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製造業における企業間取引の現状と課題

第6回 取引構造変化への対応の実際 -その3

今回は「<2> 販路開拓」「<3> 情報交流の促進」に関わる事例を取り上げます。

第3回において、取引構造変化に対応して売上高を増加するには、販路開拓と情報交流促進を両立しなければならないこと、両立の方向性の一つとして情報技術(以下「IT」と表記)の活用が考えられることについて示しました。
これらに該当する事例や内容を「中小企業白書(2007年版)」(以下「白書」と表記)より抜粋し、検討していきます。

電機メーカーの場合

【事例1】 製造業の昭和電機株式会社様(大阪府大東市、従業員数163名)は、顧客からの質問や技術情報などをデータベース化して、社内用ホームページ、流通業者用ホームページ、顧客用ホームページとして開示しています。

顧客用ホームページでは、専門情報の開示や気軽に質問できる仕組みなどにより、問い合わせを営業展開に繋ぐための工夫をおこない、新規開拓の成果を上げています(新規顧客の見積依頼 : 48.6件/月)。

食品メーカーの場合

【事例2】 こんにゃく関連商品の卸売業である有限会社ウエダ食品様(大阪府守口市、従業員数6名)は、消費者向けネット販売用ホームページを消費者視点でリニューアルすることにより、売上高を増加しています。

同社は当初、外注によりホームページを制作していたため、見映えはしたものの、商品の魅力が伝わりにくい構成でした。そこで、商品知識の豊富な社長の妻が、こんにゃくを使った料理のレシピなどを消費者にわかりやすく伝える内容にリニューアルし、その結果、ネット販売開始から3年で月商が拡大しました。

いずれの事例も、既に社会的インフラになっているとも言えるインターネットを活用することで、広範な標的顧客層との効率的な情報交流と新規開拓を両立しています。また注目すべき点として、単にホームページを利用するに止まらず、顧客が理解・利用しやすい形で情報交流をおこなっていることがあげられます。

白書では、自社ホームページを導入している割合が、中小企業においても2000年から2005年までの5年間でほぼ2倍となっており、さらに導入済企業の過半数が「大きな効果あり」「効果あり」と認めているとしています。

ホームページが、直ちに販路開拓と情報交流促進の両立に繋がることを保証するものではありませんが、以上の事例、また導入済企業の認識からも活用方法を検討する価値は十二分にあるものと想定されます。

次回(最終回)はまとめとして、これまでの説明内容を再構成した取引構造の変化と対応の枠組みを提示します。

[2008年4月24日 公開]
中小企業診断士 島田 豊慈

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