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第2回 取引構造変化への対応の方向性 -その1
第1回では、製造業において取引関係の「メッシュ化」が進展することで、<1> コスト・品質・納期(以下「QCD」と表記)等の競争が激化し、業績安定化が困難になる、<2> 販路開拓の負担が増加する、<3> 技術情報・市場情報の流れが停滞する、といった影響が及ぶ旨の説明を行いました。
一方、これらの環境変化を機会として積極的に対応することで、成長・発展に結び付けている企業も存在しますので、それらの事例については第4回以降で紹介します。
今回(第2回)と第3回は、事例紹介の前段階として、上記のような環境変化に、どのような方向性で取り組むべきかについて検討・整理を試みます。
検討・整理の考え方
「メッシュ化」に伴い生ずる課題への対応、即ちQCD等を改善するとともに、コアコンピタンス(核となる強み)を持ち、これを活用することで業績を向上する(<1> QCD改善等と業績向上)、販路を開拓する(<2> 販路開拓)、情報交流を促進する(<3> 情報交流の促進)、といった取り組みの際に、それぞれどのような点に留意すべきかについて検討・整理することとします。
<1> QCD改善等と業績向上
「中小企業白書(2006年版)」(以下「白書」と表記)では、「メッシュ化」に伴い、近年、取引先からQCDの更なる改善とともに「多品種小ロット生産(以下「小ロット生産」と表記)」「量産」「複数工程の一括受注」等への対応の要請が高まっている、としています。
当然ながらQCDへの対応を強みとする企業は、しない企業より、高い業績を示しており、QCDの改善は業績向上の必須要件であると言えます。
一方で「小ロット生産」への対応力を強みとする企業は、しない企業より逆に業績が低いです。このことは「小ロット生産」のみに対応しても、これに伴い発生する生産品目切り替えや材料の調達・管理に係るコスト高に対応できなければ、業績改善に結び付かないことを示しています。また「小ロット生産」「コスト削減力」を同時に強みとする企業では高い業績を示すことからも明らかです。即ち、今後は単一の強みに止まらず、生産プロセスとして複合的な強みを発揮することが必要と想定されます。
白書では、次に「コアコンピタンス」を持つ必要性について述べています。コアコンピタンスとなる得意分野の工程に特化し、異分野の取引を拡大した企業は、それ以外の企業より優れた業績を示しています。これは、強みに磨きをかけることで、競争の緩やかな異分野への展開が可能になることを意味するものと思われます。
次回(第3回)では、「<2> 販路開拓」「<3> 情報交流の促進」を進める際の留意点について検討・整理します。
中小企業診断士 島田 豊慈
[2008年1月10日 掲載]
- 第1回 企業間取引構造の変化と影響
- 第2回 取引構造変化への対応の方向性 -その1
- 第3回 取引構造変化への対応の方向性 -その2
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