フィールド・イノベーション - 2008年は実践の年 -

グローバル環境が激変する状況下において、行政も企業も経営・業務の革新が求められています。富士通は、新しい提案としてフィールド・イノベーションをご提案、推進しています。
[連載索引] フィールド・イノベーション| 人が主役のIT活用を目指す | 2008年は実践の年 | 徹底した「見える化」による生産革新 | 富士通フォーラム2008ご紹介 |
経営革新を継続できる体質
フィールド・イノベーションは課題領域をフィールドと考え、その課題を感知し、事実を正しく捉えて人の意識を変えます。その人達がプロセスを変えて、そこに適切なITを活用することによって、課題を改善させていきます。そして、同様のアプローチで別のフィールドを改善し、全体最適化につないでいきます。
このアプローチによって経営革新を継続できる体質を作りあげていくことが、フィールド・イノベーションの目指すところです。
フィールド・イノベーションを導入するにあたって重要なポイントは、2つあります。1つ目は、フィールドの現場を「見える化」することによって人の意識を変えることです。
2つ目は、人の意識の変化をベースに「人とプロセスとITの一体化」を継続的に追求していくことです。
現場の見える化
現場で発生している事実に気づいた人は革新への意識が高まり、新たな発想で実現化の高いプロセスを生み出すことができるという、多くの実績が物語っています。ところが現状は現場の事実を明らかにできていない場合が多いのです。
たとえば、ある百貨店のお客様では、売り場社員の店頭在中率を調査したアンケート結果は約40%でしたが、RFID(注1)を活用した調査では20%でした。この事実が課題領域関係者の意識改革に少なからぬ効果をもたらしました。
もうひとつの傾向は「現場の課題はわかっている」という既成概念にとらわれている点です。ある流通業のお客様に富士通のフィールドワークを実施して、営業部門の「見える化」を行いました。
その結果、本来営業がやるべき顧客訪問や提案活動は20~30%しかできていないという事実が明らかになり、いままでの営業活動はできているという既成概念は崩れ、営業部門に意識改革が芽生えました。
ある商社のお客様に同様のフィールドワークにより、営業部門の「見える化」を行った結果、経年変化が起きている事実が明らかになりました。 数年前と比較すると、納期が従来の3~4日から1~2日に短縮されていたり、新製品の取り扱が多くなったり、納入場所がエンドユーザーにまで拡大されていたりして、従来と同様の作業をやっていても、以前に比べて効率の点で悪化していました。このことで、社長以下全社員の意識改革が進み、経営革新に取り組んでいます。
人とプロセスとITの一体化
事実が明らかになり、意識が芽生えると人の知恵が生まれます。
ある小売業のお客様では特売のチラシを本社で決定していましたが、携帯電話からWebを活用して登録し、会員化し、店のMMK(マルチメディアキオスク)から特売のクーポンを発行、これにより、これまで見えなかった店舗毎のお客様の顔が見えるようになりました。
この事実により店長の意識が変わり、店長の知恵で顧客層毎の特売の商品選別や、時間帯別の売り場のレイアウト変更等の仕事のやり方を変えることで売上を大きく伸ばしています。
携帯電話の会員の離脱率が高い中で、このお客様はほとんどいないということからしても高い顧客満足度も得られています。
ものづくり革新運動に取り組んでいる富士通ITプロダクツ(以下、FJIT)では、TPSの導入とともに、物と、人、情報を徹底的に「見える化」し、「改善提案」「おせっかい活動」「ありがとう運動」などの意識啓蒙活動を通じて、派遣社員も含めた全社員で知恵を生み出し、仕事のやり方を変えて、そこにITを活用しています。
実施されている取り組みは、部品の取り付けミスを防止するRFIDシステムや、設計と製造の情報を共有させた3次元のVPS(注2)システム、日本とグローバルの拠点で働く営業への製造の進捗がわかる情報提供システム、現場での改善・提案を促進させるモニター・スキャナシステムなどがあります。
FJITはこのようなアプローチにより、ものづくりの現場を改善し続ける企業の革新体質づくりに取り組んでいます。
上記の事例から共通して言えることは、実は「見える化」だけでは終わっていないことです。各事例で手法は異なるものの、関係者間でどのようにプロセスを変えていけばよいかをきちんと合意形成しています。
換言すれば、「見える化」だけでは不十分で、せっかく明らかになった事実(課題)にどのように対処していくかを、「人とプロセスとIT」がどのように相互作用すればよいか、の観点からシナリオが描かれた上で、継続的に改革が実行されています。
フィールド・イノベーション実践の年
フィールドの現場の事実を明らかにし、人の意識改革が芽生え、人の知恵が生まれ、プロセスを変えて、そこにITを活用し、企業全体の経営革新活動となって大きな効果を生み出していきます。重要なことは、オーナーとしての経営層と現場での幹部社員がフィールドを感知し、事実を明らかにして、まずみずからの意識改革を行い、率先垂範して、経営革新を推し進めることです。
今年の10月からフィールド・イノベータと呼ばれる専門家が登場しますが、富士通総研はフィールド・イノベータ育成で中核的役割を担っております。
富士通は、見える化や効率よく進めるための手法、リファレンス及び、先進事例のノウハウとフィールド・イノベータが加わり、本年度はフィールド・イノベーションの実践の年として、お客様の経営革新をお手伝いさせていただきます。
用語解説
- (注1)RFID(アールエフアイディ)
- RadioFrequency Identification(ラジオフリークエンシー アイデンティフィケーションの略):電波方式認識。リーダ/ライタ(アンテナ+コントローラ)と無線ICタグで構成され、無線通信によってデータ交信することができる、自動認識技術。
- (注2)VPS(ブイピーエス)
- Virtual Product Simulator(バーチャル プロダクト シミュレーター):3次元仮想試作システム。3次元CADで作成されたデータをもとに、設計段階での組立・分解性、可動部干渉等の徹底検証、遠隔地との3次元コラボレーション、プレゼンテーションへの3次元活用を実現するツール。
[2008年4月1日掲載]
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フィールド・イノベーション 2008年は実践の年
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