Fujitsu The Possibilities are Infinite

 

第1回 『連載開始にあたって』

長年いろいろなものを書いてきましたが、今回は正直、戸惑っています。
というのは・・・・

そもそもコンピュータのソフトウェアを上手に使いこなして、仕事に役立てていくには、ある一定のセンスを必要とします。典型的なのが、以前、筆者が連載した「エクセル」というソフト。触れた瞬間に「セルに数式を埋め込んでおくことで、すごいことができるんだ」という概念を理解し、何の抵抗もなく入っていける人。一方、講習会やテキストにどれほど投資しても、使いこなすレベルに至れない人。明らかに両極に分かれます。これは、「仕事ができる人」と「できない人」ということを言っているのではないので誤解のないようにお願いします。
ただ、確かに、その両者が存在するということは事実なのです。

さて、そこで今回取り上げる「パワーポイント」ですが、かなりメジャーで、いくらでも身近に存在するにもかかわらず、仕事に役立てるには、これほどセンスを要求されるソフトも珍しいといって良いでしょう。
すなわち、このソフトは操作を教わっただけでは、何の役にも立たないのです。(だから、Microsoft Officeのスタンダードからはずされているのでしょうが)。教える側にとっては、とても厄介なソフトだといえます。ここが冒頭の「戸惑っています」の真相です。

「エクセル」の場合は、「操作の結果を、ある程度予測、推論できる」という能力を有した人であれば、だいたい使いこなせるようになれます。

「パワーポイント」は、ここが少し違います。
操作結果の予測ではなく、「この資料を見た相手が、どのような反応をするか」を予測、推論できる能力が求められるのです。つまり、「パワーポイント」を使う使わない以前に、プレゼンテーション能力を有しているか否かを問われることになります。言い換えれば、「相手の心を動かしたい」という強い思いを持っているかどうかが先にあってこその「パワーポイント」なのです。

さて、小難しい話をしてしまったせいで、「それじゃ、私には使えないや」と思ってしまった方。少しだけ待ってください。
「パワーポイント」は、難しいソフト(使い方の話ではありません)ではあります。
しかし、プレゼンテーションツールとしては、かなりの優れものなのです。挑戦するだけの価値は十分にあります。

お客様でコンペになったとき、競合相手のプレゼン資料をチラツとみただけで、「この商談は勝った!」と思ったことは、一度や二度ではありません。
提案内容は大同小異。にもかかわらず、瞬時に、そう感じてしまうケースが多々あるのです。
ここが「パワーポイント」の威力であり魅力なのです。使いこなせるか否かが、事業の成果を左右する可能性を秘めたソフトウェアなのです。(もちろんここでいう「使いこなす」は、操作方法の上手下手のことではありません。)
その点に心して「パワーポイント」に挑戦していただけたらと思います。
だから、トライする前に引いてしまわないでください。

相手の求めていることに対して、自ら(提案する側)の「思い」をどれだけ強く伝えられるか。相手の琴線に、どこまで触れることができるか。
それを手伝ってくれる道具が、「パワーポイント」というソフトウェアなのです。

こんな視点から、筆者なりの「パワーポイント講座」の連載を開始してみたいと思います。

経営コンサルタント 谷田貝 敏紀
[2006年11月9日 掲載]

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