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第1回 リスクマネジメントとは何か

意外と誤解されている「リスク」と「マネジメント」の意味

リスクマネジメント。この言葉は日本語に翻訳しにくいことから、勘違いされていることが多いように思います。直訳すると「危険を管理する」という意味になるのですが、実際には「リスク」は「危険」とは似て非なるものです。
また、「マネジメント」を訳した日本語である「管理」も、何をどのように管理するのか、ハッキリとした答えを与えてくれません。
そこで、リスクマネジメントについての連載を始めるにあたって、まずは、当のリスクマネジメントの意味を明確にしておきたいと思います。

プラスの意味を持つこともある「リスク」

経済系の新聞や雑誌などを読むと、「ハイリスクな投資商品」といった表現を見かけることがあります。リスクというと一般的に「危険」と解釈されていますが、それに従って解釈すると「高い危険性を有する投資商品」という意味になってしまいます。

危険性が高いだけなら、誰もそんな商品に投資はしません。
そう、ここで言う「ハイリスク」とは「危険性も高いが高収益を上げられる可能性も高い」ことを意味しているのです。わかりやすく言えば「収益の予想が難しく、不確実性も高い」ということですね。逆に「ローリスクな投資商品」とは「不確実性が低いので収益の予想は立てやすいが、高収益は期待できない」ということになります。

今までの投資のたとえ話をまとめると、

  • リスクが高い=不確実性が高い=将来の予想がしにくい
  • リスクが低い=不確実性が低い=将来の予想がしやすい

ということになります。

ここで述べた投資の例から、リスクとは「予想外の出来事が起こること」だと理解していただけたでしょうか。ただし、企業経営に影響を及ぼすのは起こって欲しくない事象ですから、リスクマネジメントの対象となる「リスク」には、どうしても悪い出来事というイメージが付きまとってしまう、だから「危険」という訳語があてられている、ということなのです。

「マネジメント」とは、リスクを小さくすること

では、もう一方のマネジメントとは、どのような意味なのでしょうか。悪い出来事が起こってしまうことを完全に抑止することでしょうか。
それとも、悪い出来事が起こってしまった後の対処方法を予め定めておくことでしょうか。
残念ながら、一般的に思われているこれらのイメージも誤解に基づくものといわざるを得ないのが現状です。

リスクマネジメントで行われる「マネジメント」を一言で表現するなら、高いリスクを低くすることと書けるでしょうか。別の言い方をすれば、「予想の立てにくい将来の出来事」を「予想しやすくする」こととも表現できます。経営全般に関わる事柄の不確実性をできる限り軽減することと言うこともできるでしょう。

以上で「リスクマネジメント」の本来の意味を再確認していただけたでしょうか。
次回は、具体的にリスクを小さくする4つの手法について、詳しく述べていきたいと思います。

ITコンサルタント 小松 信治
[2005年7月14日 掲載]


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