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第7回 株式関係 (1)

株式の譲渡制限制度

現行法において、株式会社における株式譲渡については、株式譲渡自由の原則(商法204条1項本文)があり、同原則の例外として株式の譲渡を制限する場合には、定款において取締役会の承認を要する旨を定めることが明文で認められていました(商法204条1項但書)。ただ、取締役会ではなく株主総会の承認を要することと定めることの可否や譲渡株主の属性、譲渡株式の種類、譲渡株式数等を基準として取締役会の承認を要求する旨を定款で定めることの可否については学説上の争いがありました。一方、有限会社については、社員間の持分の譲渡は自由ですが、社員以外の者に持分を譲渡する場合には、社員総会の承認が必要でした。

つまり、譲渡制限を定款に定めた株式会社は、株主から株主に譲渡することについても、取締役会の承認が必要ですが、有限会社の場合は、社員間の譲渡について承認は一切不要でした。人的関係が緊密な有限会社に関して、譲渡制限株式会社と異なる取扱いとなっている点は不合理といえる状況でした。

今回このような両者の取扱いの均衡を図る観点から、株式会社においては、取締役会の承認ではなく株主総会の承認という意味の「会社の」承認を要するとされており(但し、取締役会設置株式会社は取締役会)、有限会社における社員間の持分の譲渡については、原則として、会社の承認を要するものとされています。

また、逆に、譲渡制限株式会社及び有限会社においては、定款をもって、株主または社員間の譲渡につき承認を要しない旨を定めることができるものとしています。したがって、会社の実態に応じて、それぞれにあった制度の選択が可能です。

更に、以下の5つのパターンの譲渡制限の定めを定款において記載することを可能とする提案を行っています。これは、株式会社における定款自治の範囲を拡大する改正として評価できます。なお、(1)から(4)までについては、株式会社のみならず有限会社の持分譲渡についても妥当するものです。

  1. 特定の属性を有する者に対する譲渡については、承認権限を代表取締役等に委任し、または承認を要しないものとする規定

    (注)特定の属性を有する者とは、「株主」や「従業員」などが含まれると思われますが、そのほか具体的にどのような範囲で考えるべきか明らかにされていません。また、承認権限を委任できる対象も、要綱案では代表取締役「等」とされており、「等」がどこまでの範囲の者を指すのかについては明らかになっていません。

  2. 相続、合併等の譲渡以外の事由による株式・持分の移転についても、承認の対象とすること
  3. 譲渡を承認しない場合において先買権者の指定の請求があったときの先買権者をあらかじめ指定しておくこと
  4. 取締役会を設置しない譲渡制限株式会社においては株主総会を承認機関とすること
  5. 一部の種類の株式の譲渡についてのみ承認を要する旨を定款で定めること

税理士 赤木 甲太郎
[2005年10月3日 掲載]

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