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第2回 「誰が読むのか、誰の心を動かしたいのか」

誰が読むのか、誰の心を動かしたいのか
心に響かないプレゼン資料の大半が、このスタート段階で脱落していています。

まず、パワーポイントの使われ方を考えてみましょう。
提案書、プレゼンテーション資料、説明書、パンフレット・・・。
およそ、絵、図形と文字が混在する書類のすべてに対応は可能ですが、パワーポイントがパワーポイントらしさを発揮するのは、提案書、プレゼンテーション資料でしょう。
マイクロソフトのオフィシャルサイトでは、パワーポイントを「Microsoft Office のプレゼンテーション グラフィック プログラム」と位置づけています。紹介文のなかでも、「より印象的なプレゼンテーションの作成、実施、および共同作業を行なうための機能が向上しました。よりインパクトのあるプレゼンテーションを行なうための・・・」というような謳い文句が並んでいます。

そう! プレゼン資料を作る上で、非常に便利な道具なのです。

これまで、多くの方がパワーポイントで作成したプレゼン資料を、目にしてきました。何かを売り込みたい、何かを分かって欲しい。
あるものは数ページ、また、あるものは数十ページに渡る。
しかし、ボリュームの大小、内容の充実度の前に、大概は、最初の1ページ。「はじめに」を読んだ段階で、このプレゼンは成功する、失敗する、の判断がついてしまいます。不思議なものです。
ほとんどのプレゼン資料に共通して、この最初の1ページは、作成者の思い、訴えが、最も強く現れているページだからです。ここに思いが感じられなければ、当然、大したプレゼンではない、と結論付けてまず間違いないようです。

最近目にする多くのプレゼン資料が、サプライサイドロジックに陥ってしまっている。作成する側の知識、紹介する商品やサービスの良さ、これらを一方的に語ることに多くのページを割いてしまい、受け入れる側の思い、例えば「費用対効果」などはたった1ページしか書かれていない。そんな資料があまりにも多すぎるような気がします。

「この提案書でどうでしょうか?」そんな質問とともに、作成した資料を抱えて、筆者のところへも若手社員が訪れます。手に取って、最初の質問は、ほぼ九割方、「これは、誰に見せる(読ませる)資料なの?」

一般消費者では、子供、学生、主婦、高齢者・・・。
物堅いお役所の人、がらっぱちなお店のご主人・・・。
一般企業の社長さん、あるいはそれに準ずる方々、部門長クラスの方、実務担当者・・・。
ご自身の社内のそれらの方々・・・。
さらには、実務担当者の手を経て、その上の決裁権者を口説いて欲しいケース・・・。
などなど、同じ商品を紹介するにしても、見せ方、見せるポイントは、自ずと異なってくるはずです。
「君の持ってきたプレゼン資料は、客の顔が見えてこない。」 筆者が次に発する言葉です。先ほどの九割方のうち、八割方が、この言葉の対象になってしまいます。そして、さらにその内の半分以上が、「一から視点を変えて、作り直し!」という言葉を浴びせられる結果となります。
説明資料とプレゼン資料を混ぜこぜにしてしまっている資料のナント多いことか・・・。
読者諸兄も一度過去に作成した資料を振り返って見てください。明瞭に資料を相手の顔、頷く顔が浮き上がってきますか?

第2回目の結びに、かつて、まだパワーポイント(・・・ワープロもなかったかな)などいう便利なものがなかった時代のこと。
経営層に提出する資料は、「何としても、A3サイズの用紙”1枚”にまとめる。」この信念で作成し、実際に実行していた時期がありました。そうです、「経営者は何十ページにもなるプレゼン資料に隅々まで目を通してからでないと決断できない。」そんなことは決してないのです。だから究極の1ページを作る努力をしたのです。
狭いスペースにすべて(経営者に訴えたい)を語り尽くすために、言葉ひとつとして、おろそかにできない。筆者のプレゼンテーション資料作りの原点は、ここにあったと思っています。
トライしてみませんか?

経営コンサルタント 谷田貝 敏紀
[2006年12月14日 掲載]

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