第8回 TRUSTeプライバシー・シール
「TRUSTeプライバシー・シール」を表示しているホームページに出会います。個人情報に関してユーザー個人が安心してWebサイトにアクセスできる仕組みであることを証明するものです。プライバシーマークが事業者の安心を対象にしているのに対して、プライバシー・シールは一般ユーザーの安心のためのものです。
TRUSTeって何?
「TRUSTe」は、アメリカの非営利組織です。インターネット利用者と事業者との間に信頼関係を築き、インターネット産業界の成長を組織の目的としてあげています。独立した組織として、消費者と企業そしてウェブサイトの個人情報保護に対する懸念事項の解決のために「TRUSTeライセンシープログラム」を提供しています。企業はその認証をうけることで、ユーザーが安心して個人情報を提供できる体制が整っていることをアピールできます。
認証を得るには、認証審査に必要な書類・自己査定書・プライバシーステートメント等を提出します。ウェブサイト及び社内体制がTRUSTe要求項目をクリアしているかどうかの審査を受けることが必要となります。
ライセンスを取得した後は、監査プログラム(TRUST e Watch Dogシステム)による第三者チェック及び、紛争解決プロセスが開始されます。これにより、企業・ユーザー双方が恩恵を受けられます。
またプログラムは、個人情報保護法への対応、個別電子メールへの発行システム、携帯コンテンツへの対応など、ネット環境に合わせて、絶えず進化しているため、企業は常に新しい環境への対応が可能となります。
日本国内での認定業務は日本技術者連盟(JEF)が提携組織として請け負っています。
1997年の設立以来、北米・ヨーロッパ・アジアなどの地域を中心に世界26ヶ国、約2500以上のサイトが「TRUSTe」による認証を受けています。
TRUSTeは国際的なプライバシー保護組織として知られているため、シールを取得しているということは個人情報管理について世界的に安全性を認められたことだと言えます。シールの有効期間は1年間で、2000以上のWebサイトがシールを取得しています。
プライバシー・シール!
「TRUSTeプライバシー・シールを表示しているWebサイトは、プライバシー・ポリシーに基づいて利用者に対する注意、選択の余地、アクセスの安全性、個人情報の修正権を与えることなどを約束しています」の案内をホームページで見ることができます。
現状のウェブサイトできちんと個人情報保護に関してうたっているサイトはまだ多くはありません。ほとんどは記述そのものが無かったり、どこかのウェブサイトそのままを書いていたりなどいい加減です。本来は、社内の体制やルールがきちんと定義・運用されている状態でプライバシーステートメントを公表できるはずです。
その一方で複雑かつ大量のドキュメントを作成する傾向が日本の企業には強いようです。会社規模や業務負荷・リスクとのバランスを考え、ドキュメントの総量を見極める必要があるでしょう。
TRUSTe取得については、比較的シンプルな流れとして次の4つのステップを考えることができます。
キックオフミーティング- 社内体制とウェブサイト調査
- 調査結果の報告と改善(教育)
- プライバシー・ポリシーの作成と運用
- 審査と認証
プライバシーマーク取得と似ている!
TRUSTeの場合はウェブサイトに限定されますが、取得後にウェブサイトの監査プログラムが監査と紛争解決プロセスを行ってくれるので、プライバシーマークのような監査担当は居なくてもよさそうです(置いてもよい)。
申請に必要な書類は、
- TRUSTeシールプログラム申請書
- TRUSTeライセンス契約書(2通)
- 自己査定書(個人情報保護に関する、社内体制やウェブサイト上での現状確認書)
- プライバシーステートメント(ウェブサイト上に掲載)
- 登記簿謄本(内容全部証明書)
です。
プライバシーマークとの違いは企業活動における個人情報の管理がプライバシーマークであり、TRUSTeはインターネットを通じた個人情報の保護というものです。組織は、どちらの認証を受けるのかということを、扱う個人情報によって適切に選択しなければなりません。
認証を得ることよりも認証を得た後の運用が重要です。個人情報保護の重要性など社内教育を繰り返し行うなど体制の整備を心がけましょう。運用中にクレーム・訴訟などの不幸を招いたり、社内教育が不充分なために、思わぬ結果に見舞われることがないように。
【情報】
TRUSTeジャパンhttp://www.truste-jp.org/
中小企業診断士 阿部 将美
[2004年6月 掲載]
- 第7回 プライバシーポリシー
- 第8回 TRUSTeプライバシー・シール
- 第9回 ISMS
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