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第3回 取引構造変化への対応の方向性 -その2
取引構造変化への対応の方向性として、前回は「<1> QCD改善等と業績向上」を進める際の留意点について整理しました。今回は「<2> 販路開拓」と「<3> 情報交流の促進」について検討します。
販路開拓と情報交流促進の両立が必要
販路開拓により販売先が増加した場合、常識的に考えると、当該企業が売上高や雇用者数といった規模の拡大を伴わない限り、個別販売先との情報交流量は低下する筈でしょう。
ところが「中小企業白書(2007年版)」(以下「白書」と表記)は、販路開拓と売上高、情報交流の関係において次の傾向がみられるとしています。
- 販売先を増やし、かつ売上高も増加している企業では、情報交流も増加している。
- 販売先を増やしたにもかかわらず売上高が減少している企業では、情報交流も減少している。
これらのことは、取引構造変化に対応し、売上高の増加を実現するには、販路開拓と情報交流促進を両立しなければならないことを示しています。
販路開拓と情報交流促進を両立している企業の特徴
さらに白書では、これらを両立している企業には次の2つの特徴があるとしています。
- 販売先・情報交流をともに増やしている企業には、安定した品質を求められる製品を取り扱っている企業が多い。一方で、販売先は増加したが情報交流が減少した企業には、価格競争力を求められる製品を取り扱っている企業が多い。
- 技術交流に積極的に取り組んでいる。
これらのことは、価格競争力が決め手となるような情報交流の必要性の低い製品領域を避ける、交流への意欲を持つ、といった製品領域の選択や経営姿勢に関わる根源的な課題に取り組むことなしに、単なる方法論で販路開拓や情報交流促進、さらには売上高増大を実現するのは難しいことを示しているとも考えられます。
両立への取り組み
とは言え、現実的な問題解決のためには、それぞれに労力を要する販路開拓と情報交流促進を両立する手段が必要となります。ここでは両立の方向性の一つとして情報技術(以下「IT」と表記)の活用について触れておきましょう。
ITの急速な進展により、日常的にITを活用する企業が規模を問わず急増するとともに、企業間の取引環境にも影響を与え、これが取引関係の「メッシュ化」の一因と想定されることを第1回で説明しました。そうであれば逆に、IT環境の変化を販路開拓や情報交流促進の機会としても捉えることもできます。
例えば、広く各企業に浸透しているインターネットを情報の発信・収集、並びに交換の基盤として活用することにより、多くのコストを伴うことなく販路開拓や情報交流促進に取り組むことは可能であり、また成功例も数多くあります。
次回より3回に亘って、上記のIT活用も含めて、取引構造変化への対応事例を紹介します。
中小企業診断士 島田 豊慈
[2008年1月23日 掲載]
- 第2回 取引構造変化への対応の方向性 -その1
- 第3回 取引構造変化への対応の方向性 -その2
- 第4回 取引構造変化への対応の実際 -その1
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