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第9回 債権未回収のリスクマネジメント

信用リスクと債権未回収

「信用リスク」とは、与信供与先が倒産等で支払不能になったり、信用状態が悪化したりすることで、債権の回収ができなくなるなどの損失を被るリスクです。債権未回収のリスクはこの「信用リスク」に分類されます。

債権未回収への対応

相手先が支払困難な状態でも、少しでも債権を回収すべく、以下のような対策を打ちます。
相手先の支払不能の理由や債務者の弁済意思、債務者との交渉が可能かどうか、適用される倒産・再生手続、資産状況等の情報を入手・分析。
債権の管理・回収方針を策定し、具体的な回収手段を決定。
回収の実施、継続的な回収管理を行なう。

具体的な回収手段の例を以下に列挙いたします。
代理受領、代物弁済、債権譲渡等(債務者の協力を得て行なう場合など)
相殺、債権者代位権、仮差押、仮処分、強制執行等(債務者の協力を得られない場合など)
具体的にこれらの回収手段を決定・実施するには、弁護士等の専門家の支援が必要となる場合もあります。法令を遵守しつつ、継続的に情報収集を行いながら、迅速に回収を図っていきます。

債権未回収への予防

1) 信用調査と与信管理

契約締結前などに信用調査が、受注前などに与信管理が用いられますが、多方面の情報を入手・分析し、総合的に判断をする必要があります。継続的な取引においては、信用調査と与信管理も継続的に行ないます。相手方の信用状況は変化し続ける訳ですから、最新の情報を補充していきます。

2)売掛債権の流動化

売掛債権を決済日前に現金化すること「売掛債権の流動化」と呼びます。例を以下に挙げます。

  • 売掛債権の証券化(SPVと呼ばれる特定目的会社に譲渡し、資金を受け取ります)
  • ファクタリング(ファクターと呼ばれる企業に債権を譲渡し、資金を受け取ります)

3) プロセス改善

会社の業務プロセスから見れば、債権回収は販売や貸付プロセスの後工程になります。前工程の販売プロセスや貸付プロセスに何か問題はなかったか調べてみることも、今後の予防策になるでしょう。例えば、与信判断よりも売上予算達成が重視され、無理な受注活動があったかもしれません。債権回収は会社の資金繰りにつながるとても重要な業務プロセスです。その意味からも、経営者や部門管理者は、経営管理における回収管理、業務プロセス全体における回収業務という広い視点から、債権回収の問題をみていく必要があります。場合によればクレジットカード販売等、自社で回収しない販売方法の検討が出てくるかも知れません。

中小企業診断士・ITコーディネータ 柳生 謙
[2006年2月9日 掲載]


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