堅企業がこのような分野に進出を検討する際には、注意したほうが良いでしょう

3. 利便性(Convenience)

身体的な能力の低下がどうしても避けられない高齢者にとって、商品やサービスの購入・提供を受ける際の手間がいかに少ないかは、大きな利点となります。前回解説した「消費チェーン」のあらゆる部分において、そのサポートや代行を行うビジネスが生まれてくるものと思われます。
例えば、シニア層向けの会員制雑誌として成功している「いきいき」(ユーリーグ刊行)は、内容もさることながら、誌面で取り上げた商品を別冊「ふくふく」でカタログショッピングできる仕組みを持っています。また、50歳未満お断りのコミュニティーサイト「STAGE」なども、ワンストップのポータルとして「そこに行けばなんでもそろう」という利便性を実現しつつあります。
これらのことから中堅企業が考える際の切り口としては、

  • 全国を目指すのではなく、あえて地域性の強化によって「身近な存在」を目指す
  • 大企業に無い機動性(小回りが効く)を活かした展開で差別化する
  • 限定された優良顧客にとことん特化したハイクオリティ、ハイサービスを提供する

などが考えられると思います。

4. コミュニケーション(Communication)

シニア向けコミュニティーの提供などのビジネスも当然考えられますが、それ以上にコミュニケーションで期待されるのが、「企業と生活者の双方向でのやり取りを通じた新たなビジネスアイデアや商品・サービス企画の発見」という新たな手法です。少子高齢化社会はこれから表面化・現実化していくものです。つまり、これまでのビジネス企画のスキームや商品開発の経験などが活かしにくい、新たな社会が到来しつつあるということです。このような状況下では、従来型の開発手法ではなく、商品開発やビジネス展開に顧客を巻き込んでいく手法が有効だと思われます。
旅行業界での「クラブツーリズム」や「4トラベル」、グルメの口コミサイトが参加型飲食メニュー開発に発展している「食べログ」に代表されるように、Web2.0でのビジネスキーワードである「マッシュ・アップ」(図2)のような考え方が、これからの時代の重要なビジネス手法として展開されていくことでしょう。

図2 新しい情報活用の姿「マッシュアップ」

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