第54回 花粉症
春です! 寒さから開放され、心も弾む季節。
春の語源は、草木の芽が「張る」から来ているという説がありますが、英語でも、春 - springは、同じ類の説が有力です。
Springとは、「跳ぶ、跳ねる」「湧き出る」のほかに「植物などが生える、芽を出す」意味があり、転用されて、春、springとなったのですね。
春の柔らかな日差しの下で、木々も色とりどりの花を咲かせ、誰もが喜んでいると思ったら、それは、大間違い。
年々増加の一途を辿る「花粉症」は、今年も猛威を奮う模様です。
そもそも花粉症は、ローマ時代から存在していたと言われますが、臨床記録が残されているのは、19世紀初期、イギリスでのこと。
イギリスの田舎ならどこにでもある干草が原因で、鼻がぐずぐず、涙が流れるなどの症状が出たと記録され、「hay fever」と名づけられました。(ご存知の通り、「Hay」とは干草、「fever」は熱)。
19世紀の終わりに、アメリカで、「hay fever」の原因が、干草だけではなく、ブタクサだと判明しても、通称「hay fever」として今でも使われています。
オックスフォードに留学中、毎年8月の終わり頃から周りでも「hay fever」症状が見られ、シュンシュンと鼻をすする人が多くなります。
ことイギリスは、鼻をすすることをタブー視している国民気質のせいで、「hay fever」にかかった友人たちは、ずいぶん肩身の狭い思いをしていましたっけ。
その代わり、授業中だろうが、食事中だろうが、所かまわず、ポケットから取り出したハンカチに向けて「チーン」「チーン」「スズー」と高らかな音を立てて鼻をかんでいました。決まってそのくしゃくしゃハンカチは、元のポケットに収まって、何度となくまた繰り返し使っているのです。清潔好きの日本人石橋眞知子としては、その行為が許せなかったのを覚えています。
花粉症にまつわる英語表現
というわけで、今回は「花粉症にまつわる英語表現」です。
I have hay fever.
I have suffered from hay fever.
「花粉」の症状だときちんと説明したい時は、「花粉 - pollen」と、「アレルギー - allergy」を用いて
I have pollen allergy.
といえば完璧!
ちなみに、スギ花粉は、「cedar pollen 」です。
また花粉症の症状はさまざま。ついでに覚えてしまいましょう。
- 目がかゆい I have itchy eyes.
- 目がうるうるする I have watery eyes.
- 鼻がずるずるする I have a runny nose.
- 熱っぽい I’m feverish.
石橋眞知子(いしばし まちこ)
エッセイスト&プロデューサー
学習院大在学中から深夜放送のパーソナリティとして活躍。
シカゴ・ノースウエスタン大学で日本語講師。オックスフォード大学留学。
異文化コミュニケーションやマナーをテーマに執筆やエッセイ、そして講演会などで活躍している。
現在の執筆活動の拠点は産経新聞「ビジネスアイ」。日曜版5面「女の本音・男の本音」、木曜版1面「よのなか万華鏡」を執筆、その視点にはたくさんのファンから絶賛を浴びている。
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