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類似した商品等表示(店名)を使われた場合の対応
Q
私は「サンマルコ」という名前の本格的イタリアンレストランを経営しています。こだわりの店ということで、グルメ情報誌などに取り上げられたこともあります。先日、隣町に「サンマルコ2」というレストランができたことを知りました。うちのようにイタリア料理を専門に出す店ではありませんが、このまま見過ごすこともできません。何か対策をとることはできないでしょうか。
A
「サンマルコ」という名称とほとんど同じ「サンマルコ2」というレストラン名で営業することは、その店が「サンマルコ」のようなイタリア料理の専門店でなくても、不正競争防止法の第2条第1項第1号(周知表示混同惹起行為)に抵触する可能性があります。
不正競争防止法に違反するとなった場合は、「サンマルコ2」に対して、名称の使用差し止めや損害賠償、信用の回復措置などの請求を行うことができます。
【周知表示混同惹起行為の要件】
不正競争防止法
第2条第1項第1号 他人の商品等表示(人の業務に係る氏名、商号、商標、標章、商品の容器若しくは包装その他の商品又は営業を表示するものをいう。以下同じ。)として需要者の間に広く認識されているものと同一若しくは類似の商品等表示を使用し、又はその商品等表示を使用した商品を譲渡し、引き渡し、譲渡若しくは引渡しのために展示し、輸出し、輸入し、若しくは電気通信回線を通じて提供して、他人の商品又は営業と混同を生じさせる行為
周知表示混同惹起行為の要件は、大きく4つあげることができます。質問のケースに当てはめて考えてみましょう。
1.他人の氏名や商号、商標などといった商品または営業を表示するものであること
「サンマルコ2」は店名であり、「営業表示」と看做されます。不正競争防止法では、商品表示と営業表示は区別されません(商品等表示)。
2.需要者の間に広く認識されていること
これは、いわゆる「周知性」の問題です。周知性については、日本全国に知られている必要はなく、一地方でもよいとされています。例えば、レストランの営業エリアの中で、さらにその顧客間で周知であれば足りるとされています。
質問のケースでは、過去にグルメ雑誌にも取り上げられたことがあるということで、十分に周辺地域も含めて「サンマルコ」の名前が知られていたと思われ、当然、周知性は認められると考えられます。
3.他人の表示と同一または類似であること
レストランに来る客が、「サンマルコ」と「サンマルコ2」について全体的に類似のものとして受け取るおそれがあるかどうかが問題となります。一般に、両者の外観や呼称、または観念に基づく印象などから類似かどうかを判断するわけですが、「サンマルコ2」の場合、同一・類似性があると認められると考えていいでしょう。
4.他人と同一・類似の表示をすることで他人の商品または営業と混同させること
これは、ある者の商品・営業を、他の者(表示所有者)の商品・営業と錯誤することを意味し、現に混同の結果がなくても混同のおそれをもたらせば足りるとしています。「サンマルコ2」を「サンマルコ」が営業していると誤認する可能性は高いといえます。
また、混同には広義の混同も含まれるので、客が「サンマルコ2」を「サンマルコ」の支店もしくは姉妹店と誤認して来店したとしても混同となります。
【ドメイン名紛争処理方針による裁定】
以上を見れば、質問のケースは周知表示混同惹起行為にあたると考えられます。その場合、「サンマルコ」として以下のような請求を行うことが認められています。
- 差止請求
- 損害賠償請求
- 信用回復措置請求
請求の内容について、もう少し詳しく見てみましょう。
差止請求は、営業上の利益を侵害、あるいは侵害されるおそれがある者が、その侵害の停止や予防に必要な行為を請求することです。具体的には、名称の使用の中止、(名称が表示された)看板の撤去などがこれに当ります。
損害賠償請求では、不正競争行為によって受けた損害を請求するわけですが、損害額の算定については一般的に立証が難しいことから、不正競争行為によって利益を受けている者の利益を損害額と推定することになります。
信頼回復措置請求については、損害賠償の代わりに、あるいは同時に、その信用の回復に必要な措置を請求できます。謝罪広告の掲載などの請求が一般的です。
ITコンサルタント 磯野 康孝
[2006年8月10日 掲載]
- 営業秘密を管理するに当たって重要なことは?
- 類似した商品等表示(店名)を使われた場合の対応
- 競合他社から売り出された模倣商品への対抗措置
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