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グローバルな環境問題に、富士通がIT企業として応える

地球温暖化の影響は深刻化する一方であるが、グローバルレベルでの具体的な取り組みはまだ始まったばかりである。こうしたなか、富士通グループでは「グローバルIT企業が果たすべき役割」として低炭素で豊かな社会の実現へ向けた取り組みをおこなっている。そのビジョンおよび活動状況を、常務理事 環境本部長の高橋淳久に聞いた。


[連載索引] 環境 |  グローバルな環境問題にIT企業として応える |  環境意識を変えて、低炭素で豊かな社会の実現へ |  REACH規則にも対応した「PLEMIA/ECODUCE」 |  環境経営情報システム「SLIMOFFICE EX」 |


環境負荷を低減するためのイノベーションとは

「人類にとっていまや待ったなしの課題である地球温暖化をはじめとした地球環境問題に対して、IT企業がどう貢献できるか、そしてどう貢献していくべきか。そのような発想から富士通は環境活動に取り組んでいます。」

1991年、現在の環境本部の前身である環境技術推進センターが発足した。リオデジャネイロでの地球サミットが開催される前年である。
その後、1993年に第1期富士通環境行動計画を策定。2007年には第5期環境行動計画が策定され、グリーンITによる環境負荷低減プロジェクトGreen Policy Innovation(グリーン・ポリシー・イノベーション)もスタートしている。

「Green Policy Innovationは、IT製品そのものの環境負荷を低減するということと、ITを利用して環境負荷を低減するという2つの側面からのアプローチです。自社において環境に優しい「ものづくり」をおこなうことはもちろんですが、富士通グループの環境活動ノウハウやテクノロジーを活かしたグリーンITをお客様に提供することで、お客様・社会全体の環境負荷低減に活かしていこうということです。」

地球規模での取り組みも進みつつある。2008年7月のG8(北海道洞爺湖サミット)では、2050年までに世界全体の温室効果ガス排出量を現状から50%削減するという目標が共有された。

「現在より50%削減するということは、今後予測される経済成長に伴うCO2排出量の増加率を考え合わせると、2050年時点では実質70~80%程度の削減率となります。その達成は容易ではありませんが、実現不可能な数字ではないと考えます。
ただし、そのためには社会に影響を与えていくさまざまなイノベーションが必要であると考えます。」

温室効果ガス排出量を大幅に削減するためには、改善型の取り組みだけでは限界があるという。

「技術はもちろん、ライフスタイルや社会インフラなど、さまざまな領域でのイノベーションが必要だと考えています。
たとえば、高度道路交通システム(ITS)を積極的に進めることで交通機関の排出量を削減する、先端テクノロジーによる低炭素型住宅を増やしていく、CO2排出量を「見える化」して生活者の行動様式を変える、というようなことが考えられます。いままでになかった新しい機軸を打ち出すことが必要です。」

IT産業は、世界のCO2排出量の2%を占めるというデータがある。

「ITが占める2%のCO2排出量を削減していくのはもちろんですが、ITを活用することで、残りの98%のCO2排出量を大幅に削減できる可能性があると考えています。ITによりイノベーションを積極的に社会に働きかけるのも、私たちの役割だと思います。」

企業の持続的成長のためには環境を経営の視点で捉えることが必要

企業の社会的責任(CSR)としても位置づけられる環境活動だが、それにとどまらず、最終的にコスト削減という方向へ高めることも重要だという。

「環境が経営におけるもっとも重要な課題のひとつだということは、衆目の一致するところだと思います。また、企業イメージアップのために環境問題に取り組む企業も少なくないでしょう。
このような状況からさらに踏み出し、環境を経営の視点で捉え持続的なものとするためには、実質的な利益に結びつけることも重要だと考えます。無理・無駄・ムラを省くことがコスト削減につながるのと同様に、環境戦略も経営改革につながるはずです。」

環境活動と企業利益とは一見、相反するように思えるが、どう取り組むべきなのか。

「昨今の金融不況などの影響で、多くの企業が困難に直面しており、出口が見えないという見方もあります。
しかし、将来にわたって企業を持続させると共に、将来世代へこの美しい地球環境を受け継いでいかなければなりません。決して容易ではない2つの課題を同時に解決しないといけない状況ですが、投資家は中長期的な視点で企業価値を判断するでしょう。
つまり、この局面をどう乗り超えていくのか、そこに企業価値があると考えると思います。好況とはいえない現在の経済状況だからこそ、中長期的な経営戦略を重要視し、環境経営に取り組むことが必要だと感じています。」

「中長期の経営を考える際、省エネルギー投資、イノベーションのための技術開発を怠ることはできません。また、消費型社会とは異なったパラダイムも必要になるでしょう。
経営企画、研究開発、社会的責任、この3つをあわせて企業戦略としなければなりません。環境問題にどう取り組んでいくかということは、企業自身がどう発展していけるのか、ということにつながっていくのだと思います。」

理想だけではない、企業における実質的なメリットがあってこそ、環境経営の持続性(Sustainability(サステナビリティ))が保たれるのである。

では、中長期的な経営戦略へ向けた環境経営とはどのようなことか。また、グローバルな環境問題に対し、富士通はどう貢献するのか。

この後は、富士通グループが掲げた中期環境ビジョン「Green Policy 2020」について、さらには今後の課題について、引き続き、高橋が語る。

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 環境意識を変えて、低炭素で豊かな社会の実現へ

[2008年12月2日 公開]

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