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不正競争防止法、最近の改正ポイントは?

Q

不正競争防止法について、概要と最近(平成17年11月)の改正ポイントを教えてください。

A

まず、今回の主な改正点は、

  1. 営業秘密の保護の強化
  2. 模倣品・海賊版対策として、そのような商品の販売などに対する刑事罰の導入
  3. 罰則の強化

となります。

不正競争防止法とは

不正競争防止法は、市場原理に基づく事業者間の公正な競争とそれに関する国際的な約束を確実に履行させるために、不正競争の防止とそれに関わる損害賠償等の措置を講じ、ひいてはわが国の経済の発展に貢献することを目的とした法律です。第1条にはその目的が記されています。

不正競争防止法
(目的)
第1条 この法律は、事業者間の公正な競争及びこれに関する国際約束の的確な実施を確保するため、不正競争の防止及び不正競争に係る損害賠償に関する措置等を講じ、もって国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。

一般に、市場経済が円滑に機能するためには、その前提として市場での競争が公正に行われていなければなりません。
例えば、以下のような行為がまかり通るとどうなるでしょう。

  • 競争相手を誹謗・中傷し貶める風評を流す
  • 商品の形態を真似したり、粗悪な模倣品を売り出したりする
  • 競争相手の技術を窃取する
  • 虚偽の内容を表示する

このような不正あるいは不法な行為がまかり通ると、公正な競争が期待できなくなり企業の経済活動に重大な支障が生じることになるばかりか、消費者も安心して商品を購入することが出来なくなってしまいます。結果、国の経済の健全な発展が阻害され、国際的にも非難されるような状況に陥ってしまいます。このようなことにならないよう、市場における競争が公正に行われるようにすることを目的として制定されたのが不正競争防止法なのです。
不正競争防止法では、保護する対象に対して規制される(禁止)行為を類型化し、具体的に列挙しています。この禁止行為に当てはまる場合に不正な競争行為とされ、処罰対象となります。

改正の背景

不正競争防止法そのものは戦前から存在する法律(昭和9年制定)ですが、近年の知的財産をコアとしたビジネスの隆盛、企業戦略などから、知的財産権の強化という政策的な要求に応じる形で、平成5年度の全面改正以来、数度にわたり改正が行われてきています。特に平成15年以降は、ほぼ毎年のように改正が行われ、直近では昨年の平成17年11月に一部改正が行われました。

平成17年度改正のポイント

平成17年度改正のポイントは、大きく以下の2点になります。

  1. 営業秘密の保護強化
  2. 模倣品・海賊版対策の強化

さらに、違反に対する罰則が強化され、侵害に対する抑止効果が期待されています。
もう少し詳しく見てみましょう。

営業秘密の保護強化

不正競争防止法でいう営業秘密とは、一般的に企業秘密と呼ばれているものを指します。具体的には、企業内で秘密として取り扱っている情報やノウハウ、技術などになります。
この営業秘密を国外に持ち出して不正に使用したり開示したりした場合や、退職した元役員や元従業員が在職中に受けた約束などに基づいて営業秘密を不正に使用したり開示したりした場合に、その行為者に対して刑事罰を課せるようになりました。
また、他社の営業秘密を不正取得し使用・開示した場合、その行為者だけでなく、行為者本人が属する法人も処罰の対象とするようにしました。
さらに、二次的取得者の違反行為も処罰対象となりました。例えば、他人に営業秘密を不正取得させた者からその内容を譲り受けるなどして使用した場合、共犯として処罰の対象となります。

模倣品・海賊版対策の強化

他社の著名なブランド名を不正に使用したり、他社の商品の形態をコピーした商品を勝手に販売したりするような行為に対して、刑事罰を課せるようになりました。

罰則の強化

従来の不正競争防止法では、違反に対する罰則は「3年以下の懲役又は300万円以下の罰金」となっていましたが、今回の改正で原則として、「5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金」に引き上げられました。加えて、懲役刑と罰金刑の併科規定も導入され、罰則がより重くなっています。

ITコンサルタント 磯野 康孝
[2006年4月26日 掲載]

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