第4回 インターネット・ブランディング -広報編-
積極的な情報公開で信頼度アップ!
製品やサービスの情報を伝えるのも企業ホームページの大きな役割ですが、サイトを訪れてくれるのは、直接的なお客さまだけではありません。事業パートナーや投資家、あるいは就職希望者もアクセスしてくれます。このようなステークホルダーと信頼関係を築くためには、できるだけ積極的に企業の情報を公開し、透明で開かれた企業の経営姿勢を見せていくことが大切です。
またホームページは、最新のニュースリリースや製品情報のタイムリーな告知に最適なのはもちろんですが、最新情報だけでなく過去の情報を残しておくことで、古くからのお客さまに対するサポートの役目も果たすことができます。極端な例かもしれませんが、競合他社製品との比較の参考にもなります。
当然それらの情報が詳しく掲載されていればいるほど、メディアやステークホルダーからの問い合わせも増え、今まで以上に迅速なメディア・リレーションズ(メディア広報戦略)が必要ですが、長期的な視点で責任を持った対応を心がければ、好感度は増していくはずです。
以下のことはお金をかけずに小規模企業でも実現できます。あなたの会社の状況と照らし合わせて参考にしてください。
インターネット広報、はじめの一歩
自社と関連のある企業や、社会との関わりをなるべく多く紹介し、リンクで示す。
そうすることで、間接的にその会社の“立ち位置”を知ってもらうことができる。
製品やサービス以外にも、技術やポリシーなど、企業理念を明確にする。
信念が見える企業は、逆境に負けない強さを感じさせる。
外部関連コミュニティーサイトへの寄稿、セミナーなどへの講師参加を行う。
情報を求めているサイトに積極的に協力する。小さな企業がTVのコメンテーターなどとして出演するのは難しいが、様々な小メディアに役立つ情報を提供して知名度アップを図る。
企業コミュニケーション活動の、社内への認知を徹底する。
何より社内の協力がなくては始まらない。WEBの重要性をまずは社員にしっかり認識してもらうことが重要。
新しいWEB技術の導入やデザインに凝ることよりも、このような活動を日々積み重ねていくことの方が何倍も大切です。そして、これらの地道な活動こそが、あなたの会社が株式上場を果たした際のIR活動へつながっていくのです。株主は顧客以上に収益構造・企業倫理に敏感です。まずは、インターネットを最大限活用した広報活動を実現していきましょう。
最後に、インターネット・ブランディングを上手に展開している「株式会社アマナ」の事例を見ていきます。
「動」と「静」の使い分けで、訪問者ごとに最適アプローチ
株式会社アマナ http://amana.jp
株式会社アマナは1979年、たった5人のスタッフで、広告写真制作会社アーバンパブリシティ(株) としてスタート。80年代以降、様々な周辺業務にテリトリーを拡大し、海外にも事業所を出すなど積極的に事業を拡大。現在はストックフォト(写真の著作権販売)サービスと、広告写真制作を中心とする、撮影やデジタル画像の制作・プロデュースなどのビジネスを行い、2004年7月1日にマザーズに上場したばかりの会社です。
ストックフォトのメインユーザーは、広告デザイナーなど目の肥えたクリエイターです。アマナが扱うコマーシャルフォトは、確実にその“うるさい”顧客に支持を広げています。商品自体のクオリティの高さはもちろんですが、WEBの効果的な活用も、支持の拡大に大きく貢献しています。シンプルかつスタイリッシュなサイトデザイン、それでいて使いやすいインターフェース。サイト構造が直感的に理解でき、目的の情報へとスムーズに導いてくれます。
また、WEBデザインのトップクリエイターを起用したサイトリニューアルなどの話題を、積極的にニュースリリースし、様々な情報サイトからのリンクを誘導しています。ヘビーユーザー向けには、より使いやすい特典を盛り込んだ会員制度も設けており、マーケティングの上手さも垣間見れます。
IR活動は、WEBサイトでの展開を重視し、確かな情報をタイムリーに出していくことを一番に考えてつくられています。IR情報はホームページの「会社情報」の中に「投資家情報」として充分な情報を簡潔にまとめています。
トップページではフラッシュの動画を効果的に扱うことで独自性やダイナミズムを表現し、アート性の高いデザインとなっていますが、IR情報はすべて静的で軽いデータを展開しています。いたずらに動画を散りばめるのではなく、訪問者の目的にあわせて技術や表現方法をうまく使い分け、非常に好感が持てるサイトになっていいます。
また、自社のサイト以外にも、「クイック」(http://www.quick.co.jp)などのニュースワイヤーを活用して新しい情報を積極的かつ広範囲にメール配信しています。
ブランディングは、古くて新しい永遠のテーマ!
4回に渡り「ブランディング」をテーマにお送りしてきましたが、いかがでしたでしょうか? 「ブランド」は最近流行であるらしく、たくさんの書籍が書店にならんでいますが、その重要性は何も今に始まったことではありません。ブランディングとは、元来地道な活動で、華やかな宣伝だけを指すのではありません。昔からよく企業理念として掲げられる「信用第一」という言葉、そこにブランドの根本的な意義が現れているように思います。
著者プロフィール
雨宮 和弘(あめみや かずひろ)
クロスメディア・コミュニケーションズ有限会社 代表取締役社長- 1983年、日本テキサス・インスツルメンツ株式会社入社、コーポレートコミュニケーションおよびPRマネージャー。日本におけるインターネットの商用利用サービス開始と同時にインターネットによる日本初の人材採用ホームページを作成、その後日本TIの初代ウェブマスター。1996年インテルジャパンに転職、コーポレートマーケティング部にて同社のインターネット企画運営を担当。1999年クロスメディア・コミュニケーションズ有限会社として独立、現在に至る。
http://www.crossmedia.co.jp/
- 第3回 インターネット・ブランディング -コミュニケーション編-
- 第4回 インターネット・ブランディング -広報編-
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